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魔性の瞳  作者: 冬泉
第三章「心の嵐」
121/192

魔性の瞳-120◆「正体」

■ヴェロンディ連合王国/王都/謁見の間


「うむ、けだし賢者の名言かな」


 ぽむぽむ、と契那の頭をに手をやりながら、アーサーは笑った。長身の王と並ぶと、小柄な契那は頭一つ以上の身長差がある。そんな王も、アクティウムに比べれば背が低いのだが。


「称号の件に関しては、“思慮深い”形で考えてくれると助かるな。まぁ、無理強いも出来ないけれどね」

「それでも、陛下の好意に度を超して甘えるでなかれよ、サー・ムーンシャドウ」


 傍らに戻った契那の背に手を遣りながら、釘を刺すアクティウム。


「ところで──夕食会を行う旨聞き及んだのですが?」

「あぁ、その為に諸君を呼んだのだよ。主賓はエリアドとレムリアだけどね」


 勿論来てくれるだろう? とアーサーは思い出した様にエリアドに向かって付け加えるとにこりと笑った。


「“鈴の間”に準備を整えているからね。今日は何が観られるだろうね」


               ☆  ☆  ☆


「・・・夕食会、ですか。」


 エリアドは小さくため息をついて、そう問い返した。


「・・・もし辞退させていただいてもかまわないのであれば、辞退させていただきたい。・・・というのが、正直なところではありますが、・・・さすがに、そういうわけにはいかないでしょうね。」


 一瞬、幾つか断る口実を考えてはみたのだが、結局エリアドは諦めてそう応じた。そして、その話題を打ち切るかのように口調を変えてみる。


「・・・ところで。一つお教えいただいてもよろしいですか?」


 少しだけ間を置いて、アーサー王の許しを待ち、エリアドはこのように続けた。


「・・・さきほど、男爵閣下に同行していた御方は、どのような方なのでしょう? もし御存知の方がおられるのであれば、お教えいただきたく」

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