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魔性の瞳  作者: 冬泉
第三章「心の嵐」
112/192

魔性の瞳-111◆「印象」

■ヴェロンディ連合王国/王都/王宮正門→王宮


 実のところ、セイがその時のエリアドのことを「若い割に老成した口調で話す」と思ったのも無理はなかった。この時、コモン暦556年生まれのエリアドの実年齢は二十九歳だったのだ。しかしながら外見的には、誰が見ても二十歳そこそこの若者にしか見えないこれはどうしてなのか?

 ・・・エリアドは、以前の旅の途中で、とある廃墟はいおくに巣喰っていた幽鬼ゆうきとの戦いで受けた老化を治すため、手に入れた“若返り”の魔法の秘薬が少しばかり効き過ぎてしまい、今度は逆に元の年齢よりも若くなってしまっていたのである。だから、そのことを知らぬセイがそのように感じたのは、ある意味至極あたりまえのことなのであった。


『サー・ムーンシャドウ。私と一緒に来て貰えないかな?』


 背の高い騎士の言葉に、エリアドは小さくため息をつく。


「・・・サー・ムーンシャドウ(ムーンシャドウ卿)か。・・・陛下には、丁重に、『その称号は、辞退させていただきたい』と申し上げたはずなのだがな。・・・と、ここで貴公らに言ったところで詮無きことか。」


 その口調に含まれていたモノを感じて、セイの態度が目に見えて強張る。それを余所に、ゆっくりと馬から降りたエリアドは、少しだけ口調を改めて続けた。


「・・・わかった。その件については、もう一度、私から直接、陛下に申し上げることにしよう。・・・で、ハウ卿。私はどちらに行けばよろしいのか?」

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