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魔性の瞳  作者: 冬泉
第三章「心の嵐」
105/192

魔性の瞳-104◆「騒動」

■ヴェロンディ連合王国/王都/王宮正門


 エリアドは、ふと、近衛兵の一人──服の装飾から見るに、おそらく隊長格の人物であろうと思えた──に、目が止まった。

 その瞳に、他の者には見られぬ“光”が宿っていたからだ。


“・・・瞳に、このような“光”を宿す者が、まだこの国にいたのだな。”


 わずかに目を細めて、その男を見る。


「貴公・・・。(名は・・・)」


 一瞬、そう聞こうとして、言葉を止める。


“・・・いや、もう十分だ。これ以上、この国と関わり合いになる必要はない。”


 自分にそう言い聞かせ、ゆっくりと瞑目する。


「・・・いや、なんでもない。」


 私は黙って正面の王宮に視線を戻し、ゆっくりと馬を進める。


               ☆  ☆  ☆


 魔剣士は、一礼して門を抜けていった。口にしかけた言葉は、しかし最後まで話されることはなかった。


“交わらぬのが命運か・・・。全ては、糸を紡ぎし女神のお心の儘に、というこのなのだろうな”


 己の俗っぽい考えに苦笑しながらも、ふと、視線を上げると。


“ふむ・・・”


 王宮の方から、五騎の近衛騎士が笑いながら正門に向かってくる。豪奢な衣装は、騎士正装を可能な限り華美に仕立て上げたものだ。


“着飾るばかりが騎士ではなかろうに”


 必要以上に、その身をキラキラと輝かせて、近衛騎士達は馬を進めてくる。と、自分たちに向かってくる魔剣士の姿が漸く目に映った。


「おやぁ? これは、舞踏会におられた騎士殿ではなかろうか?」

「おぉ、そのとおりだご同輩。それも、エルド男爵様の許嫁に手を出したとか」

「許嫁? あぁ、“魔性の瞳”姫か」

「お似合いかもしれんぞ? この者も“魔剣”を帯びているというからな」


 ははははは、とあくまで爽やかに近衛騎士達は笑った。相手の耳に、その会話が入るのを見越しての行動だった。


「何があっても、扉は開けておくように。いいな」


 部下に指示を出すと、シュテファンは詰め所を出た。ゆっくりと魔剣士の後を追う。

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