第2回 竜の使いの集い
これは「制覇!!! 中国四国編」を、字数に恐れながら書き、ほぼ戦闘シーンだけで乗り切り、書籍化の目安の10万字に、あと6万字も足らないという、緊急事態のため、お客様に共感や葛藤をしてもらうための、パロディ&コミカルである。
「おお! 新年会に続いて、第2回竜の使いの集いがあったぞ!」
この喜んでいる、やさぐれている娘が海ちゃん。海竜さまの使いである。
「私たちの持ち分は5000字だって、青春一直線だ!」
この青春を語尾に付ける娘が、火ちゃん。火竜さまの使いである。
「2人ともうるさい。もっと静かにして。」
この冷めているが、俊敏な娘が、空ちゃん。空竜さまの使いである。
「本当にうるさいわ。もっと静かにして。」
あれ? 前回は海火空の3人だけだったのに、おかしい? 1人多い。
「あの・・・どちらさまですか?」
3人は、恐る恐る質問してみる。
「私は、ティアマトお姉さんだよ!」
ティアマトおねえさん・・・ちい物語に登場。治安の悪い西之島で、ライのお母さんと妹のちいを助けるために登場。
「ティアマトお姉さん!? 知ってる?」
「知らない?」
「・・・。」
3人は、竜の使いで初めて聞く名前だった。
「それはそうよ、私だって知らなかったんだから。今回、初めて私がティアマト竜さまの使いということになったんだから。」
「なに!? そのブッコンできた感は!?」
要するに、他の竜との兼ね合いで、ティアマトが何竜なのか? ということが、整理・決定できていないのだ。
「仕方がないじゃない! ティアマト竜さまは、海竜と思いきや、海竜さまは、もういるし。」
「は~い、はい! 海ちゃん、海竜さまの使いです! 誰にも譲らないわよ!」
「誰も取らんわ!?」
「略奪愛も、青春だ!」
「・・・いらない。」
海の女神ティアマトの海竜化に失敗。
「血では無く、毒から、ティアマトお姉さんと11匹の愉快な怪物たちを生み出した!」
「毒竜だ! 毒竜にしよう!」
「それだと、私の仲間のイカの足を油であげて食べた、ライのお母さんと、妹のちいちゃんは死んでしまうわ!?」
「食い意地が張っているのも、青春だ!」
「・・・かわいそう。」
毒竜もダメ。
「ティアマト竜さまは、混沌の象徴なんだって。」
「そりゃ、毒で11匹も愉快な仲間たちを作っていれば、そう言われるだろうよ。・・・ん!? 混沌竜は、どうよ?」
「肩叩きじゃないんだからね!?」
「コントン、お肩を叩きましょう~♪」
「ああ、気持ちい。ちょうど、肩がこっていたのよね。もうちょい、右右。そこそこ、あ~効くわ。」
「見捨てられるのも、青春だ!」
「・・・関わりたくない。」
カオス竜もダメ。
「こんな感じだから、ティアマト竜さまは、闇竜とも言われることがあるわ。」
「キター! ど真ん中! 闇竜、カッコイイ! それでいいじゃないか?」
「私も、いいとは思うのよ。ただ、後から闇竜なんたらかんたらっていうのが出てくるかもと思うと、闇竜という肩書が使えないのよ!」
「そんな事情が!? 困ったねえ。」
「気遣いも、青春だ!」
「・・・胃潰瘍になれ。」
闇竜もダメ。
「実際に、邪竜アジ・ダハーカていうのが、他の作品で登場したのよ。これで、邪竜も使えないのよ。」
「ティアマトお姉さんも大変だな。・・・ていうか、邪竜が決まったら、邪竜さまの使い、邪ちゃんが出てくるんじゃない?」
「おいおい!? 私の仕えるティアマトさまの肩書が決まる前に、他を決めないでくれ! 登場させないといけなくなるだろう!?」
「ごめん、ごめん。・・・つい。」
「誤爆も、青春だ!」
「・・・そろそろ、疲れてきた。」
邪竜もダメ。
「いい話にしようとすると、のちにティアマトさまの家系は、天空神が誕生されているらしい。」
「て、て、て、て、天空竜!? いい響きだ! なぜ、それを早く言わないんだ!? それなら、既存の竜の使いとも被らないぞ!」
「いやあ、やっぱり、おいしいのは最後に置いておこうと思って・・・。それに、初期は闇竜にでもしといて、将来的に天空竜か、天竜になった方が、おいしいかなって。エヘヘ。」
「ティアマトお姉さん、いやらしい・・・。」
「騙し騙され、青春だ!」
「・・・もったいない、却下。」
天空竜は、保留と。
「そこの2人! さっきから、ごちゃごちゃと、うるさい!」
「黙ってろ! 私の2番煎じ共!」
ティアマトお姉さんと海ちゃんは、火ちゃんと空ちゃんを一蹴した。
「ごめんなさい!? 謝るのも、青春だ!」
怯む、火ちゃん。
「・・・いいの? 私に、そんな口を利いて?」
空ちゃんは、反抗的だった。
「どういうことよ?」
「・・・天空竜。仮にティアマト竜を天竜とした場合、天空竜になるには、空竜の使いである、私の力が必要よね。」
「なに!?」
さっき気づいたのだが、天空竜には、空という字が入っている。合体進化系なら、天龍と空竜がいるのだ。
「・・・謝れ。豚と犬ども。」
「申し訳ありませんでした!? 空竜の使いさま!?」
「わ、私は謝らないわよ。海竜さまの使いの私に、空竜は関係ないもの。」
「この裏切り者!? おまえも謝れ!」
「きゃあ!? 何するのよ!?」
空ちゃんに、謝罪するティアマトお姉さん。やさぐれて裏切ったかに見えた、海ちゃんは、ティアマトお姉さんに頭を手で押さえられる。
「申し訳ありませんでした!」
結局、ティアマトお姉さんと海ちゃんは、土下座をして、誤った。
「・・・分かればいい。」
空ちゃんも許してくれた。
「ケンカからの仲直りも、青春だね!」
火ちゃんが、丸く収めた所で、一度、投稿してみよう。投稿しないと、書いた字数が分からないのよね。
「これだけ騒いで、2000字か・・・。意外にあるな。」
「あと3000字、海ちゃんの出番があるってことだ! ハハハハハ!」
「海ちゃんが燃えている! 青春だ!」
「・・・早く終わらせて、帰りたい。」
ティアマトお姉さんが登場できる、この話の環境なので「ちい物語」を考える。
「ライの家族も大変なのよ。」
「そうだな。ライの奴、西之島では、相当な悪だったみたいだしな。」
「お兄ちゃんがぐれると、妹も苦労するわ。」
ティアマトお姉さんと、海ちゃんが話を盛りに盛りまくる。
「家庭内暴力! おらおら!」
「お母さんをぶたないで!」
「お兄ちゃんが怖いよ! えええん!」
ライの暴力に震え、泣き叫ぶ、母と妹。
「父親とペット殺し! 死ね死ね!」
「ライ!? お父さんを殺したのは、おまえだったのか!?」
「お兄ちゃんが、ハチを食べちゃった! えええん!」
ハチとは、ペットの犬の名前である。
「いじめ! 金出せ!」
「すいません! ライさん! これだけしか持ってません!」
「有り金だけで許してください!」
ティアマトお姉さんと海ちゃんの迫真の演技が続く。
「おまえら、ライは仲間だろう?」
「んん? そうだよ。」
「じゃあ、もうちょっと青春にしようぜ!」
「例えば?」
今度は、青春大好き、火ちゃんが、仮想ドラマを始める。
「恋愛編。」
「火ちゃん、好きだ。」
「ライ、私も好き。」
「恋愛こそ、青春だ!」
かなり、臭い。
「スポーツ編。」
「ライ! 私を甲子園に連れてって!」
「俺は、火ちゃんのために、打つ!」
「スポーツこそ、青春だ!」
また、臭い。
「失恋編。」
「私より、やさぐれ女の方が好きなのね!?」
「ち、違うだ!? この海女が一方的に!?」
「さようなら!」
「火ちゃん!」
またまた、臭い。
「どうだ? 青春の破壊力は?」
「火ちゃんの青春は、手抜きだな。」
「仕方がないだろう。編集がお客様が共感する、共感フレーズを入れろって言うんだ。ラノベだから、いちいち描写なんて、入れたら誰も読まなくなる。」
「それに、ラノベって、ほとんど売れないし、アニメ化が決まったら、こんな文章でも、ファンが買ってくれるんだって。」
「人気アニメみたいに、制覇!!! のキャラを使って、番外編のお話で遊ぶになってきたな。」
「悲しいけど、メインストーリーよりも、製作委員会の方がアクセス数が多いという、今の小説投稿サイトの状態だから」
「青春って難しいね。」
「・・・早く帰りたい。」
描写よりも、会話で描写を描く。そうしなければ、ラノベユーザーの食いつきが悪いというデーターが・・・。
「制覇!!! 2 中国四国編も食いつきが悪かったな。」
「日本モノって、人気ないな、そろそろ打ち切りか?」
「やっぱり異世界ファンタジーが青春だよ!」
「・・・終わろう。」
異世界ファンタジーは、購買層がいて、その他は苦戦だらけらしい。絵が書けたら、漫画の方がヒットはさせやすいらしい。
「バカ野郎! ここで諦めてどうする!? まだ竜の使いも3人しか出てきてないんだぞ! あと6人の仲間が埋もれているんだぞ!?」
「そうだ! ライの剣はまだ、3竜雷剣なんだぞ!? 9竜雷剣にもなっていないし、雷神タケミカヅチにも出会ってないから、9竜雷神剣にもなっていない! こんな途中で投げ出していいのか!?」
「なんだか、青春らしくなってきたね。」
「・・・続きそう。」
竜の使いたちの士気が上がってきたので、真面目に作品のことを考えよう。
「まず、ちい物語。」
「ティアマトお姉さん、そっちからかい? 普通は、メインストーリーが先じゃない。」
「ちい物語は、4,5才のライの妹が大冒険する話なので、イマドキのラノベ読者には、適齢期な、読み物だ。それぐらい、今の大人は、お子様って言うことなんだ。」
「考えて悩むのも、青春だよ!」
「・・・それでは、本題どうぞ。」
空ちゃんのフリで、ここまでが前書きだったことが分かる。
「私は、ライが悪者と戦っている間、ライの家族に不幸が無いか心配になって、ライの家を訪ねたんだ。そうすると、変な男たちが、ライのお母さんと妹さんに悪さをしようとしていたんだ。」
ここで、改めて、どんな話だったかと、「制覇!!! 1」のちい物語を読んでくる。なんと!? ティアマトの肩書は、女神竜で決まっていた!? この話の冒頭のティアマトの肩書論争は、何だったのか!?
「そこに私が現れて、変な男たちを退治する。しかも、私の手が竜の頭になり、敵を丸飲みにするという力強さ! さすが私だ! ハハハハハ!」
「で、ティアマトお姉さん、今回は、何文字の割り当てなの?」
「1万0000字。」
「なに!?」
3人の竜の使いは驚いて絶句した。
「な、な、なに!? この竜の使いの集いよりも字数が多いじゃないか!?」
「2倍!? なんていう、青春!?」
「・・・うらやましか。」
3人は、言葉にならない感情がこみ上げてくる。
「仕方がないだろう。ちいは、主人公ライの妹だぞ。妹が、お兄ちゃんに会いあい! と、西之島を抜け出し、本州を目指して旅に出るんだから。」
「どこの世界でも、子供は強いな・・・。」
「ちゃんと「制覇!!! 1」の時に、ティアマトお姉さんの11匹の愉快な仲間たちを呼び出すことができるネックレスを渡してある。」
「お、おまえ、伏線を貼っていやがったのか!? なんていやらしい女だ!?」
「エロい? 私は、エロくは無いぞ。」
「そう言う意味じゃない。」
「ちなみに、もう1回読み返してくると、そのネックレスは、私の涙でできているのだ。すばらしい設定だろ。」
「ここのオフ会では、絶対に出てこない設定だな。」
「確かに、ここ、こんだけダラダラしてるけど、こんなんでいいのか?」
「今のラノベ読者とアニメ化作品には、この緩さがいいんだって。」
「ほんと、緩いな。」
「この緩い中で、キャラクター像を確立させるのも、青春だ!」
「・・・私は、もう自分を持ってる。」
確かに大衆ウケしそうな性格のキャラがいるからか、無口、言葉数が少ない、空ちゃんの方が、個性があるように思える。
「ちい物語は、ライの妹、ちいがお兄ちゃんに会いに行こうと本州を目指す。しかし、早くに着いたと思ったら、隣の島だった。子供のちいが本州を知っている訳が無い。島でティアマトお姉さんの愉快な仲間たちと大冒険していると、何かの封印を解いてしまうとしよう。そこで、その何かと、駆けつけたティアマトお姉さんの戦いが繰り広げられる。」
「なかなか、いいストーリーじゃないか。」
「だろう。4、5才の女の子が共感しそうな、スローな展開にして、島を大冒険している時に、ワクワクしてもらうんだ。そうすると、子供の親御さんも、いいお話ね、と共感してもらい、書籍化されたら買ってもらう。完璧な筋書きだ!」
「あと幼女が好きそうな、おっさんも買ってくれそうだな。」
「そんなことを言われると、この時点で、本家の制覇より、ちい物語をメインに書いた方が書籍化・アニメ化が近そうだ・・・。」
「どっちを選ぶのも青春だ!」
「・・・ちい物語の方が、私の出番が無くて、静かに暮らせそう。」
やっと、ちい物語2の概要が書けた。なぜ、こんなにも進まないんだ? 共感だの、葛藤だの、キャラクターの個性の確立だのをやっていると、本当にテンポは無しで、スローテンポになる。書籍化されてるラノベは、こんなのばっかりだから、これでもいいのだろう。
「今、更新して字数を見たら・・・あと500字しかない・・・。」
「私、宣伝終わったから、別にいいよ。」
「バカ野郎! あんたは良くても、私たちは良くない!」
「ケンカするのも青春だよ!」
「・・・海ちゃんとティアマトお姉さんより、青春一直線の火ちゃんの方が人気がある。なぜ?」
空ちゃんの疑問は、みんなの疑問だ。
「足早にいくぞ! 海ちゃんたち竜の使いは、例えば私なら、海の恵みで、HP回復。海の輝きで、攻撃力UP。困った時は、海竜化して、巨大化して、津波で攻撃する。さらに今回から、弱すぎる武将たちのために、鎧化を実装! 海ちゃんは、海竜の鎧になり、それを着た義久さまは、遠距離攻撃の海竜破、近距離攻撃の海竜斬を放てるようになり、強敵とも互角以上に戦えるようになったのだ。」
「おめでとう。」
「おまえ、自分の宣伝が終わったからって、気持ちがこもってないな。」
「そんなことはないよ。」
5行が文字だらけだから、セリフを短くして、メリハリをつける。
「私は義久さまとラブラブだからいいよ。これで当分、私には出番がないので、これからは火ちゃんと空ちゃんが誰に鎧を与えるかに焦点が当たるな。」
「おお! 恋の炎が青春を感じさせる!」
「火ちゃん、燃えてるよ!?」
「え? ギャア!? アチチチチ!?」
火ちゃんの青春は、たまに火災を起こす。
「確かに火ちゃんを巡って、立花、小早川、吉川、宇喜多が求婚中だしな。」
「火ちゃん! モテキ! キター!!!」
「火ちゃん、また燃えてるよ!?」
「え? ギャア!? アチチチチ!?」
火ちゃんは、海ちゃんに水をかけてもらい消火する。
「・・・私、義弘。」
「おお!? 空ちゃんは、恋の相手を決めたの?」
「・・・義弘、無口で静か。」
「空ちゃんには、ベストパートナーだね。」
「・・・うん。おまえたち全員、・・・うるさい。」
「え・・・。」
空ちゃんの一言に、恋の話で盛り上がっていた3人は、言葉を失った。
「・・・帰るね。バイバイ。」
「バイバイ・・・。」
字数のノルマ5000字を超え、自分の要件も済まし、空ちゃんは帰っていった。それを3人は、無表情で手を振って、見送るしかなかった。という、オチである。
つづく。