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制覇! 2 中国四国編  作者: 渋谷かな
1/16

ついに本州・長門・周防

「ついに本州か。」


一人の少年が海の向こうに見える大陸を眺めている。その表情は、充実感に溢れていた。


「ライ、そろそろ軍議が始まるぞ!」

「高橋さん、分かりました。すぐに、行きます!」


遠くから、少年を呼ぶ声がする。少年の名前は、ライ。島流しの島、西之島の出身である。ライは、子供の頃から剣術を学び、とても強い剣士になった。幾多の激戦の末、九州を制覇したのである。


「遅れるなよ!」


ライを呼びに来たのが、高橋紹運。元は大友の家臣であったが、殿を「歴史に名を残す者」に化け物の鬼にされ、殿の敵を討つために、参戦している。


「いくぞ! 本州!」


ライは、決心を新たに、自分の運命を前に進めていく。



「それでは、軍議を始める。」


司会進行役は、鍋島直茂。元は竜造寺の家臣であったが、殿を「歴史に名を残す者」に化け物の鬼にされ、殿の敵を討つために、参戦している。


「・・・が、なぜ義久がいない!?」

「兄者が面目ない。」


島津義久。自称天才である。父を「歴史に名を残す者」に化け物の鬼にされ、殿の敵を討つために、参戦している。家督をついで大名になった。現在は、壱岐か対馬で人を探している。そして、弟、島津義弘。武芸に秀でている。無口で不器用。


「まだ、海ちゃんは見つかっていないのかな?」

「あの子は、やさぐれていますからね。」


義久の探し人が、海ちゃん。海竜の使い。多少、性格に難があるらしい。そして、合いの手を打つのが、火ちゃん。火竜の使い。口癖は「青春一直線~♪」である。


「兄上は、何をしているんだろう?」

「困った兄を持つと大変だな。」


義久を兄上と呼ぶのが、島津3男、歳久。至って普通の気遣いができるオールマイティ武士。茶化すのが、立花道雪。少しチャラいが、忠義には厚い。


「俺が兄の分まで戦います。」


義久を兄と呼ぶのが、島津4男、家久。ライと同じ年くらいだが、実戦経験が浅く直線的である。これで第1部からのメンバーの紹介が、簡易ではあるが完了。


「クソ、義久め。まあ、いい。軍議を始めるぞ。」


鍋島は、仕切り直して、軍議を始める。


「我々は、まず筑前で大内義隆に謀反を起こし、長門、周防を領土にした陶晴賢を討つ。」

「おお!」

「しかし、1番の問題は、我々が陶を攻めている間に、九州が攻められる可能性があるということだ。」

「四国か。」

「そうだ。誰かが残り、九州を守らなければいけない。」

「うむ・・・。」

「僕が残ります。」

「ライはダメだ。歴史に名を残す者が出た時に戦ってもらわないと、我々は全滅するだろう。」

「俺が鬼ぐらい倒してやるよ!」

「無理だ、筑前の戦いで、分かっているはずだ。一匹二匹は倒せても、大人数で攻められたら、我々だけでは、太刀打ちできない。」

「チッ!」

「私が残ろう。」

「高橋、命がけだぞ? いいのか?」

「一度は死んだ命だ、何があっても守ってみせる!」

「わかった。頼んだぞ。」

「おお。」

「家久、おまえは残って、高橋を助けてやってくれ。」

「・・・わかりました。」


家久は、実戦に行きたいのに行けなくて、心の中では、納得していなかった。現状の説明は会話でした通りである。


「これにて軍議を終わる。いくぞ! 本州!」

「おお!」


登場人物の紹介も長くなると、ラノベ層なので、読んでもらえない。1人2行くらいが、ギリギリの線かな?


制覇!!! 中国・四国編、第2部がスタートする。


つづく。


「青春一直線~♪」

「わあ!? 空の上を歩いてる!?」

「火で道ができるなんて!? ありえん!?」

「あ、妖の仕業に違いない!?」

「むむむ・・・!?」

「クスクス~♪」


火ちゃんが、火の道の橋を九州の筑前から本州の長門にかけた。ライ、島津義弘、歳久、立花、鍋島のパーティーで本州に挑む。高橋と島津家久は、九州の防衛。島津義久は、行方不明であった。


火竜の使い、火ちゃんのスキル「火の道」に武将たちは驚いている。半信半疑なのである。戸惑っている武将たちを見て、ライはこっそり笑っていた。


「は~い~♪ 本州に到着です~♪」

「やっと着いた・・・。」

「地面に足がついていると安心する・・・。」

「俺は平気だったぞ・・・。」

「ふう~・・・。」

「火ちゃん、ありがとう~♪」

「これも青春のためです~♪」

「ハハハ・・・。」


やっと本州に着いた一行は、まず、ここがどこであるかを確認する。鍋島が側にいた武人に尋ねてみる。


「すまない、場所を尋ねたい。ここは何と言う場所ですか?」

「ここは・・・壇ノ浦。」

「かたじけない。教えてくれて、ありがとう。」

「みんな、ここは壇ノ浦らしい。」

「ということは、長門の国らしいな。」

「そうだ、陶晴賢は周防にいるからな。さっさと通り抜けてしまおう。」


周防を目指そうする一行だが、


「もし、客人のご一行さん。」

「なんだい?」

「せっかく壇ノ浦に来たんだ・・・死んでいきなさい。」

「え!?」


そういうと武人は剣を抜いた。


「わしは、平清盛。歴史に名を残す者じゃ。」

「なに!?」


ライたちは、思わぬ形で、歴史に名を残す者と遭遇してしまった。


「誰が相手をしてくれるのかな? それとも全員でまとめてかかってくるか?」

「拙者が、お相手しよう。」


島津義弘が1番最初に名乗り出た。


「では、いくぞ! ドリャア!!!」

「うわぁ!? なんだ!? この気合は!?」

「凄まじい風圧だ!?」

「これが歴史に名を残す者の実力なのか!?」

「この人も強い、ヤマトタケルと同じくらいか、それ以上だ・・・。」


平清盛を中心に発生している、竜巻のような気合のオーラが辺りにあるモノを吹き飛ばしていく。


「そこまでです。」


これから戦いが始まろうとした時に、上空から女性の声がする。上空を見た平清盛は、気合のオーラをおさめ、辺りは静けさを取り戻す。


「紫式部か・・・。」

「清少納言もいますよ~♪」


上空を2人の着物を着た女性が姿を現した。


「なんだ、あの女共は!?」

「紫式部、清少納言・・・、あいつらも歴史に名を残す者だというのか!?」

「どうする? 歴史に名を残す者を一度に3人も相手にするのか!?」


武将たちは、戦々恐々としていた。


「平清盛、あなたを迎えに来ました。」

「ほっといてくれ! わしは壇ノ浦にいたいんだ!」

「紫式部さまのお誘いは、素直に受けた方がいいですよ~♪」

「なぜ、受けねばならん!?」

「そんなことも分からないのか?」

「でた! 紫式部さまのお得意のルーティン~♪」

「わからんわい!」

「どあほう。」


紫式部の必殺の冷たい一言は、相手の精神に響き渡り、あっと言う間に相手を弱らせる。


「どあほう。どあほう。どあほう。」

「うわぁ!? 分かった! ついていくから、「どあほう」と言うのをやめてくれ!」

「最初から、素直に言うことを聞いてください。」

「さすが紫式部さま~♪」


平清盛は、紫式部たちと一緒に行動することになった。


「人間のみなさん、早く京に来てください。お待ちしております。」

「今度は、剣と剣をまみえようぞ!」

「さようなら~♪ あ!? 紫式部さま、置いて行かないで下さいよ!?」


こうして、歴史に名を残す者たちは去って行った。


「なんだったんだ!?」

「命拾いをしたのか!? 助かったのか!?」

「歴史に名を残す者、規格外の強さだな・・・。」


武将たちは、歴史に名を残す者たちの強さに恐怖を感じていた。


「紫式部、あの人が一番強そうに感じた。」


ライは、正確に相手の強さを見定めていた。


「みんな、気を取り戻して、陶を倒すため、周防を目指すぞ!」

「おお!」


一行は周防を目指すのであった。


つづく。


「おまえたちはなんだ!?」


大内義隆の領土を謀反を起こし、下剋上を成功させた、陶晴賢の前に、


「鬼島津! 島津義弘!」

「雷切り! 立花道雪!」

「平凡! 島津歳久!」

「自称天才! 鍋島直茂!」

「雷と書いて、ライ!」

「5人合わせて、九州制覇隊!!!」

「決めポーズも決まったよ~♪ これが青春だ~♪」


読んでもらおうと、少しでも、おもしろくすると、こんな感じ。


(恥ずかしい・・・。)

(死んでしまいたい・・・。)

(穴があったら入りたい・・・。)

(発案者、殺してやる!)

(ハハハ・・・。)


武将たちは、顔から火が出る位、恥ずかしかった。


「おまえたち、恥ずかしくはないのか?」

「ない!」


陶の質問にも、羞恥心を振り払うように、強がりで答える。


「謀反者、陶晴賢。降参しろ! おまえは包囲されている!」

「誰が降伏なんかするもんか! 勝負だ!」

「俺が相手してやるぜ!」

「道雪、頼んだぞ!」


陶と立花の戦いが始まったが、勝負は一瞬でケリが着いた。


「陶晴賢! 打ち取ったり!」


九州制覇隊は、長門・周防を手に入れた。逃げ出す兵士、降伏する兵士、敗戦した方は大変である。また勝ち取った領土を治めるのも大変である。


「みんな、地下の牢屋で変なのを見つけたのだが・・・。」

「ふにゃ。」


島津義弘が変なのの首根っこを捕まえて持って帰って来た。


「なんだ? 変な恰好をした女だな?」

「まさか!? 忍者か!?」

「忍者ってなに?」


忍者とは、術というスキルを使うことができる、ファンタジー世界の魔法使いのようなものである。


「いかにも、私は、由緒正しき名門忍者の旧暦家の落ちこぼれ忍者、12人分身が得意の睦月ちゃんだ~♪ どうだ! 参ったか~♪」

「そんなに優秀な忍者なら、どうして捕まってるんだ?」

「ガーン! ・・・落ちこぼれと言っただろう・・・。」

「この忍者・・・使えんな。」

「そんなことを言わないで、睦月ちゃんを雇ってください! わざと捕まって、食事をもらう生活は、もう嫌なんだ!」

「呆れるな、こいつ飯のためにわざと捕まっていたのか!?」

「まぁ、いい。偵察や情報収集くらいはできるんだろうな?」

「できます! 睦月ちゃんの得意分野です!」

「人材不足で猫の手も借りたいぐらい困っているんだ。」

「ニャア~♪」

「わかった、雇ってやる。」

「本当か!? ありがとう~♪」

「石見・出雲の尼子の動きを探って来てくれ。」

「その前に、ご飯が食べたいです!」

「はぁ~、こいつと話してると、お腹が空いてきた。みんなで飯にしよう。」

「やった~♪ ごはん~♪ ごはん~♪」


一行は、食堂に移動して、白いごはんを食べている。


「おまえたちは、どこの大名の家来なんだ?」

「我々は、九州制覇隊だ。」

「な、なに~~~!? 大友や竜造寺に島津と有力大名がひしめく九州を最近、制覇したものがいるという噂が流れていたが、おまえたちが九州を制覇した連中だったのか!?」

「俺たちも有名になったもんだな~♪」

「そうか、牢屋で捕まった忍者も知ってるぐらいだからな。」

「それを言わないで~♪」

「可愛い子ぶるな。」

「そうか~♪ 睦月ちゃんは強い国に就職できたんだな~♪ 父上が聞いたら涙を流して喜ぶぞ~♪ 父上! やりましたよ~♪」

「こいつ、話を聞いてないな。」

「おい、睦月ちゃんよ。」

「なんですか?」

「米をどれだけ食べる気だ?」

「ええ!? まだ、お茶碗9杯目です~♪」

「食い過ぎだ! そんだけ食ったら、さっさと仕事に行けよ!」

「殿!? そんなご無体な!?」


こうして、陶をさっさと倒し、新しい仲間、忍者の旧暦睦月ちゃんが加わったのである。


つづく。

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