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第六十一話 帰ってきたチートな手袋

 翌日、これといって何も予定も無かったので孤児院の子供たちの面倒や食事を作ったりと孤児院の仕事を手伝う事を中心に過ごし、明日用事があるので村の外へ出るかもしれないことを院長に伝えた。

 翌朝、スマホを確認するとちゃんとタクティカルグローブが送られてきていたので、まずは使用説明に目を通すことにした。


 さて、防御特化らしいけど一体どんな風になったのかな~? ――あれ? 見た目は黒い手袋……前と変わって無いっぽい。と、とりあえずスマホで説明を見てみるか、機能を変えるとは言ってたけど外見を替えるとは言ってなかったしな。


 取り出したてぶくタクティカルグローブの見た目が以前の物と一緒だったので本当に機能を変更された物なのかとちょっと疑いつつスマホで詳しい説明を読むことにした。

 

 ・直接使用者の魔力で作動させる方法とスマホとリンクさせることでスマホ内の魔力を使用する方法があります。

 ・装着していてもスマホの操作は問題なくできる。

 ・防御機能に特化しており攻撃的な機能はほぼない。

 ・基本防御機能として、手の平をかざした20cm程先の空間に魔力を使用して防御シールドが展開される。

 ・シールドについて

   出現位置や大きさは調整が可能。

   衝撃軽減、耐魔法、耐熱機能がある。

   外側からの攻撃は通らないが内側からは攻撃できる。

   受ける攻撃の威力に応じてスマホの魔力を消費し、魔力残量を超える威力の攻撃は防げない。

   注意事項として大きく動かすと消えてしまう。

 ・手袋本体に関して、こちらは魔力を使わなくてもある程度の防御力がある。ただし丈夫な手袋と言うだけの物なので以前までのような使い方はできない。

 ・特殊機能として、魔力吸収能力がある。これはスマホの魔力充填アプリに近いものである。

 ・魔力の吸収はこのグローブで対象に触り魔力の吸収を念じることで発動する。

 

 一番下の方に『今回ご使用者が魔力を持たない方と伺っておりますので、必ずスマホとリンクなさってからご使用なさる様ご注意ください。リンクせずに使用する場合魔力の供給がされませんのでほとんどの機能が使用できません。防御機能シールドに関して音声認識機能へ変更しておりますので左手を開いて盾をイメージしてシールドと発生していただきますと防御機能シールドを使用する事が出来るようになっております。尚、スマホとリンクごせずご使用した場合ご使用時に何らかの不具合が発生しても当方は一切の責任は負わないものとさせていただきます』と書かれていた。

 説明を一通り読み終わり実際に装着してみることにした。


 ん~、今回のもちゃんと装着感があるな。これもずっと着けてると蒸れそうだから必要ないときは外すことになるか。最後の注意書きみたいなのって俺に対してのじゃなくリュースへの注意書きなんじゃないのか?

 ……まずはスマホとのリンクをしてから村の外の人目に付かないとこでラウに相手して貰って実際に機能の確認するか。


「ラウ~、ちょっと手伝って欲しいことあるんだけど今いいかな?」

「院長先生に聞いてくる」

「あ、俺が説明した方が早いだろうから一緒に行く」


 今日は急ぎの仕事は無いのでラウを連れて行っても構わないと許可をもらいラウとに手伝ってもらい村の外でタクティァルグローブの性能を試す事にした。


 さて、何はともあれまずはシールドってのを試してみるか。


 左手の平をかざし盾をイメージして『シールド』ど唱えるとかざした先の空間に幅1m高さ1.5mほどの淡く光る半透明の盾が現れ、手を握ってみるとシールドは消えてしまいもう一度手を開いてもシールドは出なかった。


 音声認識で展開される盾か……手の平から発生し握った状態だと発生しない、しかもシールドを出した状態で握る、と言うか手の平にある文様が隠れるとリセットされるんだな。ただし、右手で隠すとか布で覆うのとかじゃリセットされず、あくまでタクティカルグローブの指の部分で隠したときだけシールドが解除されてリセット状態になるのか。


 右手で盾に触ってみるがどちら側と言うかどこを触っても立体映像でもあるかの如く手がすり抜けてしまった。


 なんだこれ? 触っても熱くも冷たくもないし何もない空中で手を振ってるみたいな感覚だな。いきなりラウに攻撃させてそれを防ぐのもちょっと怖いし……まずは軽く雪玉でも投げてこさせるか。


「ラウ、雪玉を軽くこっちに放ってみてくれ。あ、すっごく軽~くだからな! ふりじゃなくマジで軽く投げて来いよ!」

「わかったぜ! ふわって感じだな」

「ん、それで頼む」


 ラウが投げてきた雪玉はシールドに当たりシールドの上をすべるように地面に落ちた。

 二回目は飛んできた雪玉をシールドで殴ってみると初めのときと同じ様に砕けることなくシールドの上を滑って地面に落ちた。

 三回目はシールドに当たって地面に落ちる前にシールドを振ると雪玉を弾き飛ばすことができた。

 その後も何度か試し自分で投げた場合はどうなるのか気になったので雪玉を上に投げてそれをシールドで受け止めてみるとすり抜けることなくシールドで雪玉を防ぐことができた。


 なるほど、このシールドは当たった時の衝撃を消してるみたいな感じなんだな、シールドで殴る様な真似はできなって事か……でも、押すことはできるみたいだ。他には……自分の手から離れた物は防げるみたいだから間違ってこっちに飛んできた跳弾なんかも防げそうだな。


 ラウに手で触らせてみると表側からだと触れることができたのだが裏側から触れたると触れた瞬間表側へ手が弾かれ身体が引っ張られてバランスを崩して転んだ。

 次に、盾でラウを軽く叩いてみると柔らかい布団で押されたような感覚しかしないらしい。しかし、ラウの方から殴ると鋼鉄の板でも殴ったような感じになってしまったらしくラウは殴った手を痛めてしまった。


 あれ? 衝撃を消してるんじゃなかったのか。って、考えるのは後にしてラウの手を治してやんないとな。


 ラウの手を治してから今度は障害物に対してはどうなのか検証してみることにした。

 シールドを展開したまま端の方を岩に触れそのまま押してみるとシールドが岩をすり抜けてしまった。その後にちょっと怖かったけど岩に向かってシールドをかざして軽く体当たりしてみると今度はシールドがしっかり防いでくれた。

 次にシールドを構えて木々が入り組んだ場所を歩いてみると身体にぶつかりそうな枝は弾きそれ以外はシールドをすり抜けた。


 う~ん、どういう理屈か分かんないけど俺に対して攻撃して来た物や害をなす物は防いでくれてそれ以外は通過してしまうみたいだな。

 木と木の狭い間もシールドをひっかけることなく通れるみたいだしとりあえずこれならダンジョンとか建物内でも壁や天井なんかに引っ掛けることなく使えそうだから十分役に立つな。あれ、ラウが暇そうにしてる……手伝ってくれって頼んでたのにほったらかしすぎたな。


「ラウ~、ちょっとシールドを押してみてくれ。今度は思いっきり力入れていいぞ」

「わかった~」


 ラウにいくら力を入れて押されても押されてる感じがほとんどしなかった。ある程度どんなものか分かったのでもう少しで昼になると言うのもあり軽く模擬戦してから戻ることにした。


「よし、ラウ。軽く模擬戦してから戻って昼にするか」

「おう! 飯飯」

「いや、昼食の前に模擬戦な! あ、身体強化はするなよ? あくまでも『軽く』模擬戦だからな。俺も盾だけで他にスマホは使わないから(シューティンググラスは使うけどな)」

「じゃ、木刀で軽く打ち合う感じでいいのか?」

「ま、そんな感じだな」


 『倉庫アプリ』から普通の木刀を一本と短い木刀を二本取り出し短い二本をラウの方へ投げて渡し模擬戦を開始した。


「そう言やラウと戦うのはこれが初めてだったっけ?」

「う~ん、多分そうだとおもうぜ。兄貴と戦えると思うとちょっとワクワクしてくるぜ!」


 おまえはどこの戦闘民族だと思わないでもないけどラウだしこれが平常運転か……嫌な平常運転だな。


「えっと、ワクワクしてるとこ悪いんだけど……しつこい様だけど、あくまでも『軽い模擬戦』だからな? 戦闘ごっこ的な感覚だからな、殺し合いをするわけじゃないんだからそこんとこ間違えるなよ?」

「わかってるって。じゃ、行くぜー!」

「お、おい、ちょ、ま――」


 ラウが一方的に模擬戦を開始し矢のように突っ込んできた。その速さに驚き慌てて前面全てを覆うようなシールドを展開したらラウにズルいと指摘されたので標準サイズのみで戦う事にし改めて模擬戦を再開した。

 今度は落ち着いてシューティンググラスの機能の攻撃予測線に注意してシールドをラウの攻撃に合わせて防ぎ右の木刀でカウンターを狙って横薙ぎにしたがラウに簡単にかわされてしまった。


 こんなに簡単にかわされるとはな。ここはただ攻撃を防ぐだけじゃなく、相手の体勢を崩すように受けたり受け流したりしてからカウンターを撃ち込むようにしないとダメだな。


 その後は下手にこちらから攻撃をせずにラウの攻撃をただシールドで受けるのではなく体勢を崩させるように注意して模擬戦を進め何とか形になってきていたのだが如何せん俺の剣の腕が素人だから体勢を崩させても中々うまくカウンターを決められなかった。


 実際に戦ってみるとラウの攻撃は早く鋭くシューティンググラスの機能が無ければシールドだけだと結構危ない場面が多かった。最後の方なんて本気になったのか攻撃予測線が数本出て対応がぎりぎりだった。


 う~ん、ラウが凄いのかそれとも俺の身体能力が低いだけなのか……俺の身体能力が低いだけなんだろうな。


 今まではこれといった防御手段が無かったがこれで防御がかなり楽になった。でも攻撃がな~。あらかじめ銃でも具現化してればいいけど時間制限過ぎると消えちゃうし、具現化や魔法を戦闘中に使うにも一旦スマホをタップしないといけないから遠距離ならまだいいけど接近戦では使いにくい。

それに攻撃が来るの分かってても身体が思うように動かないと意味が無いから鍛えて行かないとダメだな。 

 前のは防御範囲がほぼ手袋のみだったのに対して今回のは盾の形成だからより多くの範囲を防御できるな。ま、イメージとスマホの魔力残量しだいだけど。

 とは言えこのシールドを人前で魔法と言い切って使えるかどうかレイに聞いてみた方がいいかも知れないな。


「おーい、ラウ。そろそろ昼になりそうだし孤児院に戻って昼食にするぞ」

「う~ん、もうそんな時間かよ。もちょっと模擬戦したかったけど、飯なら仕方がないか~。飯って考えてたらなんか腹減ってきたぜ……兄貴、早く帰って飯食おうぜ!」

「ったく、お前は戦うか食うかしかないのかよ。もうちょっと勉強の方もさ――」


 ラウにもうちょっと勉強もしろと説教しながら村へ向かって歩いていた時、魔物が出なかったなとふと思ったが、村に近い場所所に頻繁に魔物が出るようならここに村なんて作るわけないかと魔物が出なかったことに納得した。





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