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大好きな君へ  作者: 萌視
1/1

君が好き

第一話

「大好きです」




中学校の春


私には今、大好きな人がいる。



私は宮川沙羅

今日から中学三年生


「三年生だから、勉強頑張らなきゃね。」

私は自分の部屋で

鏡に向かってそう言った


「沙羅ぁ!!早くしないと遅刻しちゃうよ!!」


なかなか自分の部屋から出てこない沙羅に

苛立って沙羅の母親が

二階に向かって叫んだ


「わかった!すぐ行くから!!」



沙羅が二階から降りて来た。


「もうこんな時間?!友達待たせてんだった!!」



慌ただしく

靴を履いて出て行った



―クラス…同じだったらいいな




「綾!!ごめぇん…ハァッ…待っ…た?ハァ…」



「もう。待ったに決まってんでしょ?!」



この子は私の親友の

上原綾。

髪が長くて色白で

顔立ちがよくて美人。



「ほら、早く行こ」






「まだ時間あったね」


「うん」


うちの学校は八時二十五分までにつけば

問題はない


今の時間は

八時十分過ぎ



「あー!!綾とクラス一緒ダァ!!!」


「よかったね…あ。」


綾が何かを見つけた様に指をさした


「あいつと一緒のクラスじゃん。」


―わ…本当だ




「おい。」


ビクッ


びっくりして

振り向いた


「と…斗夜」


「お前らでクラス表見えねぇんだよ。見たんならさっさとどけ。」

この乱暴な言い方のする男、二神斗夜

私の大好きな人






「そんな言い方ないじゃん。うちらだって見てんだから」


私はいつも斗夜に向かってついこんな口を聞いてしまう



「うるせぇなぁ…たくよぉ。またお前と同じクラスかよ。」



「わ…わるかったわね」

私は斗夜の顔が見られなくて、俯いていた。


「俺と同じクラスで嬉しいか??」


「…はぁ??なにいってんのよ!!」


急にそんな事を言われてびっくりした



「俺とお前さクラス離れた事ないよな。くされ縁って奴か??ハハッ」



そう、私達は

小学校の時から一緒で

クラスが違う事なんて

一度もなかった



「沙羅、もう二十分だよ。早く行かないと」


「うん。行こ」







「なんであんたって子はあいつにあんな口を聞くの??好きなんでしょ??あいつの事。」



「うん。」



なら、すこしは女の子らしくしなさいって

綾におこられちゃった。

「うわぁ

しらないひとばっか」


「そりゃそうだよ。沙羅、あんた馬鹿になったの??」


「綾は頭いいもんね!!」


私はすこしムッとした


「あは。ごめんごめん。沙羅、どこの席がいい?」




「うぅーん…あっ!あそこ!!後ろの窓際」



私の学校の全校生徒の数は953人。


五クラスある



名前知らない人とか

喋った事ない人とか

結構いる。









キーンコーンカーン…



「先生、誰だろうね!」


ガラッ



「なんだ…。斗夜か。びっくりしたじゃん。」


―先生かと思ったのに

…斗夜どこに座るんだろ私の近くとか来ないかな



「知らねぇ奴ばっか。おい、沙羅、後ろ空いてるか??」


「う…うん!!空いてるよ!!」




―やった!!嬉しいよぅ



「あ。」


「どうしたの??」



鞄を見て斗夜が言った


「筆箱忘れた。おい、沙羅、なんかペン貸せ」


「なによ!!えっらそうに〜!それが人に頼む時の態度?!ま、どうしてもって言うんなら仕方ないわね。貸してあげる。」


「おまえ、言う様になったなぁ。」







ガラッ


「おはようございます。私が貴方方の三年生の担任゛麻田珪゛といいます。一年間よろしくお願いします。」


―わ…なんか

怖そうな人だな……




麻田先生は

髪の毛がぴしっとしていて、すごく格好良いんだけど、眉間にシワ寄ってて、怖そうな人だった




つんつん


うしろからつついてくる


「何??」


私は先生に聞こえない様に、小さな声で喋った



「なんかさぁ、あの先公ウケねぇ??ピシッとかしこまっちゃってよぉ。怒ったら怖そう。あいつ絶対新任だぜ??見た事ねぇもん。」


「うん。私も見た事ない。」



「なんか、堅そうな奴だなぁ。俺あーゆーやつ嫌いだな」



「私も、君の様な奴は、あまり好かないな。」


「げっ。聞こえてたのかよ。」


「地獄耳だ。」



「二神斗夜、宮川沙羅、後で職員室に来なさい」



「沙羅…あんた馬鹿だねぇ…」


「綾もついてきてよぉ」


「嫌だね」




「そこ。喋ってないで、返事は?」



「…はぁい」



「あんたのせい…だからね?!」



「なんで俺のせいなんだよ!!」


「だってあんたが…」


「…こほん。…いい加減にしてくれないか」



がんっ


私は後ろに向かって

斗夜の足をけった

すねにクリーンヒットした

「っ〜…つ」



―ふん、馬鹿


「もう〜なんで私がこんな目に合わなきゃなんないのよ」


「お前が話してるからだろ」


「だいたいあんたが…」


「職員室の前でまで喧嘩をするな!!最近の子供は…ったく」


先生は一人でぶつぶつ

いっていた


つづく

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