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異世界に来たら一撃必殺で死にかけた
鬱蒼と茂る森、しっかりと塗装された道を少年は歩く。
「はぁ、はぁ、俺の事はいい、置いていってくれ-タケル」
少年は苦痛に満ちた表情で先を歩くタケルに声をかける。
「いやねえよ!--修学旅行のハイキングで使うセリフじゃねえだろ!? もうちょいなんだから頑張れよ--アルガ」
タケルは心底呆れた顔でアルガに声をかける
「も、--無理---」
アルガはそのまま尻餅をつく。それもそのはず、毎日サッカー部で汗水流すタケルと違いアルガは帰宅部エース。運動など体育の授業以外でした覚えもない。
「だが帰宅するスピードは誰にもまけない、なんせ帰宅部エースなのだから!」
「何でいきなりしょうもないこと言い出した?!ハイキングコース10分足らずで値を上げてんじゃ帰宅部エースの名が泣くわ!」
タケルはアルガに突っ込みを入れながら手を差し出す。