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四季の恋シリーズ

春の恋

作者: 尖角
掲載日:2011/06/03

桜の木の下での告白…。

どうなったらそこで告白になるんだろう?

そう思って書きました(笑)


そんな1話です。どうぞ!!

 私は桜の咲く季節、恋をした。


 今思えば懐かしい。


 漫画やテレビでしか見たことのなかった、桜の木の下での告白。


 私はそれをした。


 「結論は?」って??


 話の初めに答えを言ったら面白くない…。


 だから答えは最後にしようかなぁ。


 っと最初の(くだり)はこんなもんにして、本題に行きます…。






 私の名前は、佐野小春(さのこはる)


 この春に安城(あんじょう)高校に入学した。


 そこで私は想う人に出会う。


 その人は同じクラスだった。


 初めて会ったのに、その人のことが好きになった。


 容姿も、中身も、すべてが私の好みだった。


 私はその人を想い続け、告白の機会をうかがった。


 私は決してかわいいわけではない。


 かと言って自分のことを“ブサイク”とも思ってないわけだが…。






 ある日の部活勧誘の帰り道、私は遅くなってしまい愚痴をこぼしていた。


 「なんであの人がいたのよ…」


 ここで言うあの人とは、別に好きになった田中翔汰(たなかしょうた)君じゃあない。


 昔やっていた空手の先輩、東條蓮琶(とうじょうれんぱ)先輩だ。


 正直、私はあの人が苦手だ…。


 別に嫌いとまでは思っていないが、苦手なのである。


 何かと言って私に勝負を挑んでくるし、何かと言ってウザいのである。


 その先輩が「お前空手部に入れよ!」っと何度もしつこく誘ってくる…。


 しかし、私は空手が少々憎い…。


 父が空手をやっていた関係で、私も空手を小さなときからやっていた。


 それは別にいいのだが、小さなころからの厳しい練習のせいで強くなりすぎていた。


 同じ年代の男の子ですら私には勝てず、大人でも苦戦を()いる強さ…。


 そんな強さを欲しがる女の子がいるだろうか?


 いやっ、いないだろう…。


 だって、女の子なのにありえないほどの筋肉量。


 空手をやめたのは中1だっていうのに…。


 筋肉のせいで体重計に乗るのがいまだに怖い…。


 だからこの春という季節はあまり好きではない。


 なんて言っても、身体測定があるから…。






 そんなことを考えていた時である。


 「おい!」


 っと後ろから声がした。


 「え!?」


 私は少しびっくりした表情を見せながら、ゆっくりと振り向いた。


 「やっぱり、佐野じゃん!!」


 っと叫び気味に言う男の子…。


 私に呼びかけたのは、なんと東條君だった。


 「っど、どうしたの?」


 私は素っ頓狂(すっとんきょう)な声を上げた。


 「そんなにびっくりした?」


 東條君が私に聞く。


 「まあ…この時間だったから…」


 っとそんな感じで、私は言い訳?をした…。


 すると「言われてみれば、そうだよな…」っと言う東條君。


 「お前はなんでこんな時間に?部活勧誘は昼からだったけど、今5時過ぎだぜ?」


 「えぇ…っと…」


 私は少しゴニョった。


 空手をやっていたせいで、軽い細マッチョだってことを好きな人に知られたくなかったから…。


 しかし、ここで突っ込んでくる東條君。


 「なんだぁ?」


 「そんなに変な部活に行こうとしたのか?」


 「それとも、ただ無駄に勧誘に(つか)まっていただけ?」


 「どっちなんだ?」


 私の帰りが遅くなっていたのは、どっちでもない…。


 確かに“無駄な”ではあったが、先輩が…。


 私は正直に言うことにした…。


 なんせ嘘は嫌いなもんで…(笑)






 「あのね?」


 「笑わないで聞いて?」


 っと私がそう言うと、「座って話そうぜ」と私を川の土手(どて)にあった桜の木の下に案内した。


 正直、地べたに直接座るのは女の子にとってはきつい。


 スカートが短いとパンツを直接地面につけることになるから…。


 そんなことを思いながら、私はカバンを下敷きにして座った。


 いやっ、座ろうとしただけで、座ろうとするその前に止められた。


 「ちょっと待ってくれ…」 っと…。


 東條君は私をほんの少しの間待たせて、パイプいすを2つ持ってきた。


 「実はこの近くにちっちゃな倉庫があるんだ…」


 「そこから、少し拝借(はいしゃく)してきた」 っと言う東條君。


 しかし私は思った。それって泥棒なんじゃ…っと…。


 けれど「泥棒じゃないからね?」「そこの倉庫、親戚のやってるとこだから」っと笑いながら言われてしまった。


 「なんだそうだったんだ」 っと私も笑ったが、私は心の内が見られたようで少し恥ずかしかった。






 しばらくして、空手をやっていたことや、先輩の勧誘が…っと言う話をし始める。


 そんなときの話である。


 『好きな人との会話はこんなにも面白いんだ…』


 っと思ったのは――――――――――。


 私の恋は、想いを伝える前に終わってしまう。


 そう、、、初恋の卓也くんのときもそうだった。


 気付けば卓也君は転校していて、《告白するには時すでに遅し》だった。


 私の恋は、次の恋も、そのまた次の恋も、チャンスをうかがうばかりで実ることは決してなかった。


 そんなことを考えていたためか、私はとんでもないことを口にした。


 「私、、、東條君のことが好き、、、」


 ――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 ――――――――――


 「あっ!」


 最初に驚いたのは私の方だった。


 ありえない…。私が告白なんて…。


 そんなことを思っているときのことである。


 「いま…今好きって言ったか?」「俺のこと…」


 「え?」


 「………ぅ………うん」


 東條君は私の頬をさらに赤く染めた…。


 『どうしよう…』


 それしか考えられなかった。






 そして、しばらくの沈黙が続いた。


 断る理由(すべ)を考えているのだろうか?


 そんなことを思っていると、ついに東條君が答えを出した。


 「いいよ…」


 「こんな俺でいいならいいよ…」


 「付き合おう…」


 恋愛の天使というものだろうか?


 はたまた、幸運の女神というものだろうか?


 とりあえず、私はそんな者たちに感謝をした。


 「ありがとう!」「本当にありがとう!!」


 っと…。






 こんな感じで私たちは巡り合い、付き合うことになった。


 それからしばらく…。


 そうだなぁ…。


 何年ぐらい続いたのだろう?


 結婚したのは21の時だから…。


 6年ぐらいかな?


 喧嘩して、仲直りして、キスをして過ごしたのは…。


 けれど、それが“翔ちゃん”の「結婚してくれ」の一言で終わった…。


 あの桜の木の下での告白以来、私は何かあるごとに「翔ちゃん」と呼んでいるが、(とう)の本人は「やめてくれ」っと笑って言っている。


 自分で言うのもなんだが、そんな恋人のような関係でいられるおかげで、私たちの家庭には笑顔が絶えない。


 今は、私と翔ちゃんと、6才の太一(たいち)と5才の美月(みずき)の4人で一緒に住んでいる。


 そのみんなが食卓に()くと一層笑顔になる…。


 私はそんな(うち)が大好きです。


 これからもよろしくね…。翔ちゃん!!

終わり方がビミョーですが、春はこれで終わります。


次は夏の恋です。


シリーズですので、またUPされたら読んでやってください。

それぞれの季節で、書き方が少しずつ変えてあります。

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