それは…
透は、なにをいっているんだろうか?
勝手すぎないか?
そもそも…もうすぐいなくなるって、意味がわかんねーっての‼︎
人の彼女奪っといて、子どもできたらさよなら?
オレたち付き合ってないし、やっぱり彼女返します〜ってこと?
そんなの許さねーぞ‼︎
てか、璦奈だってそんなこと許すワケがない‼︎
てか…
それとも…
転校でもするのか?
転校なら、家庭の事情だし…仕方ないのかなぁ…
ってさ、璦奈はどうすんだよ⁉︎
これからどんどん腹だって大きくなるだろうし…
璦奈だけ残して自分は、知りませんって逃げんのかよ⁉︎
そんなのぜってーに許されることじゃないだろ‼︎
オレはここまで頑張ったから、あとよろしく。だから返すってかよ⁉︎
ここまでクタクタになるまで頑張ったから、もういいよね?ってことかよ⁉︎
そもそもが、返すとかじゃねーだろうが‼︎
「おい‼︎透‼︎いなくなるって…いなくなるってどういう意味なんだよ⁉︎こたえろよ‼︎なぁ‼︎透ー‼︎」
…
散々勝手なことをいい、透は気絶した。
…
いい逃げにも程があんだろうよ。
透の気絶は…まぁ、過労だろう。
顔色めっちゃ悪いし…
みるからに痩せてるし、睡眠もろくにとれてなかったんだろう。
まったく…
先生たちが騒ぎを聞きつけて、透を急いで保健室に‼︎だの救急車‼︎だの親に連絡‼︎だのって騒ぎだしたので、あとはお願いする事とした。
オレが手伝う前に、このまま親にバレて透も大人の力借りて、大丈夫になるんだろう。
大丈夫かどうかは、わからないけどね…
きっと…
怒られるとかの騒ぎじゃないだろうな…
…
その場から静かに離れた。
…
二人とも、頑張れよ。
あんなに過労になるほど働いてたんだから、透はよっぽど璦奈が好きなんだろうな。
でも、そもそも付き合ってないって言ってたよね?
いったい…どういうこと⁉︎
…
璦奈も、どういうつもりで透と接していたのだろう?
璦奈は、透がこんなに頑張っているんだから、その好きは受け入れてあげたよ?ってこと…なのかな?
そこまで受け入れたんなら、なぜ交際しない?
…でさ、そもそもなんで璦奈がオレについてくんの?
さっきから、ずっと黙ってオレについてきてるんだよね…。
帰る方向、まあまあ一緒だけど…
「璦奈…透んとこ行かなくていいの?」
「ねぇ、寮梧…」
璦奈は、目を潤ませたながらオレに訴えかけてきた。
「なに?」
「うん…あのね、わたし…透くんにつきっきりになっちゃったけど、でも…それにはワケがあって…わたしは…今でも…ずっと寮梧のことまだ…好きだよ。そこだけは…わかってもらいたい…」
…
そんなこと言われてもな…
ワケがあるって言われてもな…
「透くんね、ほんとにいなくなっちゃうよ⁉︎いいの?親友なんだよね?いやだよね?いやなら…わたしについてきて…ほしい。透くんには、ずっと内緒にしてもらいたいって言われてたんだけど…このままじゃさ、やっぱりいけないと思う。」
?
バイトしてる姿でも見ろっていうのかよ?
いなくなって、いやなのって…
困るのって…
璦奈だよね?
そんなのみて、オレはどうすりゃいいんだよ…?
オレはなんて言えば…いいの?
「ねぇ寮梧…いい?今から」
今だって⁉︎
「い、今から?」
「うん」
「でも、今ごろ過労で保健室か病院じゃないの?」
…
璦奈は、眉をひそめて
「病院に運ばれたと思うよ。〇〇病院」
っていい、また目をうるませた。
⁈
〇〇病院って…
「それって…」
「うん」
なんでだよ…
どうなってんだよ⁉︎
ただの過労じゃねーのかよ⁉︎
そんなの聞いたら行くしかねーじゃん‼︎
「璦奈、行こう」
「うん」
涙する璦奈の手をひいて、オレは〇〇病院へと向かった。
大丈夫かよ透…
なんでそんな大事なこと言わねーんだよ‼︎
続く。