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ラストシーン(表)

「転生悪役令嬢もの」らしき物です。

イベントは変わらない、ラストも変わらない決められたストーリーの中で転生者はどう運命に抗うのかを楽しんでください。

居並ぶ諸侯や各国の大使を前にノーラッテ国皇太子ホーク・ノーラッテが宣言を始めた。


「コンスタンシア・ローゼンブルク・デ・ロシマ。

そなたの犯した罪は白日の元に暴かれた。

もはや言い逃れはできぬ。

余はそなたとの婚約の解消をここに宣言する。

そなた自身への処分は国外追放とし、キナイ皇国に放逐するものである。

また、嗣子の絶えたローゼンブルク侯爵家は本日この時をもって取り潰すものとする」


「ホーク王子。ローゼンブルク家と言えば武門の名門。

長年我が領と国境を接し国防の要であったはず。

何ゆえその名門侯爵家の令嬢と婚約を解消されるのか?

また、ローゼンブルク家ほどの由緒ある家なれば縁故のある貴族より養子を迎え侯爵家を継がせ存続を図ろうとするもの。何ゆえ此度は断絶させるのですかな?」


キナイ皇国の大使、ビンゼン公の言は尤もではあるが擁護のためと言うよりコンスタンシアとローゼンブルク家を貶めるための発言である。

列席者もそれは十分承知しているが、公の場で指摘を受ければ答える必然性が出てくる。

ホーク王子が合図を送ると侍従長が5センチほどの紙の束を差し出した。


「コンスタンシアとの婚約解消は、その女の犯した罪が余りに多く将来の国母に相応しくないと判断したゆえである。

上位貴族の令息に暴行を加え、陥れて極刑にかけようとした事。

聖女を傷物にしようとした事。

皇族に対し毒殺を試みた事。

訓練所に魔獣を放った事。

ここにある束はその女の犯した罪の一部である。

ビンゼン公はその全てをつまびらかにする事をお望みか?」

「い、いや。それには及びませぬ」

「助かる。全てを詳らかにしていては3時間はかかるのでな。

ローゼンブルク家の取り潰しに関しては、余も不憫であると思うが適任が居らぬのだ。誰もが二の足を踏む」


ビンゼン公は思惑とは外れてしまったが、ここは素直に引き下げる。


「では宣言を続ける。

余はコンスタンシアに代わる婚約者としてローエン伯爵家の養女となった聖女ユリアを擁立する」


「ホーク王子、お待ち下さい!」


コンスタンシアが声を上げる。


「その者は伯爵家の養女と言えど出自は平民である事は多くの者が知る事実。

選民派の貴族を中心に国内に多くの軋轢が生じる事になります! 

ましてや殿下の支持層は選民派ではありませんか。

そのお覚悟はできておられるのか!?

殿下はこの国を継がれる方。この国の将来に責任があるのですよ!」


「コンスタンシア。余もこの3年間で学んだのだ。平民と言えど優秀な者は多くいると。

疲弊した我が国の復興には貴族平民の分け隔てをしておる余裕などない。

余は平民であろうとも優秀な者の協力を得るため、融和の象徴となるべくユリアを妃に選んだ。

また余の選択に対し賛同してくれる新たな支持者もできている。選民派だった貴族からもだ。

その方の懸念など杞憂に過ぎぬ」


「ホーク王子は覚悟ができておられるというのですね。

なれどユリア、そなたはどうです!?

国母になるという事がどういう事か分かっているのですか!」


コンスタンシアとユリアの視線がぶつかり合う。


「確かにこの身は卑賤の身。至らぬ所もまだまだあると自覚しております。

なれどホーク王子を、この国を支える覚悟はできております。

また多くの方々が私を支えてくださるでしょう。」


居並ぶ諸侯はユリアの言葉に首肯を示す。それを見てコンスタンシアの頬に涙が伝う。


「もう良かろう、コンスタンシア。

こののち余とこの国を支えるのはユリアである。

罪を負って国外追放となるその方ではない。

ビンゼン公、御国にはご迷惑をおかけするが後はお願いしてよいか」


ビンゼン公の顔には嘲弄が浮かぶ。

「国内的にはあくまで咎人の追放とされるか…

まあ我が国としては貴国の事情などどうでもいいのですよ。

その小娘の首を晒せればね。

では参りますよ、コンスタンシア嬢。

古代帝国に倣い、金の鎖で我が国をご案内いたしましょう」


「……長きに亘り我が国に尽くしてくれたローゼンブルク家に対し、王家として最後の礼を示す。

望む者は共に!」


ホーク王子は右手で胸を二回叩き、コンスタンシアに向けて腕を伸ばす。

続いて会場に集まった多くの者が同じ動作で礼を示す。


コンスタンシアは背中でその礼を受け、噛み締めた唇から血が流れる。落涙は頬を伝いドレスを湿らす。


「ではコンスタンシア、次に会うのは皇帝陛下の御前になる。それまでせいぜい震えておれ」

「ビンゼン公、私はロシマだ。それを忘れないでいただきたい」

「おお、怖い怖い」

口ではそう言いながらもビンゼン公の顔には余裕の笑みが浮かんでいる。

ビンゼン公が合図を出す。

護衛と言う名の監視のついたコンスタンシアを載せた馬車は国境を目指して走り出した。



この物語はこのラストシーンに戻ってきます。

ネタ割れしないよう細心の注意を払っております。

そして宣言します。


この物語はコメディです。

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