第一話
はじめまして。
学生時代に三話だけ書いた話を唐突に思い出したので
のっけてみようと思いました。
2007年ごろ書いたもので、今思うと赤面ものですが、
ある意味供養に・・・?
生暖かい目で見ていただければ(見る人がいるのかは不明ですが
2022-11-12 誤字脱字の指摘いただきました、ありがとうございます。
名も無い花は、必ずしも不幸ではない。なぜなら、後からその名を付ける者が現れるからである。世界は広い。一般的に有名な探偵たちは、偶然生まれたのではなく、生まれるという必然性を持って生まれてきたのである。ただし、探偵が生まれたのはそこに事件があったからではなく、まさしく、事件そのものがその探偵たちをおびき寄せたためである。
この話は、事件に引き寄せられ、偶然生まれた探偵の数奇で愉快でこれ以上ないほどのサスペンスに満ちたものではなく、ただ偶然でこそ生まれたものに過ぎない。
実際、事件ではないことが本当のトリックであると言われていないのは言うまでも無い。
第壱話
七つの花束
七つの花にはどんな色があるのだろうか?
例えば、赤、青、黄、橙、緑、黒、白
もちろん。虹の色もそうかもしれない。
だが、純然たるものの前では、あくまでも、いや必然的にだが、光の三原色。赤、青、緑に分類されるのが落ちである。この事件はそもそも、事件なのかさえ怪しいと思わざるを得ないものであった。
そこには、光が溢れていた。
何より輝きが強すぎで、何があるかさえ判断がつかなかった。
そこには死体があったが、あまりの光の強さでどうしようもないくらいに、白く、いや、透明のほうが適切なのか?
ただそこには、光によって、隠されたものが存在していただけだった。
果たして犯人は?
結論としては、犯人を見つけることは名探偵ですら太刀打ちできないだろう。
何より、その死体そのものが、とある物だと分かるまで、そこに何があるかすら気づかず、ただ存在しているだけであり、一度も気づかれていなかった。
むしろ、気づく必要性もなく、必然性もなかった。
結論
被害者では無かった物。
何か、失敗したようなマネキン一体。
事件発端者。
とある学生A。
事件の経緯。
学生Aが、とある学校において強烈な光を感じる。その光に違和感を感じ、110番。警察が直ぐ駆けつけた頃には、マネキンだと分からずに、救急隊により、搬送。結果的にはマネキンだと分かったが、今回の騒動が報道各社に大々的に取り上げられた結果、マネキンと本当の死体が交換されたのではないかという風評が発生。しかし、現段階においては、そんな事実はなかったと、警察関係者は報告している。
某警察関係者は、『まるで、光のトリックに引っ掛けられたみたいだ。これは光の七不思議だ。』と言った事から、この事件は、光のトリック七不思議事件として有名であるらしい。因みに、花束とはそのマネキンと一緒に七色の花束がおいてあっただけである。