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98.文化祭準備の一番楽しい仕事


 翌日の金曜日の放課後。

 僕たちはニコニコしながら、生徒会室に居た。

 生徒会メンバー、僕、加奈子、葉月、結花、義信。そして、手伝いに来てくれている、史奈、早織の表情もみんな明るい。


 なぜなら、今日は生徒会の仕事の中でも、一番楽しい仕事の日。

 実は、今日までに加奈子から課題を出されていたが、各々、その課題は各自楽しい表情で実施することが出来たらしい、僕もそうだった。


 「みなさん、事前の課題はちゃんと調べてきましたか?」

 今日の打ち合わせの司会進行をする葉月。

 「「「「「はーいっ!!」」」」」

 僕たちは一斉に手を挙げる。


 「そしたら、お待ちかね、文化祭に実施する、生徒会主催イベントの一つ、【福引大会】の景品を決めま~す。」

 司会の葉月もニコニコ笑っている。


 そう、福引大会の景品を決める。

 皆、思い思いの景品を想像してきたのだった。

 

 葉月は、ニコニコと笑いながら、順番に、発言を促す。


 まずは僕から。

 「えっと、図書券1万円分。」

 僕は葉月に発言を促され、不意打ちだったため、緊張しながらもそれに応える。


 そして、僕は書記なので、僕の発言とそっくりそのままの文言を、ホワイトボードに書く。

 『図書券一万円分』と。


 皆、ニコニコしながら、頷く。


 「じゃ、ハッシーとおんなじ感じで、D○Mポイントカード、ア○ゾンギフトカード、ハッシーとおんなじ、1万円分で。」

 結花がそれに続く。


 「ふふふ。それじゃ、私は、任○堂ス○ッチで。みんなでゲームしましょ♪」

 史奈がにこにこと笑う。


 「は、橋本君や、北條さんとおんなじ感じで、焼肉のお店の食事券。」

 早織が答える。流石は家の定食屋の手伝いをしている早織。食事券と来た。


 「課長たちと、同じかもしれないっすが、コレっすよ。ドーン!!」

 義信が、机の上に置いたものを見て、驚いた。


 『ホテルニューISOBE、スイートルームペア宿泊券+冬シーズン限定、周辺スキー場、1日道具一式無料貸し出し券 ※夏シーズンは、周辺にある有名観光牧場1日無料入場券となります。』


 「「「えっ!!」」」

 ここに居る全員が驚く。


 「ここって、有名温泉郷の最高級ホテルの、しかも、スイートルームという最高級のお部屋じゃない。」

 史奈が驚く。

 史奈の言葉に、一同が驚愕する。


 「よ、義信君、何で持ってるの?これ。」

 葉月が目を丸くして言う。


 「ああ、爺ちゃんと婆ちゃんからもらってきたんです。ここ、ウチの爺ちゃんと婆ちゃんが経営しているホテルっすよ。言ってなかったすかねぇ~。」


 「「「す、すごーい!!!」」」

 一同は目を丸くした。


 これは、他県出身の僕でもわかる。小学生のころから、この温泉郷の名前は知っていたし、それに小学生のころから、このホテルの名前は知っていた。


 「義信君のおじいちゃんがホテルを経営していて、露天風呂もあるって知ってたけど・・・・・・。」

 葉月の言葉の後に、一同は同じ言葉が続いた。


 「「「まさか、あの有名ホテルだったなんて。」」」

 それも驚きだが、すでに実物が存在するということだ。義信の祖父母からのご厚意ということもあり、こんなに驚きの景品を予算関係なく、無料で用意することができたのだった。


 「すごーい。ありがとう。」

 葉月はニコニコ笑いながら、その宿泊券を義信から受け取り、景品の備品として保管したのだった。




 「これ、皆喜ぶよ。本当にありがとう。」

 同じく、加奈子はにこにこと義信に笑う。


 「ふふふ。やっぱり、旅行って花園学園の皆、とても喜ぶのよね♪ありがとね。」

 史奈がニコニコ笑う。


 「あ、ありがとうございます。」

 義信が珍しく赤くなる。そう、ガタイのいい義信の照れ顔は見ものだった。


 「そして、旅行はみんな喜ぶと言いますと。」

 義信が聞いてくる。


 「うちの学校、修学旅行って無いんだよね。」

 葉月が暗い表情になる。

 2年生以上のメンバーが全員同じ顔をしているが、葉月が特に暗い顔をしている。


 「何年か前、といっても、私が生まれる、少し前か生まれてすぐだったか。修学旅行で、花園学園の生徒を乗せたバスが横転して事故起こしちゃって、生徒が一人亡くなっているの。それ以来、20年近く修学旅行はやってないの。」

 葉月の表情は暗い。彼女は理事長の娘だ。


 「その時は、パパも先代理事長のおばあちゃんも、忙しかったらしいんだ。」

 葉月は深くため息をつく。


 「す、すみません。」

 義信が申し訳なさそうに頭を下げた。


 「いいよ、いいよ、別にずっと前だし。その代わりにもう一つ、パパが特別な旅行のチケットを用意しているから、毎年それが、特賞だね♪」

 葉月は気持ちを切り替えるのが速かった。

 まあ、葉月の生まれる前の出来事なので、当然といえば、当然だった。



 気を取り直して、残りの提案は葉月と加奈子だった。

 「やっぱり、定番と言えば、東京ディ○ニーランドのペアチケットね。」

 加奈子はにこにこと笑いながら言った。


 そして、最後に発言が回った葉月は。

 「私は・・・・・。映画のチケットかな。人気が出そうな映画、あったけなぁ・・・・・。」

 葉月はそう言いながら、秋以降公開の人気が期待される映画を思い浮かべていた。


 一通り、アイディアを言ったところで、いろいろと吟味していく。

 といっても、【福引大会】の景品予算は割かし豊富なので、豪華にできるようだった。

 特に、義信の景品は実質タダで手に入れたため、一つ分のしかも、一番多く予算を割かなくてはいけない景品の予算分が丸々浮いたため、全てのアイディアが実現可能となった。



 そして、景品の内訳は、理事長が用意した特賞の旅行券に続く、一等が加奈子の提案したディ○ニーランドのペアチケットになった。やっぱり高校生、こちらの方が人気だし、ついでに東京にも遊びに行ける。

 そして二等が、義信の景品、ホテルのペアチケット。

 三等が史奈が提案した、ス○ッチ。さらに、その下に、僕たちが提案した、諸々の図書券やギフト券、食事券が続いた。


 「義信君のおかげで、今年は本当に豪華だね♪」

 葉月がニコニコ笑う。

 加奈子も頷きとてもうれしそう。


 「ふふふ。義信君、来年も是非よろしくね。輝君が困っちゃうもの。」

 史奈はニコニコ笑いながら義信に行った。


 「任せてくだせぇ、課長を困らせたりしませんよ。来年もお願いしてみます。」

 義信が敬礼のポーズを取った。


 そうして、一番楽しい、【福引大会】の景品決めの打ち合わせが終了した。


 本当に、義信の持ってきた宿泊券のおかげで、豪華になりそうだ。


最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

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3.只今、構成中。近日アップします。

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