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79.コーラス部の練習、再開


 水族館で、各々自由な時間を過ごした僕たち。

 再び茂木の別荘に戻る。

 そして、各々部屋を片づけをして、すっかり酔いも覚めた原田と吉岡が再び車を運転する。


 「どうだったか?少年。」

 「はい。ありがとうございました。」

 原田はニコニコしながら笑っていた。


 「そうか、よかった。お前をここに連れて来て良かったよ。また来年も、加奈子ちゃんと一緒にいい成績を残してくれたら、連れて来てやるぞ!!」

 原田は笑って、夕日に沈む海を背にして車を走らせた。


 昨日来た道を戻り、高速道路を走らせ、雲雀川に着いた頃はすっかり夜になっていた。

 改めて、原田と吉岡にお礼を言った。

 そして、何だろうか、また会えるとわかっていても、原田のバレエスタジオで、皆と別れ、それぞれの帰路に就くのがとても辛かった。


 帰宅後、伯父と伯母にお土産を手渡し、離の家の自分の机にイルカのぬいぐるみを置き、僕はベッドで横になった。


 夏休みはこうして過ぎていった。

 伯父の畑の手伝いをし、お盆には僕の両親が様子を見に来た。

 僕の両親は元気になっている僕の姿を見て一安心したようだ。


 そうして、夏休みの後半お盆が明けたころ、コーラス部の練習が再開した。

 関東コンクールの練習だ。

 本番まで、2週間。2学期最初の週末が関東大会の日。


 練習内容は勿論、課題曲と自由曲の練習。

 県の合唱コンクールと同じように、課題曲の伴奏は風歌、そして、自由曲の伴奏は僕だった。


 「楽しい夏休みを思う存分過ごしたと思います。ここから、関東大会に向けて頑張っていきましょう!!」


 「「「はい!!」」」

 部員たちが勢いよく返事をして。


 「「「よろしくお願いします!!」」」

 そう挨拶をして、練習が始まった。


 まずは自由曲から。


 「自由曲からお願い、橋本君、ピアノ行けそうだし、メリハリも十分あるから、強弱表現とか、みんな、休み前にやったことを思い出すと思うから。」

 心音の言葉に、僕は頷く。

 僕は、心音の指示通り、メリハリをかなりつける感じで、伴奏をしていった。


 心音は目の色をキラキラさせながら、指揮を振っていく。

 その心音の瞳の色をどこか懐かしそうに見る僕がいた。

何だろう。確かに、技術的にはまだまだかもしれないが、ひょっとすると、全国コンクールの出場もあるかもしれないと期待してしまう。


 おそらく心音も一緒なのだろうか。


 案の定、今日は休み明けということもあり、僕のピアノ伴奏を聞きながら、以前指摘があったところを、もう一度修正していく時だった。

 さすがに以前言われていたところ、修正能力も高く、反応がいい印象のコーラス部員たち。


 僕も、それに負けじと、伴奏をしていく。


 「うんうん。とても、良い感じ、休み前の復讐もばっちりだね。」

 心音はそう言いながら、皆のハーモニーを聞いていく。


 「は、橋本君も、良い感じだよ。良い感じに、伴奏、盛り上がってくれてる。」

 一緒にサポートしてくれている、風歌。


 「さあ、次は課題曲だね。」

 心音の言葉に、部員たちは少し休憩して、課題曲の準備をする。


「風歌は本番緊張しないで、走らないようにするのが課題だね。私の指揮、しっかり見てね。」

 「う、うん。心音ちゃん。」

 心音の言葉に風歌が頷く。

 頷く風歌を見て、心音は少し笑う。


 ―まあ、気持ちはわかるけれど・・・・・。ここは指揮をしっかり見てね。大丈夫だから。―


 心音はそんな顔して、風歌を見つめる。

 風歌はまるで何かを察するように顔を赤くする。


 風歌の伴奏は落ち着いて入ることができていた。


 こうして、夏休みの後半、最初の練習は無事に終わった。


 「しっかり復讐が出来たと思います。これからはさらにレベルの高い、関東のコンクールです。今まで以上に気を引き締めて、レベルを上げていきましょう!!」

 心音の締めの一言。


 「「「はい!!」」」

 部員たちの勢いのある返事だった。



 そうして、夏休みの後半、毎日のように僕たちは関東コンクールに向けた課題曲、自由曲を練習していった。

 一歩、一歩と確実にレベルが上がっている気がした。


 そして、花園学園での1年次の夏休みが終わり、2学期を迎えた。



最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

 1.忍者翔太朗物語~優秀な双子の兄だけを溺愛する両親のもとで奴隷のような生活をして育った忍者のお話~URLはこちら↓

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3.只今、構成中。近日アップします。

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