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75.お菓子パーティー


 線香花火の最後の灯が落ち、花火の後片付けを終えて僕たちは茂木の別荘に戻ってきた。


 「それじゃ、次のイベント、お菓子パーティーと、コンパと行こう。まだまだ、海鮮焼きの具材は沢山あるからね♪」

 原田はそう言って、夕食の時に余った具材と、この時のために買っておいたお菓子を取り出す。


 そして、さらに、酒が追加された。


 「それじゃ、もう一度、君の瞳に~。カンパーイ」

 原田と吉岡はそう言って、お酒を再びグビグビと飲み始める。

 しかも今度は、先ほどの比ではなく、さらにさらに飲むペースが速くなってきている。


 「ん~やっぱ最高だね。」

 原田はそう言いながら、お酒を楽しむ。

 「悪いね、皆、悪酔いはしないから・・・・・。」

 吉岡もそう言ってお酒を飲むが、明らかに、呂律が落ちている。


 改めて、お酒はこうなると実感する。

 「ふふふ、輝君も楽しみましょう!!ほら、ポテチがあるわよ。」

 「そうだよ。こっちにもまだまだ、食材のあまりがあるから、鉄板で焼いちゃおう!!」


 史奈と加奈子は笑って、こちらに向かう。

 僕も史奈に勧められた通り、ポテトチップスの袋を開ける。

 そして、加奈子は遠慮している僕たちを見てたのだろうか。


 鉄板で食材を乗せて焼き始める。

 すると、どうだろうか。


 「ふーっ、やっぱり、さっきの肝試しとかでお腹すいちゃったわね。」

 そう言って鉄板に向かってきたのはマユだった。


 「おーっ、さすがは高校生で運動部、たくさん食べろよ~♪」

 原田はそう言いながら、鉄板に近づき、追加の食材を焼き始めた。


 「ほーら、少年も、食べるべき人なんじゃないのか?」

 原田はそう言って、手招きをする。

 確かにそうかもしれない、お腹が一杯の状態でもなく、少し小腹が空いた程度ではあるが、折角の夏休み。たくさん食べられるような気がしてきた。


 「どうぞ、橋本君、沢山食べてくれ、皆で個々に行くということになって、沢山買っちゃったし、どっちみち、余ったら捨てちゃうし。」

 吉岡はそう言いながら、僕の肩をポンポンと叩いた。


 再び食べる海の食材と、様々なお菓子は、とても美味しかった。


 「ヨシッ。酒が進むように歌でも歌うか。なんか、知ってる歌ないか?」

 原田はそう言いって、僕たちに振ってくる。


 「おーい、少年、なんかあるだろ?」

 原田は僕の目を見る。


 「えっと、それじゃあ・・・・・。」

 イキナリ指名されて驚くが・・・・。まあいいだろう。

 ここで歌う、アカペラで歌える歌。


 合唱部出身で、コーラス部の面倒を見るということもあり。

 パッと出てきた歌は、アメージンググレースだった。

僕は、そのアメージンググレースを歌うが。


 1番を歌い終えて、繰り返そうとしたとき。

 「ストップ、ストップ。」

 原田は手を止める。


 原田以外の面々は拍手をする。

 「すごい、輝君。流石ピアノ弾けるだけの歌唱力はあるね。」

 「ホント、良かったよ~。」

 葉月、結花が言うが。


 原田は、少し重苦しそうな顔で僕に近づく。


 「歌声、歌唱力、問題なし・・・・・。アメージンググレース、勿論私も知っているし、とてもいい歌だ。だけどな。」

 原田が頷く。


 「なんか、酒が止まっちまって、しんみりしてしまった。もっと、何だろう、ノリのいい元気な曲ないか?」


 原田はそう言って。

 「例えば、こーんな感じで。」

 原田はそう言いながら手を叩き始め。


 「♪ズンズンチャッチャ、ズンズンチャッチャ、パンパカ、パンパカ、パンパカ、

酒は最高、仲良くなれる!!

同じ瓶で、乾杯すれば・・・・。

昨日の敵は今日の友達。

そして、明日は恋人同士。

それ、ズンズンチャッチャ、ズンズンチャッチャ♪」


 原田の歌は自然と手拍子が溢れる。そして、手拍子は勿論、掌で膝を叩いたり、足を床に叩いたりする人も居る。


 パチパチパチパチ!!

 何だろうか、僕のアメージンググレースより、盛り上がった。


 「どうもありがとう。っとまあ、こーんな感じの、ポルカみたいなリズムでさ。他になんかないか?」


 確かにそうかもしれない。一気に明るい。うん。アメージンググレースも明るい感じの歌だが、原田の歌は一気に楽しむ、そんな明るい歌だ。


 「あの、あまりにも凄すぎて。今の何の歌ですか?」

 興奮状態の結花。

 マジて超楽しい。そんな風に心が言っている。


 「あー、ウチが適当に作詞作曲して作っただけだよ。今即興で。ウチと、ヨッシーの好きなゲーム音楽の作曲家も言ってたぞ、『5分で出来る曲は良い曲』ってな。そしたら、何も浮かばないなら作ってみなよ。」

 結花は原田の発言に、ものすごく共感したようだ。


 「す、すっげー。」

 結花は目を丸くする。


 確かに原田のいう通り、僕も適当に鼻歌が思い浮かぶときがよくある。


 「どうだ?やってみないか。」


 結花は少し緊張したが。合唱コンクールで頑張って指揮を振って頑張って緊張を克服した人物。

 ここに居る面々は皆同じ高校でも、とても仲のいいメンバーだと知ると。


 「おーっ、結花、私も手伝うわよ。」

 心音も立ち上がる。


 すーっ。はーっ。

 結花は深呼吸して。


 「じゃらら~ん。」

 ギターを弾く真似をする。

 「ヘイヘイ、ヘイヘイ、ノってるか~い?」


 「「イェーイ!!」」

 僕たちは結花の言葉に応える。

 結花は心音と一緒にギターを弾く真似をしながら、楽しそうに歌った。


 「おーっ、君たち最高だね♪」

 原田はそう言って、拍手を称える。


 「ここからの、アメージンググレースだよ。少年。まあ、先ほどそれは使ってしまったわけだし、少年もなんか即興で作曲できないか?」


 原田はそう言ったので。

 「じゃ、じゃあ。」

 僕は立ち上がり。


 思いついた適当な歌詞で歌ってみる。

 そして、わからないところはラララ唱法で。


 「♪君と見た海は、とても、切なくて、愛しくて。ラララララ~」


 「おおっ、いいじゃんいいじゃん。流石はピアノ少年だ。ここの景色は最高だものね。」

 「はい。」

 原田はそう言いながら僕の肩をポンポンと叩く。


 こうして、その後のメンバーもかわるがわる、ノリよく自作自演の歌を披露したり、原田の笑い話にとても大きく爆笑しながら、夜が過ぎていった。

 当然、その間、食べ物もおいしく感じて、僕たちの食欲は止まる無かった。

 そして勿論、原田と吉岡の酒も止まることはなかった。

 

 


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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

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3.只今、構成中。近日アップします。

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