72.別荘のプールにて~女の子たちの水着回、その6~
夕食が進むと、だんだんと、併設されている庭のプールに水が入ってきた。
満杯の水というわけではないが、7割くらいたまったのを見て、水を止める。
別荘とはいえ綺麗にプールの手入れがされているようだ。
「まあ、ここら辺は、別荘地だし、管理して、掃除を委託してくれる人たちがいるみたいだね。あまり知らないけど。」
吉岡が説明してくれる。
プールの水は7割くらいだが、それでも十分に泳げるし、水にも浸かれる。
「まあ、足がギリギリつくくらいがいいと思うよ。皆ご飯を食べた後だしね。」
原田はそう言いながら、水を止め、浮き輪を差し出す。
そして、庭の照明を全開にする原田。
「さあ、ナイトプールと行こうじゃないか。」
ナイトプール。夜のプールということか。
僕は少し頷く。
「あれ?少年、知らないのか?ナイトプールって・・・・。」
原田は僕に質問するが。
「はい。知らないです。」
「おお。そうか。東京の方だといろいろあって、人気なんだってな、デートとかに・・・。」
原田は笑いながら言った。
「まあ、それもそうだな。こういう環境はウチに来てからだし・・・・・。」
原田はそう納得すると。
「まあ、東京の本格的なナイトプールじゃないが、少しでもその雰囲気を楽しんでくれー!!」
原田はお酒が入っているせいか、雰囲気をいつもより楽しんでいる。
勿論、いつもそういう感じの人物ではあるが。今日は特に楽しんでいた。
「それじゃあ、輝。楽しもう!!」
ここの別荘によく来ている加奈子がそう言って、プールの中に入る。
手招きをする加奈子。
僕は上のパーカーを脱いで、プールに入る。
水が、冷たくて気持ちい。
ただ、食後であり、夜になって、気温が冷えてきているので、自重しないと。
「ごめんね、いつも以上に、原田先生、ああなっちゃって。」
加奈子は笑う。
僕はその加奈子の笑顔に頷く。
「気にしていないよ。むしろ、原田先生も楽しんでいるみたいでよかった。」
加奈子は再び飛び切りの笑顔だ。
「まあ、私は毎年見ているから。慣れているのだけど。輝がお酒に酔っぱらった人をあまり見ていないんじゃないかって。」
加奈子はそう言うと。
「いやいや。僕の伯父さんもお酒好きだよ。」
僕は頷きながら言う。
「よかった。それじゃ、楽しもう!!」
加奈子はそう言って、プールの真ん中へと僕誘う。
原田から差し出された浮き輪をもって、加奈子とともにプールの真ん中へ行く僕。
このプールは確かに東京にあるような、キラキラとした、何色にも輝くイルミネーションがあるわけではないが、無色透明の照明が、僕たちの影を照らす。
「よいしょっと。」
加奈子は、プールの真ん中にたどり着き、浮き輪に自分の身体を預けてプカプカと漂い始める。
「輝。すごく綺麗。」
加奈子は大人っぽく僕に近づいてくる。
何だろうか、クールな大人の女性だろうか。
庭の光は僕たちを照らし出していた。
黒ビキニを着ている加奈子はとてもスタイルが良く、美しかった。
「こら~。加奈子、ずるいよ。いくら、ここに何度も来ているからって、輝君と一緒にどこまでも案内しようとするなんて。」
葉月が別の浮き輪をもってやってくる。
「あらあら~。私も混ぜてくれないかしら・・・・・。ねえ、加奈子ちゃん。」
葉月のあとからついてくる、史奈。
「よいしょっと。」
「ふーぅ。」
葉月と史奈も、加奈子と同じように、浮き輪に飛び乗る。
僕は自然と二人の胸元に目が行く。
二人の破壊力。
浮き輪と胸が密着していて・・・・。弾力があって・・・・・。
「ふふふ。やっぱり男の子。かわいい。」
僕の視線に気づく史奈。
「へへへ。会長を見習って、もうちょっと頑張っちゃおう。」
そういって、少し前のめりになる葉月。
胸の高鳴りが抑えられない。
「ねえちょっと、輝。どこ見てるのよ!!」
加奈子が浮き輪からぴょんと降りて、僕のもとに駆け寄る。
そして。
バシッ。
強く背中を叩かれる僕。
その衝撃で、プールに潜ってしまう。
慌てて、加奈子の腰に抱き着く僕。
「ご、ご、ごめん。ちょっとやり過ぎた。」
顔が真っ赤になる加奈子。
ハアハアと呼吸を整える僕だが。
庭の照明は加奈子を照らしていた。
加奈子の美しいシルエットが浮かぶ。
人魚姫に出会ったのだろうか。
加奈子の黒ビキニはまるで何かが輝いていた。
「あらあら、輝は、加奈子ちゃんも見とれちゃっているのね。」
史奈が、ニコニコ笑う。
「よかったじゃない。加奈子ちゃん♪」
史奈が、加奈子に向かって言う。
顔が赤くなる加奈子。
「そ、そんなんじゃないから。」
加奈子は恥ずかしそうに顔を赤くしていた。
「何しているんですか?ほらハッシー。」
「おーっ、ひかるん、私も混ぜて。」
結花とマユが駆け寄ってくる。
心音に連れられて、風歌、そして、早織も一緒だ。
「水が気持ちい。」
風歌が楽しそうに言った。
ナイトプールの真ん中で、僕たちは水をかけあいながら、遊んでいた。
「おーい。お前たち、食材もまだあるから、こっちも忘れるなよ~。」
原田は、酒を飲みながら、プールサイドから手を振っている。
酒が進んでいるのか、吉岡とともに食材を追加で焼いているようだった。
「「「「はーい。」」」」
原田の掛け声にみんな反応する。
こうして、食べたり泳いだりする、庭の晩餐会が過ぎていった。
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3.只今、構成中。近日アップします。




