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70.ビーチバレー~女の子たちの水着回、その4~※割り込み投稿。エピソードを追加しました。

割り込み投稿(追加エピソード分です。)

海でのビーチバレーイベント、追加しました。


 スイカを食べ終わると、次の企画が始まる。

 原田がニヤニヤと笑いながら準備をする。


 「と、言うことで、次のイベントスポーツ大会と行こうじゃないか!!」

 そういって、原田はネットを砂浜に張って、ボールを用意した。


 「おお、ビーチバレーですね。」

 僕がそう言うと。

 「そうだな。」

 原田が答える。


 「やったわね!!」

 バレー部出身の史奈。親指を立てながらガッツポーズをする。


 「ん?でも待って、ビーチバレー・・・・・。ってことは。」

 バレーのルールに詳しい史奈。何かを感じたか?


 「おお、鋭いな。今からペアを組んで、ビーチバレーと行こう!!」

 「ああ。そういうことね。」

 史奈ががっくりと肩を落としてやる気をなくす表情となる。

 それは他の皆も一緒のようで。少し肩を落とす人がちらほらいる。


 半面、俄然やる気なのが、藤代さんと吉岡と原田だ。

 僕はどちらかというと、運動が少し苦手なので、とても緊張している。


 失敗したらどうしようと。


 「ふふふ。皆、それぞれのリアクション、感謝する。というわけで、恨みっこなしという公平を図るため、クジを作ってきた。」

 原田はドヤ顔で、クジの紙が入っているビニール袋を取り出す。


 全員、深く頷く。

 ぞう、クジだ。恨みっこなし。


 「では、少年からクジを引いてくれ。ああ、そうだ、引いてもまだ書いてある数字は見ないでくれよ。」


 僕は原田に指示され、歩み寄り、ビニール袋に手を入れる。

 紙を1枚確認して、取り出す。


 書いてある数字は見ない。紙を握りしめた。


 「それじゃ、他の皆は公平にじゃんけんだ!!」

 原田はじゃんけんを僕以外のメンバーにじゃんけんを指示する。

 そうして、クジを引く順番が決まる。

 勝ち負けで一喜一憂の表情はあったが、そこはクジ。その表情はほんの一瞬。

 本番はここから。


 おそらく、僕は想像つく。他のメンバーのクジに、それぞれ、各々、紙に書いてある番号がどうなって欲しいか。


 全員のくじが引き終わる。

 「ルールは勿論知っていると思うが、同じ番号の数字が、ペアだからな。」

 原田の言葉に全員が頷く。


 「では少年、お前の紙に書いてある数字を言ってくれ。」

 原田は僕に言ってきたので。


 僕は深呼吸して、紙に書いてある数字を言った。

 何だろうか、僕も、僕のことを好きな女の子とペアになりたいという気持ちが強い。


 「3番。」

 僕は言った。


 「「あっ。」」

 「「あーっ。」」

 リアクションが様々だが、大半が、暗い表情をした叫びだった。


 「ふふふ。みんなごめんなさいね。はい。3番よ。輝君。」

 皆のリアクションを確認し、ニコニコしながら僕と同じ数字を見せる史奈。


 「は、はい。よろしくお願いします。心強いです。」

 「ふふふ。いろいろ教えてあげるわね。」

 バレーボール部の史奈。何だろうか、とても心強い。


 他の面々も、自分のペアを見つけ、試合をすることに。


 最初の試合は僕たちは試合には出ずに、見ることになった。


 「ボールが余っているから、待機組は練習しててもいいぞ。」

 という原田の話だったので、僕と史奈は練習することに。


 といっても、ビーチバレーは初めてなので、待機の時間に、史奈に教えてもらう。

 「まずは、サーブなんだけど。アンダーの方がやり易いわね。」

 史奈からやり方を教えてもらう。

 アンダーサーブ、手を下から上に振って、サーブを打っていく。


 僕も史奈の動きをまねてみる。

 といっても、体育の授業でバレーボールはやったことがあるので、その延長戦だ。


 「うまいうまい。アンダーの方が確実性があるからね。」

 史奈は褒めてくれる。


 「さてと、次はレシーブ。少し、腰を低くして。身構えなくていいよ。多分大丈夫。」

 史奈と一緒に、ボールで、打ち合っていく。


 最初は少し戸惑ったが。

 だんだんと、コツをつかんでくるようになり。

 「うんうん。良い所まで、行けるかも。」

 史奈がそう言った。


 「ありがとうございます。運動、特に球技は本当にダメなので。」

 僕はそう言うと。

 「あら、さっきの泳ぎだったり、陸上教室にマユちゃんと一緒に行ってたんじゃなかったっけ♪」

 史奈が、ニヤニヤ笑いながら聞いてくるが。

 「すみません、こういう個人系のボール使わないタイムを競うのだったら、小学生レベルであれば・・・。それに、そう言うスポーツでも、僕よりもマユの方が・・・・。」


 「ふふふ。冗談よ。慣れて行きましょ。」

 史奈はそう言って、僕の肩をポンポンと叩く。


 そうこうしているうちに、僕たちの試合の出番になる。


 「ヨシッ。それじゃあ、先攻は少年と、元生徒会長のペアからだな。」

 引き続き、審判をしている原田。

 ボールが渡される。


 「フフフ。大丈夫よ。合図するからね。それじゃ、見ててね。良いところ、沢山見せちゃう。」

 史奈が僕に向かってウィンクする。


 史奈は、ボールを高く上げて。

 「はぁーーっ」

 一気にジャンプする。

 何だろうか、砂の上のマーメイドに思えた。

 そして、史奈の手が、ボールに伸びる。


 バゴーン!!


 史奈の手とボールから、低くて鋭い、とても大きな音が鳴る。


 ジャンプの距離、そして、手の伸び方。

 本当に史奈はこのメンバーで、一番背の低い人物なのだろうか。


 見た目だけでなく、プレースタイル。

 きっと、人一倍、その恵まれない弱点をカバーするために努力してきたのだろう。


 ボールは、加速し、さらに威力を増して。

 相手側のコートにストレートに落ちていった。


 ドスーンッ!!

 落ちたときに砂煙が舞う。


 「イン!!少年ペアに1点。流石はバレーボール部。」

 審判の原田の声。


 僕は目が点になっていた。

 振り返る僕。


 「ふふふ。どう?輝君。」

 手を振って、ウィンクする史奈。


 「す、すごいです。」

 僕は頷く。


 「オーバーサーブ、上から下に振り下ろす方法ね。ちょっとアレンジしました。アンダーサーブよりも、確実性が劣るけど、威力は増すのよね。」

 史奈はそう言って、目が点になっている僕に説明してくれる。


 「会長!!ずるい。手加減してくださいよ~。いくら輝君と一緒だからって、良いところ見せようとして。」

 相手コートには葉月と藤代さんのペア。


 「ほら、か弱い中学生の女の子もそう言ってますよ。」

 葉月は藤代さんを見る。


 「す、すごい。」

 だが、藤代さんは目が点になって、史奈を見ている。

 確か、史奈と藤代さんは、加奈子の応援か何かで、何回か一緒になって、史奈がバレボール部ということを知っているのだろう。

 そんなような尊敬のまなざしでこちらを見ている。


 「ふふふ、まだまだ行くわね。バレーボールはね、点を取り続けている人がサーブを打てるのよ。」

 そうして、史奈は、先ほどと同じようなサーブを5連発し、一気にスコアを5-0とする。


 そうして、6連発目。

 「あっ。ごめん。輝君。」

 左側にそれ、アウトに。


 「大丈夫です。すごかったです。」

 さあ、ここからが僕の番。


 「会長、負けませんよ。輝君、返してもらいますね。」

 葉月はそう言いながら、サーブをする。


 「左よ。輝君。」

 史奈の指示で、僕は移動し、レシーブの姿勢を取る。


 ボールが飛んできたが、レシーブを決める。

 その瞬間、僕は目を閉じて、ボールを追うことができなかった。


 「ナイスレシーブ。それじゃあ、いくわよ~。」

 史奈がボールめがけてダッシュを決めて。一気にジャンプする。


 バゴーン!!

 再び強烈な当たり。


 ナイスアタック。本当にすごい。


 「さあ、輝君のサーブの番よ。」


 史奈からボールを受け取り、教えてもらった通りにサーブを打つ。


 「そうそう、うまいうまい。」

 史奈の教え方が良かったからだろう。


 だが、僕のサーブは史奈のサーブよりも威力は当然弱く。

 相手に簡単にレシーブで拾われてしまう。


 そうして、僕たちのコートに再びボールが、飛んでくる。


 「輝君、真上にあげて。」

 史奈が勢いよくレシーブを行い、僕の方にボールを渡してくれる。


 僕は頷き、少し戸惑いながらもボールを拾った、だが、ボールが行った先は、真上ではなかった。

 若干右に逸れたが・・・・・・・。


 「ナイスナイス。大丈夫よ!!」

 再びボール目掛けて走り出す史奈。

 そして、再び、飛び切り大きなジャンプを決めて・・・・・・。


 バゴーン!!

 勢いよくアタックを決める。

 そうして、同じように土煙を巻き上げてボールが落ちた。


 「あー。また会長ずるい。ほら、雅ちゃんも。泣く真似しよ。うぇ~んって。」

 葉月は藤代さんに泣く真似をして、手加減させようと促しているが・・・・・・。


 「見とれちゃいます。」

 と藤代さん。


 そうして、この試合は史奈が無双する形に終わる。


 「ヨシッ。ゲームセットだな。流石はバレーボール部、雅ちゃんなんか見とれてたな。」

 原田の言葉に藤代さんが頷く。


 「はい。こんな人が生徒会長さんだったなんて、すごいです。」

 藤代さんは、とても素敵な目で、史奈を見ていた。


 その後の試合も、僕と史奈のペアが、順調に勝ちを進め。

 というよりほぼすべてが史奈の無双状態となり・・・・・・。

 そのまま、決勝となった。



 決勝のペアは、マユと心音。

 体を動かすことが比較的得意なペアが残った。


 史奈はいつも通りサーブで点を取り続ける。

 そして、一級アウトになったところで、マユと心音ペアの反撃開始。


 マユも陸上部。しかもガチガチの運動部ということで、史奈ほどではないが、上からのオーバーサーブをやってのける。

 すぐにレシーブをする史奈。

 レシーブは史奈の得意技。


 「なかなかやるわね。輝君、お願い、さっきまでの感じで、あげてみて。」

 僕は史奈が受けて、球の威力がとても弱くなったボールをトスして、再びボールを史奈の元へ。


 史奈がボール目掛けて走り込み。

 「はーっ!!」

 一気にアタックを決める。


 「さすがはバレー部ですね。でも、弱点が丸わかりです。」

 マユは一気にネットのギリギリまで走りこむ。

 「はい。流石の元生徒会長でも、二人いれば・・・・・。」

 心音もマユに呼応するかのように、ネットギリギリまで走りこむ。


 勝負に出る二人、決まればいいが、外せば大博打。だが、史奈の勢いを止めるにはこれしかなかった。

 マユと心音は一気にジャンプする。


 そして。

 「ナイスブロック!!」

 心音の声と同時に、マユのブロックが決まり、ボールは僕たちの方のコートに落ちた。


 「はあ。でも、手が痛い。もう一回は出来ないかも、頑張ってみるけど。」

 マユはそう言った。


 「あちゃー。」

 史奈は、肩を落とす。


 「ごめんね、輝君。やっぱり、ガチガチの陸上部の子が来ちゃうと。」

 史奈はがっかりしながら、僕に駆け寄る。

 いや、むしろ、ここまで史奈は大健闘だった。


 「いえいえ、大丈夫です。」


 さすがに弱点である、身長の低さをあそこまで利用されるともう無理か・・・・・。


 「大丈夫。大丈夫。ギアをもう一段階上げていくだけだから。」

 史奈は僕に向かって、満面の笑みを向ける。


 そして・・・・・・・。


 再び同じような状況。

 もう一度ブロックに向かう、マユと心音。


 だが。


 「はーっ。」

 史奈は再び大きくジャンプして、アタックを仕掛ける。

 史奈のアタックは、ブロックの壁の右を軽々通過した。

 ドスン!!と相手コートに砂煙が舞い上がる。


 「ふふふ。軌道修正してみたわよ。どうかしらね。」


 「「あーっ。」」

 悔しそうな表情をする、マユと心音。


 「ふふふ。輝君と一緒なら私は無敵よ!!」

 史奈はそう言って、ありとあらゆる方向に強烈なアタックを打ち込み続ける。


 そして、あっという間にこちらのマッチポイント。

 そして。


 「ふふふ、最後は特別サービスしちゃうわね。」

 史奈がニコニコ笑いながら、僕のトスで。アタックを仕掛ける。


 「はーっ。」

 勢い良くジャンプする。

 そして。


 バゴーン!!


 今日いちばんの大きな音が響き渡る。

 ブロックを仕掛ける、マユと心音。

 「何しているんですか?私たちの正面ですよ。」

 そういいながら二人はジャンプするが。


 ポーン!!

 と、大きな音を立て、マユと、心音の手にボールが当たり、そのまま、2人の背後にボールは消えた。


 最後は、よりパワーのあるボールで押し切ったのだった。


 ビーチバレーは史奈と僕の圧勝だった。


 「ナイス、輝君。上手だったよ♪」

 史奈はそう言うが。

 「いや、いや、全て史奈のおかげだよ。ありがとう。」

 「ふふふ。良い子ね。抱きしめちゃおう。」

 史奈はそう言ってぎゅっと、僕を抱きしめてくれる。


 だが、ここから原田が衝撃的な一言を告げる。

 「ヨシッ。勝利の余韻に浸っているところ申し訳ないが、もう一回ペアを変えて実施するぞ。再びくじ引きだ。」

 そう言って、原田がクジを持ってきた。


 「あらあら、残念。」

 史奈がそう言って僕のもとを離れると再びクジを引き直す。


 今度の僕のペアは加奈子だった。

 「やった!!」

 小さくガッツポーズをする加奈子。


 「よ、よろしく、輝。」

 「はい。よろしくお願いします。」

 加奈子は興奮気味に僕を見る。


 だけど、最初の予選で当たったペアは、史奈ペアだった。

 何だろうか、コートの向こう側に立つ史奈はいつも以上に、オーラが凄かった。


 「ふふふ。加奈子ちゃん、クジだとは言え、私から輝君を奪うだなって、許せないわ。」

 何だろうか、背後に黒い影でもあるのだろうか。

 ゴゴゴゴゴゴゴ―ッ。と漫画の背景があるみたいだ。


 「良いじゃないですか、クジなんですから。」

 加奈子は反論するが。

 「そう、わかったわ。試合でみっちり決めましょう。」

 「良いですよ。」

 史奈のニヤニヤした笑みに加奈子が答える。


 だが・・・・・・・。


 バゴーン!!

 ドスン!!


 威力の大きなサーブに手も足も出ない僕と加奈子。

 「か、会長、ずる過ぎますよ。」

 加奈子が言うが。

 「あらあら、さっきの勢いはどこへやら。まだまだ行くわね。」


 「ひ、輝、頑張ろう。」

 「う、うん。」

 僕は加奈子の言葉に反応するが。


 史奈のボールの球について行けず、結局ストレート負けとなったのだった。


 何だろうか、先ほどの藤代さんの瞳の色と同じような瞳の色で、僕は史奈を見つめていた。

 こんなパワーのあるサーブを打てるなんて。


 結局、2回戦目もバレーボール部出身の史奈の圧勝に終わり、ビーチバレーイベントが終了した。


 それと同時に日が暮れてきた。

 「見て見て、輝。とても綺麗。」

 加奈子が手招きする。

 「本当だ。とても綺麗です。」

 夕日に映える海を見る僕と加奈子。


 「ごめんなさい、史奈のペアとても強くて。」

 「ううん。気にしない気にしない。輝はピアノという特技もあるし。それに、あれはずるいよ。」

 加奈子が笑いながら言う。


 「ホントそうだよね~。」

 葉月が底に寄ってくる。

 「あ~あ。こんなことなら、輝君と組みたかったなぁ。」

 葉月の深いため息。


 「ウチも、ウチも、車と言い、今回と言い、ハッシーと一緒になったことなくない?」

 結花がそれを確認するかのように、僕の隣に割り込んでくる。


 「あらあら、何話しているのかしら。私も、混ぜて欲しいわ。」

 「あーっ、ずるい人来た。」

 史奈が僕たちの元に駆け寄ってくるが、僕の隣に入らせないようにする葉月、結花の姿。


 僕たちはこうして、今日一日を振り返りながら、夕日を見ていた。



最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

 1.忍者翔太朗物語~優秀な双子の兄だけを溺愛する両親のもとで奴隷のような生活をして育った忍者のお話~URLはこちら↓

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 2.元女子魔道学院に異世界転生した男子の僕が入学するとどうなるのか?※このシリーズの異世界転生編です。⇒なかなか更新できず、すみません。

 https://ncode.syosetu.com/n7938ht/


3.只今、構成中。近日アップします。

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