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67.海へ~女の子たちの水着回、その1~


 「さて、皆で海行くよ!!」

 原田は皆に向かってそう叫ぶ。

 各々、海に行くための準備を始める。


 僕は吉岡と一緒の部屋で水着に着替える。

 何だろうか、バレエの男性というのはかなりいい体つきをしている。


 「悪いね、橋本君、一緒の部屋で着替えることになって。」

 吉岡はすまなそうに言うが。

 何だろうか、水着を着た吉岡は本当に男前である。

 そして、彼の水着は競泳選手が着るようなタイプだから、余計にそう見える。


 「いえいえ、気にしないでください。」

 僕は、遠慮がちに言う。


 「うん。なかなか似合ってるぞ。」

 吉岡は僕の水着を見て感想を言うが。


 「いえいえ、吉岡先生こそ。かっこいいと言いますか。」

 吉岡は僕の言葉を聞いて、ポンポン僕の肩を叩く。


 「ありがとう。でも、もっと褒めなきゃいけない相手がいるぞ。橋本君。」

 吉岡は笑いながら、廊下の方を指さす。

 廊下には階段があり、上の階に続いて行くのだが。


 吉岡が指さしたタイミングで、上の階から降りてくる原田を見た。


 「おお、さすがは男性陣は着替えが速いな。」

 黒ビキニで、白のパーカーを羽織る原田。


 「まあな。相変わらず、すごく色気たっぷりで、かわいいぞ。裕子。」

 吉岡は原田に向かって、素っ気ないが着ている黒ビキニが似合っていることを告げる。


 原田はにこにこと笑う。

 「はは。良かった。さあ、少年。お前も、ヨッシーの真似をして見な。」

 原田は手招きをする。


 僕はドキッとした。

 再び美しい人に出会った。


 原田と同じく黒ビキニを着ている加奈子。

だけど。重ね着のレイヤードタイプのもので。

 上の部分もかなりギリギリだが。下の方の部分は隠し切れないというが、ほぼ全部見えてしまいそうなものだった。

 加奈子の美しい体のラインが強調される。

 そして、彼女の髪には、バレエの練習の時の髪型のようではあるが、ヒマワリやハイビスカスの髪飾りが乗っていて。


 だが当の加奈子は、内心ドキドキした顔をしている。


 「ひ、輝。変じゃないかな。この水着、先生からもらったんだけど。」


 「すごい、とても綺麗・・・・・・。」

 僕は言葉が出なかった。やっと出てきた言葉だ。

 この言葉を聞いて安心する加奈子。


 「よかった。ありがとう。」

 加奈子はホッとしている。


 「ハハハ。結構楽しい時間だったよ。髪も久しぶりに結んであげてさ。」

 原田は笑っている。

 普段も輝いているが、今日は特段と大人の色気をまとった加奈子がここに居た。


 そして、続々と着替えを終えた女子メンバーが階段を降りてくる。

 「へえ。髪飾り、すごくいいね。」

 「さすが生徒会長。ウチも負けたくねー。」

 葉月と結花が最初に降りてくる。


 葉月は白地にピンクの花柄。

 結花は海の色が強調された、青い水着。

 どちらもビキニだ。2人に関してはそれだけでも十分すぎた。

 2人とも、ビキニの間から、隠し切れないほどの、胸の谷間がのぞいている。


 「見てみて、輝君笑ってる。」

 「どうしたの~。ハッシーにやけちゃった。」

 葉月と結花に迫られ、ドキドキするが。


 そこは頷き。

 「うん。とても、可愛いし・・・・・。」

 僕はそれしか、言葉が出て来ない。


 「うん。良かった。」

 「ヨッシ。」

 葉月、結花も安心する。


 「あ、あの、橋本君。皆。お待たせ。」

 次に上の階から出てきたのは早織。

 上は白地に水玉、そして下は水玉模様が白で、水玉模様の色がベースになったフリルスカートだ。


 「頑張っちゃった。橋本君も、皆もいるし。」

 早織も加奈子と同じですごくドキドキしている。


 上の方も当然、葉月や結花と同じく、早織も胸の谷間がはっきりと目立っている。


 「ありがとう。おしゃれだね。」

 僕は早織の肩をポンポンと叩く。

 「よかった。気にってもらえて。」


 「ふふふ。楽しそうね。」

 「ひかるん嬉しそう。」

 その言葉と同時に、史奈とマユが上の階から降りてくるが。

 2人の姿を見た瞬間、思わずどきっとなる。今日いちばん言葉が出ない。


 黒と紫の間の色をした、大人の魅力たっぷりのビキニを着ている史奈。

 覆っている面積も、小さく、水着の生地も少し光沢のあるようなタイプなのだろうか。


 「か、会長、凄すぎ。」

 これには加奈子も驚く。


 「ホント、一番背が低いのに。こういうところは大人びているよね。だから、身長が低いの目立たたないんだよね。いつも。」

 葉月は加奈子とそんな話をしている。


 「あらあら、聞こえているわよ。まあ、でも、一番年上なんだし。これくらいは大目に見てよ。ね。」

 史奈はそう言いながら笑う。

 「ふふふ。輝君も顔を真っ赤にして、ドキドキしてる。」

 史奈は僕の方を向いてにこにこと笑っている。


 「ふう。そして、マユちゃんが競泳水着でよかったわ。ビキニを着られてしまうと。・・・・。」

 競泳水着を着たマユを見る。

 日焼け跡がここからでも伺える。

 皆もつられてこっちを見る。


 「ハハハ。流石にそこまで冒険はしないかな。ひかるんや皆だけなら、冒険してもよかったんだけど。他の観光客とかもいるし・・・・・。」

 マユは遠慮がちだ。

 だが、競泳水着でも十分、スタイルが良くてセクシーだった。

 


 「ほら、みんな待っているんだから、恥ずかしがらないの。」

 「え?ちょっと。」

 心音が風歌を連れて出てくる。


 心音は白と青のチェック柄。そして。

 風歌は、ピンク色ベースで白が縁どられており、2人とも、マーメイや人魚姫が着るようなアクセサリーが付いているビキニだった。


 「あの・・・・。橋本君。どうかな?」

 風歌はとても恥ずかしそうだが。

 「とてもかわいいですよ。ここら辺に付いているフリフリのアクセサリーとか。」


 「ふう。良かった。」

 風歌は胸をなでおろすと。

 「ねっ。平気でしょ。」

 と心音が言う。


 「ふふふ。皆さん楽しそうですね。」

 藤代さんが最後に出てくる。

 彼女ももともとバレエをやっていてスタイルがいいのか。中学生とは思えない。

 白色で、いろいろな光沢感のある刺繍が施されているビキニだった。


 「さて、そろったところで、海に行くぞ。」

 原田はそう言って、別荘を出る。


 僕たちは海へと向かう。

 僕と吉岡で、折り畳み式のテーブルを運び、砂浜に着いたところでそれを建て、ビーチパラソルをセットする。


 他にも浮き輪や、膨らますマットなど、各々荷物を持つ。


 「ヨッシャ、思いっきり遊ぶぞ!!」


 「「「「おーっ!!」」」」

 原田の掛け声に合わせて、僕たちは海に入る。


 青い海。水が気持ちい。


 バシャーッ。と水をかけられる。

 「ほらほら、ひかるん、こっちだよ。」

 マユがはしゃぐ。

 「あっ。コラ!!」

 僕はマユに仕返しをする。


 それに呼応して、結花と葉月、さらには加奈子や史奈も加わっていく。


 マユは泳ぐのも速い。

 「鬼さんこっちだ~。」

 マユはそう言いながら、どんどんと、遠くまで泳いでいく。

 さすがは体育会系で、競泳水着を着ているだけのことはある。


 僕とマユは、海水浴場の海の真ん中に設置されてある。防波堤部分へとたどり着いた。

 防波堤を登り始めるマユ。


 「はあ、はあ。ハッシー速すぎ。」

 「ホント、ここまで来るとは思わなかったわ。」

 結花と史奈は追いかけてきたが防波堤部分に上がったところで、息が切れそうだった。


 「輝君、待ってよ~。」

 「お~い。輝。」

 葉月と加奈子の声。


 葉月と加奈子はやはり一度浮き輪を取ってきたようで、浮き輪でバタ足をさせながら、一生懸命前に進んでいる。

 

 それを見て、僕は2人を迎えに行く。

 「ありがとう。輝君。」

 「よかった、来てくれて。」

 葉月と加奈子はそう言って、笑っている。


 「はあ、はあ、浮き輪があって助かりました。流石に海で、休みなしでの2往復は。」

 僕はそう言って、加奈子の方の浮き輪に捕まる。

 「えっ。」

 加奈子は顔を赤くするが。


 「ちょっと、ちょっと、輝君、こっちに。捕まってよ~。」

 葉月は僕の手を持ち、葉月の方の浮き輪に捕まらせる。


 「ちょっと、葉月、いきなりやられると・・・・・。」

 僕は一瞬、水を飲み、溺れて沈みそうになるところを葉月の身体を掴む。


 すると。

 「えっ。」

 「きゃぁぁ。」

 しまった、いきなり葉月の胸を掴んでしまった。


 葉月もつられて、沈みそうになるが。浮き輪があったので何とかこらえる。

 僕も葉月の浮き輪に捕まることができる。


 おそらく、一部始終を見ていたのは、僕と葉月と加奈子くらいだろう。

 一瞬のことなので、誰もわからなかったが。


 「ひ、輝ぅ。」

 加奈子は僕と葉月をうらやましそうに見る。


 「ごめん。葉月。大丈夫?」

 「うん。大丈夫だけど。ここは海。人も周りにいるから、えっと。もっと、2人しか居ない場所の方が良かったかも。まだまだ、ドキドキするし、今も、ドキドキする。」

 葉月は浮き輪にしっかりとつかみながら恥ずかしそうな顔をする。


 「うう、でも、今回は私にも、責任があったから、別にいいけど。」

 葉月はそう言って頷いたところで。

 僕は2人の浮き輪をもって、マユと史奈、そして結花が待つ防波堤へ。


 加奈子は一瞬顔をしかめたが。

 「輝、私の方も押して。押して♪」

 そういって、加奈子の方を浮き輪を強く押して、加奈子の浮き輪を少し長い時間持ちながら、2人を防波堤まで連れて行った。


 「おーっ。ひかるん、お疲れ。お勤めごくろう。」

 マユはそう言いながら、防波堤に上るのを手伝ってくれる。


 「本当。女の子には優しくする輝君ね。」

 「あ~あ~。私も浮き輪持ってくればよかった。」

 史奈、結花はそう言いながら、僕と葉月、加奈子を防波堤にあげるのを手伝う。


 海水浴場で遊泳可能ゾーンはこの防波堤まで。

 海水浴客もこの防波堤は簡単に上がれる仕組みになっている。


 防波堤の向こうには見渡す限りの青い海が広がっていた。


 「うわぁ。」

 「すごい。」

 「きれい。」

 「素敵ね。」

 「ひかるん、見えてる?」

 生徒会メンバーと、幼馴染で見る防波堤の向こう。


 「うん。とても綺麗。」

 それはとても綺麗だった。見渡す限りの青い海。邪魔を物など何もない。


 「外国につながっているんだよね。」

 僕は思わずみんなに聞く。


 「そうだよ。」

 「そうだね。」

 皆声をそろえて言う。


 「輝君もピアノで世界に羽ばたいたりして。」

 葉月はそう言う。みんなも頷く。

 「いやいや、先に世界に羽ばたくのは皆の誰かだったりして。」

 僕が言った。


 そして、僕は加奈子を見る。

 加奈子のバレエも世界に羽ばたけそうだ。現に原田は海の向こうの最高峰のバレエコンクールで表彰されている。


 「もっと練習しなきゃだね。輝。お互いに。」

 加奈子は僕の視線に気づきそう言った。

 勿論、他の皆だって、その可能性は十分にあり得る。


 防波堤の向こう、海の向こうのそのまた向こうを、この夏休み前までの1学期、本当に良くしてくれた、葉月、加奈子、史奈、結花の生徒会メンバーと、幼馴染のマユとで、ずっとずっと、僕たちは見つめていた。


最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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本当に、皆さんのリアクションが励みになっています。ありがとうございます。

今年の投稿はこれで最後です。本当にありがとうございました。良いお年を!!



●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

 1.忍者翔太朗物語~優秀な双子の兄だけを溺愛する両親のもとで奴隷のような生活をして育った忍者のお話~URLはこちら↓

 https://ncode.syosetu.com/n1995hi/


 2.元女子魔道学院に異世界転生した男子の僕が入学するとどうなるのか?※このシリーズの異世界転生編です。⇒なかなか更新できず、すみません。

 https://ncode.syosetu.com/n7938ht/


3.只今、構成中。近日アップします。

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