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65.大輪の花~女の子たちの浴衣回(後編)~


 「本当に良かったね、輝君。」

 特設ステージの後、葉月に声をかけられる。

 「ああ、そうだね。でも、もう限界かも。」

 僕は少し疲れていた。


 「ふふふ。そうね、いきなりステージに飛び入りしたのだもの。」

 史奈はそう言って笑っている。


 「でも、結果的に本当にすごかったね。最高だよ。」

 結花は笑いながら僕の肩を勢いよく叩く。


 頷く加奈子。

 そして。


 「ひかるん、ピアノ続けてて本当に偉い!!」

 マユは親指を立てる。



 「あの、皆さん、本当にありがとうございました。」

 芽瑠は頭を下げて、お礼をしている。


 芽瑠が楽しんでくれたみたいで、本当に良かった。


 「良かったよ。芽瑠ちゃんもナイスヴォーカル!!」

 心音は芽瑠に向かってハイタッチする。


 「うん。本当に良かった。」

 僕は芽瑠に笑顔を見せる。流石にピアノが飛び入りで入っても、元々の歌の力がなければ、歌唱賞はもらえない。


 「あの、あとで、お礼、させてください。」

 芽瑠はそう言ったが。

 お礼何て、とんでもなかった。


 むしろ助けられてよかった。

 僕がみんなから助けてもらえた分。何か恩返しができてよかったと感じる。


 「お礼は、別に大丈夫だよ。」

 僕は芽瑠に言うと。


 「いえいえ、そんな。」

 芽瑠は戸惑っていたが。


 「ふふふ。芽瑠ちゃんも良い子だね。でも、今は、このお兄ちゃんのいうことを聞きましょうか。」

 史奈は笑っている。


 「そうだね。今日じゃなくて、後になって、助けて欲しいって、声かけるかも。」

 僕はそう言いながら、芽瑠に言う。


 「はい。その時は、必ず。」

 芽瑠はそう言って、笑顔になった。


 「そうだ。芽瑠ちゃんさえよければ、この後、芽瑠ちゃんも一緒に、私たちとお祭り回ってみない?」

 葉月は笑いながら芽瑠に提案する。


 「えっ。いいんですか?」

 芽瑠は目を見開く。

 さすがに歌唱賞をとっても、元々のメンバーが直前で、バックレたことのショックは大きいようで、今になってそれが再び戻ってきたような感じだった。

 トラウマになる前に、僕たちと一緒に回って、楽しい一日にした方がいい。


 僕たちは葉月の提案に頷く。


 そうして、僕は葉月、加奈子、史奈、結花、早織、心音、風歌、マユそして、芽瑠の9人の浴衣美女とともに街を歩くのだった。


 僕たちは市役所を抜け、川沿いにたどり着く。

 川沿いの土手は人が混んでいるが、まだまだ少し座れそうだった。


 土手を下り、河川敷の一角で場所を取る。

 この町の名前の由来ともいえる、雲雀川。

 近くで見るととても綺麗である。

 地方の中核市ということで、河川敷の人込みは、確かに人は多いが、東京というほどでもないのが幸いだ。


 「まあ、場所はどこでも問題ないよね。上を見るから。」

 葉月はそう言って、持ってきたシートを敷く。


 全員が入れそうな大きさのシート。


 「はい、これ。改めて、橋本君、誕生日おめでとう。」

 早織が大きなふろしきを開くと、大きな重箱がある。

 そこからは色々な料理がある。


 「ありがとう、早織。」

 本当に重箱の中は色とりどりの料理がたくさんあった。


 「今日、誕生日だったんですね。おめでとうございます。」

 それを聞いた、芽瑠も、今日このことを知って、すごく喜んでいた。


 早織の料理はとてもおいしかった。

 さすがは定食屋の娘だった。


 「すごく美味しい。」

 「本当。どうやって作るんだろう。」

 加奈子と葉月が聞いてくる。


 「えっと、これは、こうやって・・・・・・・。材料は・・・・・。」

 早織の声に耳を傾けメモを取る葉月。

 頷く加奈子。


 料理は葉月は負けていられないようだ。


 そして、早織の料理を食べ、しばらく待機していると。


 「そろそろだね。」

 葉月が笑いながら言う。


 そして、葉月の指さす方向に。


 ピュー。ドン!!

 ピュー。ドン!!


 花火が夜空に打ちあがる。


 大輪の花。

 そう、夜空に咲く大輪の花。


 「すごい。」

 僕は興奮している。


 「ふふふ。喜んでもらえてよかった。どうだった?輝君の誕生日。」

 葉月は笑いながら僕の手を繋いでくる。


 言うまでもない。今までの誕生日の中でいちばん最高だった。

 色とりどりの花火が夜空に花を咲かせていた。


 その度にいろんな色に変わる夜空の色。


 「みんなで、見られてよかった。」

 僕は笑って言った。


 「「「うん!!」」」

 全員うなずいていた。


 葉月が企画してくれた僕の誕生日企画。

 雲雀川のお祭りと、花火大会は本当に素晴らしかった。


 大輪の花は、夜空にいつまでも、咲き続けていた。

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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

 1.忍者翔太朗物語~優秀な双子の兄だけを溺愛する両親のもとで奴隷のような生活をして育った忍者のお話~URLはこちら↓

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3.只今、構成中。近日アップします。

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