110.史奈の誕生日、そして・・・・。
バニーとメイド、そして、魔女っ娘たちと文化祭の打ち上げの夜を過ごし、代休を挟み再び授業が始まる。
授業が再開され、怒涛の中間テスト返却が終わり。気付けば10月も後半に突入していた。
そして、10月後半の週末を迎え、僕たちは地元の焼肉店に来ていたのだった。
文化祭の景品にもなった、食事券のお店だ。
ここに来た目的は、生徒会メンバーとして、もう一度、文化祭の打ち上げ、ということもあるが。
このイベントは史奈の誕生日会も兼ねていた。
そしてさらに・・・・・・。
「ジャーン!!」
文化祭の後、先日の生徒会室で史奈が得意げに見せてきたもの。
それは、大学の合格通知だった。
「おめでとうございます!!」
「すごーい!!」
皆で拍手喝采になる。
合格した大学は、雲雀川経済大学。マユの付属高校の母体となっている大学だ。
この大学は、中堅クラスの、地元に密着した全国でも数少ない公立大学だった。自治体は勿論、地元の企業が共同出資して成り立っていた。
故に、学部も法、経済、商、社会情報(介護福祉学科、情報システム学科)、農学部と、地元の就職に役立つ学部や授業が展開され、在学中に何らかの資格合格をする人も多いことが特徴的だ。
史奈は地元企業、瀬戸運送の社長令嬢でもある。勿論、瀬戸運送もこの大学に協賛金を出している。
そのまま、地元に就職、もしくは瀬戸運送の総務に入るのであれば、史奈にとって、この大学合格は最高の結果である。
生徒会長の実績、中学時代のバレーボール部の実績、高校でもレギュラーではなかったが、バレーボール部で活躍していたし、このスポーツ特有の、史奈の弱点、『身長の低さ』を克服するために頑張ってきたこと、そして、史奈自身の部活や生徒会でのコミュニケーションの高さ。
このすべてを考慮した結果。自己PRや調査書類の内容はほとんど埋まる。
推薦総合選抜を兼ねたAO入試で、見事ホームランを叩き出したのだった。
というより、このホームランは必然的に生まれたといっても過言ではなかった。
皆で合格を喜んだが。
同時に寂しさも覚えてくる。
1年の半分が過ぎてしまった。
確かに推薦や、AO入試は、秋ぐらいに合格が発表され、卒業までにはまだまだ、期間があるのだが・・・・。
「どうしたの?輝君。」
史奈がニコニコ笑う。寂しさを覚えた僕の表情が変わったからだろうか。史奈はそれを見逃さなかった。
「あの、実は・・・・・。」
正直に話す僕。
「優しいぃ~、大好き!!」
史奈が抱きしめてくる。
「でも、ずっと地元にいるから、遊びに行くわよ~。」
史奈がニコニコ笑う。
「うん。それ、私も思ってた。」
「そうよ、絶対地元の大学進学を良いことに、絶対毎日ここに居そう。」
葉月、加奈子が笑う。
「バレたかぁ~。」
「「バレてます。」」
皆が声をそろえて言ったので、確かにそうだと僕も思った。
しかし、そんなこともあったか、大学合格という結果は変わらない。
10月24日の史奈の誕生日と大学合格祝いを兼ねて、史奈の大好物のお肉。
地元で良質なものを提供するが、その分、お金が少しかかってしまうという、そんな地元の焼き肉店に来ていたのだった。
高校生ということもあって、僕は伯父に、葉月は理事長に、そして、合格を勝ち取って、誰よりも祝福していたという、瀬戸運送の人達に少し金銭的に援助してもらって、文化祭打ち上げ、史奈の大学合格と誕生日パーティーをするのだった。
僕は他の県で育ったため、このお店には初めて来た。
「長年、地元から愛されるお店だよ~。少し値段は高いかもだけど、とっても美味しいの。」
葉月はこのお店のことを簡単に説明する。
皆が食べたいメニューを注文していく。
僕は男子ということもあって、かなり食べる方であり、一緒に来ていた義信に習って、ご飯の大盛と、キムチの盛り合わせを注文し、あとは食べたい肉と、スープを注文した。
メニューが揃ったところで。
「皆、文化祭、お疲れさまでした。そして、会長、誕生日と、大学合格、おめでとうございます!!」
加奈子がにこにこと笑って挨拶した。
拍手する、生徒会メンバー。
「それじゃあ、皆で、カンパーイ!!」
「「「カンパーイ!!」」」
加奈子の言葉で、乾杯し、肉をひたすら焼いていく僕たち。
十分に焼いて、口に入れてみると、とっても美味しかった。
「すごい美味しいです。こんな焼肉生まれて初めてかもしれない。」
僕は素直に感想を言う。
「でしょ、でしょ。一緒に頼んだキムチとかも美味しいから食べてね♪」
葉月の言葉に頷き、一緒に頼んでいた、キムチと、スープも口に入れてみるとどれもおいしかった。
今日の主役の史奈は大満足。
史奈の希望でこのお店がいいということになり、プレゼントも、このお店の食事代ということになっていた。
「ふふふ、やっぱり、ここは違うわね。」
ニコニコ笑う史奈。
本当にお腹いっぱいで、満足そうだった。
改めて、おめでとうを言い、このお店の焼肉に、史奈とともに大満足した、僕だった。
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