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109/120

109.離の夜、その4~バニーとメイドと魔女っ娘と。・・・~


 文化祭2日目の次の日は、文化祭の後片付けの日。

 盛り上がった文化祭も、装飾を撤去し、元の状態に戻していくと、2日間夢のような時間だったと改めて実感する。


 そして、その後は週末に文化祭が行われたため、代休を取って、再び授業が始まる。

 代休後の最初の授業は怒涛のテスト返却から予定していた。


 「あ~あ。こうしてみると、あっという間だったね♪」

 葉月は感慨深そうに、生徒会の最後の見回り作業を行っている。


 「本当ね。でも、生徒会長として、無事に終わってホッとしてる。」

 加奈子も葉月のことばに頷く。


 「みんなは、まだいいわ。私は、最後の文化祭が終わちゃったのよぉ~。」

 半分涙目になる史奈。

 彼女は高校3年生、最終学年。高校生活最後の文化祭だった。


 「そうだね。寂しいよね。」

 僕は史奈の瞳を見つめる。


 「そうよぉ。輝君、やさしい~。」

 史奈は涙目になりながらも、どこか笑っている。

 だが、僕以外の生徒会メンバーからの反応は何もない。


 「あ~っ、その表情、卒業してOGになっても、文化祭に遊びに行きます。って顔してる。」

 ようやくにやにやと笑う葉月。


 「バレてた?葉月ちゃん。」

 涙を拭き、急に笑顔になる史奈。


 「はい。バレバレです。」

 葉月は言う。そして、他のメンバーも頷く。これには、僕も頷く。


 「あら、そう。というわけで、来年も遊びに行くわね~。」

 にこにこと笑う史奈。

 僕もやっぱりそうだよね、と思っていたが、ここは伏せておく。


 そうして、跡形もなく文化祭の装飾が無くなり、今から授業が行えるという状態になった花園学園。


 「皆さん!!お疲れさまでした!!」

 加奈子がにこにこと笑って、ねぎらいの言葉をかける。


 「「「お疲れさまでした!!」」」

 僕たちは笑って返事をする。


 「本当に良い文化祭だったと思います。明日、明後日と代休になります。しっかり休んで、生徒会の仕事はまだまだ続きますので、代休が終わったら、元気な顔を見せてください。」

 加奈子が笑って、挨拶をした。


 「みんなお疲れ様。本当に良かったよ~。私からも連絡は特にないので、これからも頑張りましょう!!」

 葉月がニコニコ笑っている。


 最後に他に連絡がないか確認して、僕たちの初めての文化祭、そして、文化祭の生徒会の仕事も終わったのだった。



 そして。

 「お疲れさまでした!!」

 と言って、まっすぐ自分の家に帰ったのは義信だけだった。


 他のメンバーは、【家に帰って荷物を置いたら、輝君の家に集合!!】

 という連絡が各々のスマホに来ていたのだった。


 そして。

 僕の家に続々と集まってくる、生徒会メンバーたち。

 時刻も日暮れに近いのか、他の学校に通う、マユも呼んでいる。

 さらにはコーラス部の風歌も僕の家、つまり、伯父の家に来ていたのだった。


 早織と結花は改めて伯父、伯母にお礼を言う。メイド喫茶のメニューの材料を用意してくれたお礼だった。


 そうして、僕たちは、僕の寝泊まりとして使っている、離屋へ・・・・・。


 『例の約束』をした、全員が集まっている。


 「全員が揃っているということなので、先ずは、それぞれの名前が書かれている箱の確認をしよっかぁ。」

 という葉月の提案。

 そして、名前の書かれた箱を取り出し、箱の中身を数えていく。

 お互いの顔を見合わせ、真剣な表情で・・・・・。


 箱の中身は小さな袋、例の、あの袋だ・・・・。

 一番少ない人、要は一番減り方の激しい人が、勝者だった。


 このイベントは定期的にやっていて。

 今回の勝者は、なんと風歌だった。


 「すごい、風歌ちゃん、一番最近に仲間になったのに・・・・・。」

 マユは驚きを隠せない。

 「まあ、あの激しさを含めれば納得よね。」

 史奈がため息をついている。


 「にへへへっ、輝君と、頑張った。」

 風歌はニコニコ笑う。


 「それじゃあ。文化祭お疲れ様パーティーを兼ねて。」

 「「「今日も・・・・・。」」」


 全員が、僕に抱きしめる。

 そして、皆一人一人、唇を合わせてに来る。


 「輝君、ちょっと待ってて、目を閉じてくれる~。順番に・・・・。」

 葉月の声に、僕は目を閉じる。

 葉月たちは、目を閉じている隙にお互いの顔を見て。


 「順番に準備するけど、抜け駆けなしだよ。」

 葉月はそう言って、皆に言い聞かせる。


 僕の両手に誰かいる感覚。

 それが、変わりばんこにくっついては離手を繰り返して。


 「輝君、お待たせ、目を開けていいよ♪」

 葉月の声に目を開けると・・・・・。


 いきなり突然、僕の胸の鼓動が高鳴る。


 かわいいメイドと、バニーガールと、魔女っ娘が勢ぞろい。


 早織、風歌がメイド。

 「こ、今回はメイドさん。輝君、いーっぱいお世話しちゃう。」

 風歌が笑っている。


 「ここなら緊張しなくてすごくいい。」

 早織がニコニコ笑う。2人とも、一番緊張しないで、メイド服を着ている。


 「「お帰りなさいませ、ご主人様。」」


 結花と、葉月、加奈子がバニーガールの衣装を着ている。

 加奈子は細身だし、結花は性格からだろうか、こちらの衣装の方がとても魅力的だった。

 「へへへっ、赤城さんたちに衣装、今日まで貸してもらったんだぁ。」

 葉月は得意げになって、笑っている。

 加奈子も、結花も得意気に頷いている。


 「みんなは良いわね。」

 昨日の花園学園グランプリと同様に、魔女っ娘の衣装を着ている史奈。


 「あっ、でもこの衣装、昨日から進化して、ポンチョの下は、何も着てません。」

 と、史奈はポンチョの下をめくる。


 「あーっ、先に抜け駆けずるい!!」

 というブーイングが史奈に浴びせられるが。


 「良いじゃない。減るもんじゃないんだし。」

 そういって史奈はウィンクする。


 「みんな、文化祭の衣装でずるいよ~。」

 そういうマユは、陸上部のユニフォームを着ている。胸元と、下半身だけを覆っている、セパレートタイプのもので、かつ、部活終わりだからだろうか、マユの汗のにおいがさらにドキドキさせていた。


 「それじゃあ、輝君。準備は良い?」

 葉月の言葉に、喉を鳴らして、コクっと、頷く僕。


 皆の衣装が可愛いからだろうか。

 そこからは一気に速かった。


 「ふふふっ、輝君、いつも以上にパンパン。」

 史奈という史奈の声。


 これが本当の文化祭の打ち上げであった・・・・・。


最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

 1.忍者翔太朗物語~優秀な双子の兄だけを溺愛する両親のもとで奴隷のような生活をして育った忍者のお話~URLはこちら↓

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3.只今、構成中。近日アップします。

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