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105.福引大会


 再び、体育祭の片づけと、文化祭準備に精を出す、僕と生徒会メンバー。

 「部長!!大丈夫っすか?」

 「ハッシー、手伝うよ~」

 義信と結花は、笑いながら、備品運びを手伝ってくれる。

 さすがに、物を運ぶなどの、パワー系に関しては、僕は得意ではないから助かる。


 さて、そんな感じで、生徒会の準備の仕事は早めに終了。

 ほとんどが、イベントなどの会場設営のため、事前に椅子を何脚、机を何台と記載しておけば、あとは図面通りに準備しておけば良かった。

 図面も書記である僕と、早織が、作成したが、ほとんどが、早織の見やすい図で助かっている。


 「お疲れ様!!そしたら、福引大会の準備だね。」

 葉月がにこにこと笑う。

 「うん。もう一回、景品が揃っているか確認しよう!!」

 加奈子がニコニコと笑っている。


 そうして、僕たちは、先日決めた福引大会の景品が揃っているか確認する。

 大丈夫だ。揃っている。

 発注をかけた景品も、届いていた。

 もしも届いていない場合は、目録で渡すことになっていたがそれも大丈夫そうだ。


 「ふふふっ。大丈夫なようね。」

 史奈がニコニコ笑いながら、僕たちを見る。

 史奈の発言に僕は頷く。


 「それじゃあ、ここからはこの人たちにも手伝ってもらおうかしら。」

 史奈がウィンクして、生徒会室に赤城兄妹を連れて来た。


 「あ、あの・・・・。」

 「よ、よろしくお願いします・・・・・。」

 赤城兄妹、兄の隼人と、妹の未来は緊張しながら、ペコペコ頭を下げる。


 「そんなに緊張しないで、私たちがお願いしたんだから。」

 史奈は笑う。


 「は、はいっ。」

 未来は緊張しながらも返事をする。


 「それじゃあ、輝君と、義信君はこれを着てくれる。赤城さんたちが作ってくれました。私たちも着替えてくるから待っててね♪」

 史奈の指示で、赤城兄妹が用意してくれた衣装に着替える僕と義信。


 「カッコいいっすね、部長!!」

 「あ、ああっ、義信も似合ってるよ。」

 まるでカジノのディーラーに居るような。ベストとスラックス、さらには蝶ネクタイだった。

 流石は赤城兄妹だ。大人の社交場の衣装の仕上がりだった。


 そして。


 「ジャーン!!お待たせ!!」

 葉月がニコニコ笑いながらこちらに登場。


 「おおっ!!すごいっすー、是非とも!!」

 義信の大声が聞こえるが。


 「へへへっ。でもごめん、輝君に最初に感想聞きたいなぁ~」

 黒タイツ、黒の蝶ネクタイ。そして、頭の上には黒い大きな耳。

 バニーガールの衣装に身を包んだ葉月。

 バニースーツの中から、胸の大きな谷間を覗かせる。


 くるっと回って、尻尾があることもアピール。

 少しお尻を振って、恥ずかしそうな顔をする。

 白いフワフワのうさぎの尻尾・・・・。


 僕は、それを見て、息を飲み。凄くドキドキする。


 「ど、どう、かな?輝君。」

 葉月の瞳はまるで本物のうさぎのよう。お尻を振ってアピールをしていたのだろうか、少し恥ずかしそう。

 一気に、体中を駆け巡る僕の血液が沸騰しそうな勢い。

 「う、うん。と、とてもかわいい。」

 照れたように僕は言う。


 「あらあら、完全に輝君、ノックアウトしちゃったわね。」

 次に現れたのは史奈だった。

 史奈も葉月と同じ、バニーガールの格好をして、僕の横にピタッとくっつく。


 「ねえ、輝君。後で、良いことしましょうね♪」

 史奈も背は小さいながらも、大きな胸の谷間を覗かせる、いや、わざと僕に見えるような位置に回って、ニコニコと笑う。

 「ハッシー、こっちも見てよ。」

 同じようにバニーガールの服装をしている結花。


 結花は葉月と同じように少し恥ずかしそうだが、史奈と反対側の僕の隣にピタッとくっつく。

 同じように、大きな胸の谷間がのぞいている。


 そして、葉月と同じように、だが、史奈は恥ずかしがる素振りもなければ、堂々と、後ろの尻尾を振ってくる。

 そう、お尻を振りながら・・・・・。

 何だろう、完全に何かの技を食らった感じがある僕。


 そして。

 「ひ、輝君。ちょっと、私は、恥ずかしいけど・・・・・。」

 早織はドキドキしながら、同じようにバニーガールのコスプレをして現れた。

 同じように、大きな胸の谷間が早織からも覗いているが、早織は、それをアピールしようともせず、かといって、お尻を振って、うさぎの尻尾がついているアピールもしなかった。

 ドキドキしている、野うさぎ。まさにそのものだった。


 「ふふふっ、赤城さんたちに作ってもらっちゃったのよね。」

 史奈は赤城兄妹の方を向く。


 「は、はい。み、皆さん、似合ってます。」

 未来がキラキラした眼をしている。バニーガールの衣装を着た、憧れの生徒会メンバー、そんな感じなのだろうか。

 隼人はやっぱり僕と同じ、男の子なのだろうか。僕と同じような表情をして、どうしたらいいかわからない様子。


 「ふふふっ、そして、こういう衣装だから、加奈子ちゃんの下着を借りちゃったりして・・・・。」

 史奈がにこにこと笑うと、葉月と結花、そして早織が顔を赤らめる。


 加奈子の下着はバレエの衣装や練習着を着る想定もあってか、衣装と下着の部分が被らないように下着の面積が狭いものが多い。

 なれていない面々はやっぱり恥ずかしそうだ。


 そして。

 「お待たせ、輝!!」

 最後に加奈子が登場。


 胸の谷間は他のメンバーより小さく見えていないが。

 このバニーガールの衣装を誰よりも完璧に着こなす加奈子の姿があった。


 こういう衣装は、体のラインがどうしても見えてしまう。

 加奈子の、バレエの、綺麗な体のラインはより美しく仕上がっていた。


 「ふふっ、やっぱりこっちにして正解だったわね。メイド服を着た加奈子ちゃんを見て思ったのだけど・・・・。」

 加奈子の姿を見て史奈は笑っていた。


 「そ、そうですね、会長。輝君も喜んでくれたみたいですし。」

 葉月がそれに続く。


 改めて、バニーガールの衣装に身を包んだ、生徒会メンバーを見回す僕。

 最高の贅沢をしている、そんな気分だ。


 「この前日祭は、福引大会だけでなく、仮装大会とフォークダンスを兼ねているんだよね。」

 と葉月が説明する。


 「そう、私たちだけじゃなくて、皆結構、いろんな衣装を着ているの。」

 加奈子もニコニコ笑っている。

 「まあ、私たちは福引大会の司会もあるから、こんな感じの衣装ね。改めて、よろしくね♪」

 史奈がニコニコと説明し、頷く僕たち生徒会の一年生メンバー。



 そうして、僕たちは、文化祭の前日祭の会場まで移動した。

 当然、コスプレが好きな、赤城兄妹も衣装に着替える。


 有名なアニメのキャラクターらしい。

 「私たちは、文化祭の時もあるので、メインはそっちで。その、よろしくお願いします。花園学園グランプリ。」

 未来はそう言いながら、ニコニコと笑う。

 コスプレのキャラクターを演じられる未来。未来の衣装のキャラクターは礼儀正しい後輩キャラクターなのだろう、と、考察できた。


 「うん。よろしく!!」

 僕はそう言って、再び、皆と会場まで歩き出していった。


 前日祭には思い思いの衣装で、皆が歓談していたところに、僕たち生徒会メンバーが最後に登場したところで、会場のヴォルテージはさらに上がった。


 前日祭の会場は体育館だった。

 体育館は体育館棟と言って、校舎のような建物。体育館棟の1階はホールと講堂、そして、いくつか文化部の練習室がついており、校内合唱コンクールや、入学式、卒業式を行う部分。

 2階が普通の体育館だ。


 その2階の体育館部分に、仮で設けたステージがあって、そのステージの壇上に僕たちは上がったのだった。


 「皆さん!!お待たせしました!!これから前日祭恒例メインイベント、福引大会をやります!!」

 生徒会長である加奈子が少し元気な声を出しながら、挨拶をする。


 「「「キャーッ」」」」

 「「「やったー!!!」」」

 会場からの盛り上がりも最高潮。


 「そしたら、司会を変わっていただき、この二人にバトンタッチします!!」

 そうして、加奈子からマイクを渡される僕。そして、その横に立つ葉月。


 僕は、緊張していたが。

 「こ、こんにちは、福引大会の司会を務めます。生徒会の橋本輝です。よろしくお願いします。」


 「「キャーッ」」

 「「イェーイ!!」」

 そんな声がする、会場。大きな拍手が沸き起こる。


 「よ~く知ってるよ~!!」

 そんな声もちらほら。

 確かに、加奈子の推薦人、合唱コンクールの最優秀伴奏者賞で、よく知られていたのかもしれない。


 そして。

 「輝君と一緒に司会をやります、生徒会の花園葉月でーす。みなさーん、素敵な商品をゲットしちゃってくださーい!!」

 葉月はそう言いながら、笑っていた。


 そうして、僕たちは諸々の説明を行い。

 福引大会に入っていった。


 福引はシンプルで、学年、クラス、出席番号の3つの箱から、それぞれ数字の書かれている紙を取り出して、読み上げていく。


 「それじゃあ、行きますよ。まずは、家庭科部特製のお菓子で~す。」

 葉月がニコニコと言う。


 「輝君、箱から紙を取り出して、コールしてください!!」

 葉月の指示で、僕は箱から取り出した数字を読み上げて行った。


 「やったー!!」

 当選した該当者が壇上に上がる。

 景品を手渡していく、僕たち。


 他にも、ボールペンや、キャラクターのシールがあり、そして、この間の生徒会のミーティングで決めた、図書券、ギフトカード、食事券、任天堂ス〇ッチが当選者に手渡されていく。

 食事券やス〇ッチの時は該当者は最高に盛り上がっていた。


 「それでは続きまして、2等!!この県で1位、2位の宿屋に必ず食い込む。ホテルニューISOBEスイートルームペア宿泊券です。」

 葉月の言葉に一気に会場が盛り上がる。


 豪華な賞品に大盛り上がりだった。

 葉月の指示で、学年とクラスを読み上げる僕。


 「学年は、1年!!」

 「クラスは・・・。B組!!」

 司会を進めていく僕。


 「出席番号は、39番!!」

 僕はコールしたが・・・・・・。


 「・・・・・?」

 学年とクラスと出席番号、どこかで聞いたことがあるような・・・・・。


 「はい、1年B組39番の方・・・・・・。って、輝君じゃん!!おめでとう!!」

 葉月もびっくり。

 僕はポカーン。

 当たった感想をいうマイクが渡され・・・・。


 「あ、あの、ありがとうございます。すみません。僕も司会やってて、司会に夢中になって、出席番号とか、どこかで聞いたことあるなぁと思ったのですが・・・・・。」

 「ああ、確かに、そういうことよくあるよね~。」

 と葉月からチケットの入った封筒を僕に渡してくれた。慌ててポケットにしまう僕。

 まさか、自分が当選するなんて。と、思っていたのだった。


 「やったね!!」

 「おめでとう!!」

 との会場の声。


 そして、僕は深呼吸して。司会を進めるべく、次に切り替えていく。

 1等は当然、東京ディ〇ニーランド、同じように当選者を読み上げて行った。

 その当選者は、元気よく壇上に上がり、ピースサインでチケットをもらった。


 そして、いよいよ。特賞、理事長の慎一からのスペシャル旅行券。

 特賞を発表を始めるにあたって、理事長の慎一が登場。


 「皆さん、楽しんでいてくれて何よりです。日ごろお世話になっている地域の方々に感謝を込めながら、最高の文化祭にしてください。来場者の中には、未来の後輩もいます。この学校に入学したいと思えるように、よろしくお願いします!!」

 挨拶を述べる慎一。

 そして。


 「それではお待ちかね、旅行券は、私もいいものを手に入れました。なんと、沖縄です!!沖縄の一番有名なあの宿の旅行券が手に入りましたよ!!」

 慎一の言葉に、会場のボルテージは最高潮に達している。


 「はい、ありがとうございます。」

 「うわぁ~すごーい。私も行きたーい!!」

 僕と葉月は会場の仲間と同じように飛び上がっていた。


 「それでは、特賞は理事長に引いていただきましょう!!」

 と、僕はアナウンスして、慎一はにこにこと笑いながら、箱に手を入れる。


 「学年は2年!!」

 慎一の取り出した紙を読み上げる。

 高校2年らしき生徒は盛り上がった。


 「クラスはC組!!」

 さらに慎一は箱の中へと手を伸ばす。

 C組と言えば、葉月たちのクラス。これは、2等を当てた僕に続いて・・・・・・。


 1クラスの人数は39人まで。40人を超えるともう一クラス作らなくてはいけない暗黙のルールがある。つまり、39人に絞られている。

 葉月か、加奈子が来るのか・・・・・・。

 葉月は、花園で出席番号はやや遅い方、加奈子は、井野、で出席番号は当然早い。どうだ。


 さっき、一緒に喜んでくれたんだ、一緒に喜ぼう!!そう心に刻んで、祈りながら待っていた。


 慎一は、出席番号の紙を僕に渡してくれた。

 「出席番号は、33番!!」

 僕は元気よくコールする。


 割合遅い方。葉月にワンチャンあるか・・・・。だが、葉月の反応は外れたようだったが、すぐにニコニコ笑っている。


 その理由がよくわかった。


 壇上に現れたのはよく知っている人物だった。

 いや、正確には壇上の手前で戸惑っている。


 特賞の当選者は風歌だった。

 緑風歌。緑の‘み’、ということで、出席番号もこのあたりになる。

 心音に引っ張られて、ステージの手前に連れて来られる風歌。

 C組のメンバーとコーラス部のメンバーも一緒だ。


 恥ずかしがりながら、壇上に上がるか迷う風歌。


 「おめでとう、風歌!!」

 僕は壇上手前に居る風歌に気付き、手招きをする。

 僕に気付き、安心して、壇上に上がる風歌。


 「あ、あの、ありがとうございます。う、嬉しいです。」

 そういって、簡単な感想を言って、風歌は慎一から沖縄の旅行券をもらった。

 風歌にとって、これが精いっぱいだろう。


 しかし、旅行券を受け取った風歌はものすごく笑顔だった。


 こうして、福引大会は終了して、フォークダンスに入る。

 何人かとペアを組みながら踊る僕。


 当然、その中にはバニーガール衣装の葉月たちも含まれる。

 「やったね、輝君。」

 葉月は笑いながらニコニコと声をかける。


 「ありがとうございます。」

 僕はそう言いながら、笑った。


 加奈子ともペアを組む。

 バレエが特技ということもあって、フォークダンスをリードしてもらう。


 「こうやってやるのよ!!」

 加奈子はそう言って、ニコニコと笑って、見本を見せつつ、僕もやってみる。


 その後は、何だろうか、加奈子の指導のおかげか、とてもうまく踊れている気がする。


 「輝君のピアノでのリズム感も持っているからだよ!!」

 と葉月。

 「私もそう思う、ここまで上達する人いないよ!!」

 加奈子も頷く。


 「しっかし、部長!!おめでとうございます。最高の準備をして、お迎えしますので、いつでも来てくだせぇ。」

 義信の言葉に再び、福引が当たった嬉しさがある。

 改めてポケットを確認すると、そこには、義信の祖父母が経営する、この県内で1位、2位の常連、ホテルニューISOBEのチケットがあった。


 前日祭はこれにて終了。

 文化祭へと突入する。花園学園だった。


最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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本当に、皆さんのリアクションが励みになっています。ありがとうございます。


今回は、バニーガールの衣装でしたね。

そう言えば、バニーの日というのがSNSで話題になってました。

何日か遅れてしまいすみません。

SNSを開いて、今知りました。



●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

 1.忍者翔太朗物語~優秀な双子の兄だけを溺愛する両親のもとで奴隷のような生活をして育った忍者のお話~URLはこちら↓

 https://ncode.syosetu.com/n1995hi/


 2.元女子魔道学院に異世界転生した男子の僕が入学するとどうなるのか?⇒なかなか更新できず、すみません。

 https://ncode.syosetu.com/n7938ht/


3.只今、構成中。近日アップします。

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