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103.生徒会の気合入れ


 各々2学期の中間試験を終えて、生徒会室に集った、生徒会メンバーたち。

 その中には、早織の姿もある。


 「さあ、試験お疲れ様。ここから一気に文化祭準備、そして、体育祭、文化祭という流れになります。今まで準備した分、精一杯頑張りましょう、そして、私たちも楽しみましょう!!」

 生徒会長の加奈子の言葉。

 その言葉に、一気に拍手が鳴り響く。


 ここから僕たち、生徒会メンバーが力を発揮する時である。


 「そして、連絡があります。夏休みから仕事を手伝ってくれた八木原早織さんも、生徒会に入ってもらいます。本人には前から伝えてたけど、基本的には輝君と一緒に、書記の手伝い、そして、お店に努めていることから、結花ちゃんの会計のサポートなど、横断的に見てもらいます。」

 副会長の葉月から連絡があった。


 こちらも、満場一致で反対意見は勿論なし。

 早織には、僕がコーラス部の手伝いや、コンクールで不在の中頑張ってくれていたのだった。


 早織が立って、挨拶をする。


 「八木原早織です。家庭科部と兼任ですが、頑張ります。これからもよろしくお願いします。」

 パチパチパチパチパチパチ!!

 拍手が鳴り響く。

 早織も、すらすらと自己紹介と挨拶をすることができた。


 勿論、それは当然で、生徒会メンバー全員、早織のことはもちろん知っている。

 にこにこと挨拶を務めた。


 「八木原さん、ヨロシクね。そして、ごめんね。メイド喫茶のメニュー、ほとんど自分で作ってくれたみたいで。私たち、メイドの衣装にかかりきりになっちゃったし、ハッシーもコンクールで忙しかったりで。」

 結花が頭を下げる。

 結花の言葉に僕も一緒に謝る。


 「ごめん早織。メニュー一人で、頑張らせちゃったね。」


 「いいの、いいの、気にしないで、皆も簡単に出来るメニューだから。後で教えるね。」

 早織はそう言いながら、ニコニコと笑う。


 本当に申し訳なかった。

クラスの出し物、メイド喫茶のメニューに関しては、いくつかのメニューの候補を早織からlineでもらっており、僕たちがそれにOKの返信をしたくらいで、早織とA組、B組、C組の家庭科部員が中心となって、任せっきりだった。


 準備もしつつ、早織のサポートを頑張らないとと思う。


 その他、葉月と加奈子から、それぞれ諸連絡を共有する。


 生徒会の仕事は準備と片付けが大変で、その他、体育祭、文化祭が始まってしまえば、生徒会の企画イベントを取り組む感じだ。


 ここから準備が忙しくなるのだが。


 「と、言うわけで、諸々の準備は明日からにして、今日は、生徒会の気合入れ、兼、前夜祭。」

 加奈子は笑う。

 「ふふふ。皆、気合入っているわね。それじゃ、せーのっで。」

 史奈はニコニコ笑いながら、僕たちの目を見回す。


 僕たちは、クラッカーを取り出す。

 「せーのっ!!」


 ポーンッ!!と鳴り出すクラッカー。


 「「「お誕生日おめでとう!!葉月!!」」」

 僕たちは声を揃える。


 「へへへっ。ありがとう!!」


 そう、諸々の準備は明日からの準備デーからできるもの。

 今日は、生徒会の気合入れ、兼、葉月の誕生日会を行うことになっていた。


 10月の中旬生まれの葉月。ちょうどこの日が誕生日だった。


 ちなみに、古典の旧暦ではこの時期はギリギリ8月。

 現代の時期でも少し暖かい。暖かい時期に生まれてきたかったのだろう、8月の暦、葉月が名付けられた。

 理事長の慎一、つまり葉月の父親曰はく。葉月、そして姉の弥生も、出産予定日はまだまだ先であって、生まれたときの体重が小さかったらしく、保育器の中で数週間過ごしたとか。


 故に生まれたときの時期にこだわりたかったのか、それぞれ暦が名付けられている。


 早織がいろいろと作ってきてくれたお菓子を出される。

 そして、各々、生徒会メンバーで、プレゼントを渡すことになり。


 僕は・・・・・。

 そう、加奈子の誕生日の時に原田が加奈子にプレゼントした、香水スプレーを渡したのだった。

 コンクールの練習の時に原田に、どこの売り場にあるか教わって。


 「おう、ヨシッ、そう言うことなら、教えてあげよう、少年!!あの香水も、葉月ちゃんとおそろいなら、加奈子ちゃんも使いやすいしな!!」

 と、原田は元気に、ノリノリで言っていた。

 ちなみに、原田は葉月のことも知っている、夏にみんなで海に行ったということももちろんなのだが、葉月はもともと加奈子と一緒に小さい頃は、原田のバレエスタジオに通っていたのだ。


 そうして渡した香水は、葉月は勿論喜んでくれたし。

 加奈子もお揃いで、さらに喜んでいた。


 「輝君、最高!!本当にありがとう!!」

 葉月はプレゼントを開けてニコニコ笑う。

 そうして、慣れた手つきで、シューッと吹きかける。


 「ふふふっ。私とお揃いで嬉しい。」

 加奈子もプレゼントを見た瞬間喜んだが、少し考えて、僕の耳元に近づき。


 「輝、コレ、原田先生に教えてもらったでしょ?」

 加奈子は鋭い目つきで僕に囁く。

 縦に首を振る僕。


 「そうよね。でも、嬉しい。少し、私の持っているものとお揃いにしてくれて。」

 加奈子はにこにこと笑った。

 確か、加奈子は使い方を原田に教えてもらっていた。


 そんなこともあってか、コンクール前からだろうか、練習の後、中間試験の勉強会の後。

 例のひと時。

今までは、バレエの練習の汗の割合が多かった加奈子からは良い香りがしていた。


 そうして、生徒会の気合入れ、兼、葉月の誕生日のひと時は過ぎていき。


 「さてと、時間も遅いし、お開きにしましょう。」

 史奈の提案で片付けに入る。


 「そして、葉月ちゃんの誕生日なので、今日だけは、明日からに備えて、私たちはまっすぐ家に帰るわね。葉月ちゃんはどうする?ゆっくりしていていいわよ!!」

 史奈がさらに続けると。


 葉月は頷き。

 「はい。そしたら、お言葉に甘えて・・・・・。」

 そして、僕のもとに近づき。

 「輝君、私と一緒に帰ってもいい?」

 葉月の言葉に僕は頷く。


 そうして、皆が帰るのを見送り、僕と葉月は一緒に帰ることになった。

 やってきたのは葉月の家、つまり、理事長の家。


 「今日は文化祭関係やその他の仕事で、パパも遅くなるって言ってたし。」

 葉月は僕を部屋に上がらせ、そして。


 2人きりで、抱きしめ、お互いにキスを交わす。

 にこにこと笑う葉月。


 「文化祭、頑張ろうね!!」

 こくりと頷く、僕。


 「私も頑張るから、輝君の元気をください。」

 葉月は耳元で囁く。


 生まれたままの葉月の姿。

 大きな胸元の谷間も露になる。

 何度も見てきたが、ドキドキしてしまう。


 その後どうなったかは言うまでもない。

 僕たちはお互いに、文化祭に備えて、元気と勇気を分けていた。


 2人だけの時間という、本当の誕生日プレゼントをもらった葉月は少し元気な表情になっていた。


 やがて、葉月の父である、理事長の慎一も帰宅し、服を着替えて、食事の時へ。

 葉月の誕生日を慎一も心から祝っていた。

 そして、僕も理事長に近況を報告して、葉月に見送られながら、帰路に就くのだった。


 花園学園最大イベント、体育祭と文化祭がいよいよ始まろうとしていた。


最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

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●現在執筆中の別作品もよろしければご覧ください。

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