1.次の指揮者候補
元女子校での恋愛、冒険の始まりです!!
楽しみながら、書いていきます。
■改訂履歴
・初めて出てくる登場人物、固有名詞にフリガナを入れました。
・誤字の訂正は見つけ次第修正します。こちらの履歴には載りませんのでご了解ください。
反町高校合唱部は次の指揮者候補についての議論の真っ最中だ。
「おそらく、橋本か安久尾だろう。合唱部に入る前の中学時代のピアノコンクールの成績も、そして、現時点の学校の成績も飛びぬけて優秀だ。」
「異議なし。」
「俺も。」「私も。」
そういう声が、大半だった。
次の指揮者候補は橋本と安久尾。この合唱部は、高校二年次から、各学年に一人、指揮者を選ぶのが伝統だ。
一年次の夏のこの時期。文理選択と同時にこの話題が必須になる。
「その、橋本君にするか、安久尾君にするかどっちかで迷うんだよね・・・・・・・。」
「確かにな・・・・・・・・。」
一つ上の先輩たち、つまり二人のうちどちらか一人を指揮者に指名できる権利を持つ人も悩んでいた。
この二人であれば、昨年逃した、全国大会への切符を再びつかみ取ってくれるかもしれない。そう思っていたが、どっちもどっちで性格に難があった。
橋本の方は陰キャで普段は本ばかり読んでいる。
そして、安久尾の方はというと・・・・・・・。
「当然、この俺に、指名が来るんだよ。未来の音楽家か、未来の大物政治家である、この僕と友達になったほうがお得だぜ!!」
指揮者候補の一人。安久尾五郎は、今日も部活の練習終わりに、自ら設定した合コンで、得意げに自己紹介をしていた。
合コンといっても、高校生ということで、カラオケボックスでだ。
そして、自慢の歌をことごとく披露して、参加してくれた女の子の心をつかむ。
そうして、合コンが終了したとき。
「みんな、今日は来てくれてありがとう。安久尾五郎をこれからもよろしくな。」
とウィンクして、迎えに来てくれた使用人の高級車に乗って、彼の住んでいる、隣町へと帰路に就いた。
合コンに参加した、女の子の目は当然ハート型に輝いていた。
これが安久尾五郎の日課だった。
音楽の技術はもちろん、カリスマ性があり、みんなを引っ張っていくスキルが飛びぬけて高い安久尾五郎。だが、そのチャラさと問題行動が、指揮者指名として決定するか否かを迷わせていた要因だった。
彼の叔父は、この地域で知らないものはいない、隣の市にある、安久尾建設の社長だ。そして、彼の父は隣の市の選挙区選出の国会議員だった。
そして、反町高校があるこの地域。ここの小選挙区で選出された国会議員は、安久尾の父が秘書を務めた、超大物議員で現在、与党の幹事長を務める大物だった。そして、その幹事長の弟が、現在の反町高校の理事長。
ちなみに、この地域の名前は反町市。つまり、安久尾と反町が実質的に権力を持った、超保守王国と呼ばれる場所だった。
周りの大人に敵なしの安久尾五郎が自らの立場を鼻にかける性格になったのは言うまでもなかった。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。
まだまだ、プロローグの段階なので、これからの連載を楽しみにしてくれると嬉しく思います。
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