警視庁お庭番科~特務規定室~
「暇だぁ~」机に顔をうっぷしながら何も描くことのない交番日誌を眺めている。私、甲坂 ナノは数年前までピチピチ(死語からの~)のJKだった。「あーあ、特務室~禁断のキミと僕~なんてBLに憧れたばかりに警察官を目指したのがそもそもの間違い」スマホの画面を見る。そこには合コンしまくり子作りしまくりの大きなお腹の親友が「なーにがあたしらの心は“腐“の一文字よ全く………イイママやってんじゃん」目の前に杖をつくお年寄りがチャンスとばかりに「おばあちゃんどうしたのおんぶしようか?スーパーまで!」手を差し伸べるものの「大丈夫歩く訓練だからそれに“これ“もあるし」そこには目薬のようなモノが口の中へ一口垂らす………するとおばあちゃんが若返り二十代の女性へ「ありがとうね、一日一滴数時間、急いで買い物しないと」女性は走りスーパーへ政府が配っている“リタノイド“とよばれる飲み薬体の細胞を活性化させる。老化防止剤だ。「開発から数年ですごいな」多量の服用は寿命を縮める。まぁ人によってはお構いなしで“ヤンガーズハイ“なんて老後が数年で実質老衰を選ぶ人も多い。おっとスマホに着信「知らない番号だ………迷惑電話かな?もしもし」………非番の日「警視庁に呼ばれるなんて………日誌飛ばして書いたのバレたかな」あのーと受付へ「お待たせしました(あらイケメン俳優?男優?)みすぎくーん)どうかしました?」「いえなんでも、それでお話とは」「ここでは何ですから此方へ」警視庁の奥へ奥へ大奥へ「資料室?」中へいかがわしい事へ息チェックしていると本棚を通り抜ける?!「こっちですよ、大丈夫ホログラムですから痛くありません」通り向けるとそこは茶室だった。そこには忍び装束のおじさん、女スパイのようなチャイナドレスの女性、VR度変態ズボラ女の子(心で握手会)の計三名様、禁煙席で~す。がいた「室長お連れしました?!って人見知りかよ」わら人形の変わり身がその場に残っている「いつもの事でしょう。よしいい男ゲットだぜ。身内に不幸が有給よろー」風の如く吹き抜ける「へへーパルナちゃーん攻略攻略(心で感じられたら仲間~♪)」資料を取り出しながら「キミには“近衛 五月雨“の護衛をお願いしたいんです」近衛?!?誰?!テレビやネットでは聞いたことない大企業の御曹司or隠し子なのかな「甲坂さんは“リタノイド“知ってますか?………」「えぇ、確か数社の企業が支援して出来た組織が開発した物。なんていったかなその組織名うーんとケリーに首ったけ?」「“けりくう“です。正式には“研究理解学空間基底保持局“通称“研理空“そこに所属する社員の護衛を甲坂さんにはやっていただきます」資料に一通り目を通すと「何で、私何ですか?警視庁なら治安部隊とか公安局とか護衛や諜報が特異な者は選び放題なのでは?それに研理空とはいえ一般の社員の護衛は民事に介入しすぎではお知り合いの気のいい警備会社にでもお頼みになった方が」立ち上がろうとする甲坂の両肩に手を置き「な、何ですか?パワハラ?セクシャルハラスメントですよ?弁護士呼ぶ!」怒りに満ちた目を向ける(やばやば、男子に触れられとるたーかなる鼓動が伝わってー(内心)『へ?』)そこには土下座かますイケメン俳優警察官(これはーこれでー親愛感)「隠密に穏便に見守ってほしい。例え“殺されても“」最後の一文で重みが変わる「殺されても?どういう事かは勿論聞けるんですよね」土下座のまま「それは引き受ける?そうとっていいかな」顔は変えずに口だけ動く「話せないならこれで!交番日誌が残っているので」せきを立つ甲坂に「数カ月前、研理空で遺体が見つかった。死因は出血性ショックによる心不全………遺体には大きな爪跡が残る。然しそれほどの傷が人にいや動物にはつけられない、資料の社員と同じ研究チームにいた方ですよ」それで護衛か「命かけろって事ですか?殺される覚悟も必要ですよね………いいですよ」即答する甲坂に「考えてほしいと心では思いますが………隣の部屋へ」扉が開くとそこには幼さが残る青年がいた。「彼が護衛対象の近衛君だ」すぐに立ち上がる少年「近衛 五月雨です………よろしくお願いします」小太りなぼやったいガキ(私と同じで社会人に成り立てかなかな)「何か不味かったですか、そのあんまり」話を遮るように視線をイケメン俳優警察官に「二十四時間ですよね」「えぇ完全看護ですよ」…………「あのお風呂とトイレはコッチです。ベットはどうぞ」そういう近衛に「お風呂はお先にどうぞ、トイレだけは行きますがアタシが用を足す際は必ずトイレのそばに、ベットは万が一の為、添い寝します…………」「それってさすがにやばいのでは」「彼女、嫁、母親、姉、お手伝いさん、家電製品程度におもってください。警視庁から自宅まで複数の視線とあわよくばやる気満々の殺意が滲み出ていましたよ、普通に生活していてもたまに感じますけど、ここまで酷いのは珍しい、まぁ中にはそうそうこないかな?楽しい同棲ライフ満喫しーましょ」……(眠れない眠れない後ろには甲坂さんがいる寝息もする。後ろ髪に当たる)布団を被ろうとすると「寒いんだけど」甲坂さんのモノが当たる大きくはない「背中のガッカリ感、傷つくんだけど………」しっかりと腕を回され横回転?天井から衝撃すぐさま首根っこ掴まれる近衛視線は煙の中へ「今回、楽な仕事じゃないのかよ聞いてたのと違うんすけど」大きな金棒担いだ金髪ガングロギャルが風船ガム膨らましている「護衛付けたみたいね(サングラスをあげながら金髪をたくし上げる)イレギュラーは必須条件よ。コノセカイじゃね」女の子!モテキかモテキが「匿名希望18さい………ピチピチの男の娘で~す(スカートを捲し上げる)よろ死んでね♪」いや穴はもう一つ………えっ「刺客!!」頭の回転速度に「やめときなさいアブノーマルは……その先は天国じゃないかも、20さい以下業界は人手不足なの、お家が貧乏なの?」その言葉に「うち?うちは駄目よ“私以外ヤッチャッタカラ“愉しーの血がねーぶしゃーってとてもとても(涎を垂らしながら)あったかいの鉄の匂いが何ともいえなくてねーあなたの血はあったかいかな?!」凄まじい殺気を感じる。やばい対象を離してとっととトンズラしたい。近衛を自身の背後へ一旦置く。一瞬たった一瞬目を離した危ない野郎の隣がいない。真後ろから「私は女よ!アラサーだけど」近衛君に必中の一撃首を狙う(仕留めた)アラサーの頸基に激痛力が抜ける。一旦引くアラサー「すご~い咄嗟に対象をテコの原理に使った力点だっけ?」隣に立つアラサーが「作用点に使ったの!一つ間違えばオウンゴールよ。今度は二人で仕留めるわよ!ここへ来て5分たつわ」時間を気にするのは此方には好都合だ!「少し部屋汚すけど許してね❤」壊さない程度にと近衛君の許可を取る。手の平を前方へ「何?正義の味方ごっこかよそんな!?」金棒男の娘と甲坂の間に拳撃カーンカーンと音が響く「だいぶ、小さいわね、視力はいい方だけど(落としたモノを拾う)透明度がかなりたかい(蛍光灯に近づける)正体見たりってね」そこには薄く長い針のような武器?!があった「神経毒かな?これは」自身に刺し確かめる「毒の量もよく調整してある」刺した針を引き抜き甲坂の方へ放る「暗器使いねぇ?忍者の末裔とかかな」「同族なの?」「さぁね!知らないけど」………ウチは忍びの家系だ。服部とか風魔とか霧隠なーんて有名処じゃない。諜報、潜入が得意な小さな名もない一族だった。甲坂って名字も爺ちゃんの世代に変わった新しい方だったかな。闇に紛れ強いものとは争わず忍びの中の底辺を生きてきた一族。それがあたしんちなのだ。だから暗器の類はしこたま扱ってきた。ヒビリな一族なもので特に念入りにね気配の察知、護身術は間合いを狭く、一撃必殺の暗器を添えて