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07 特殊スキル!!


 七話  特殊スキル!!



 タワシ型の魔物たちがプレゼントしてくれたこの衣装・スウィートドレスに付与されていたスキル【自動回復】のおかげで今まで肌が荒れていた薬草パンパンも平気に。 

 私のパンパン効率はかなり上がってきていたのだが、ある日ピンチを迎える。



 「ーー……え、本当ですか?」



 薬屋店内。 カウンターに立つおばあさんが私に大きく頷く。


 

 「うん、ごめんね」



 何があったかと言うと、今は戦争時代……薬草はいくらあっても困らないものだったがここ数日私がパンパンで大量に持ってきすぎたせいもあり、店の倉庫が満タンになってしまったとのこと。

 そのため、薬草はこれ以上在庫を抱えきれないので売却のみNGとなったのだ。



 「他の特殊な薬草とかなら大丈夫なんだけどねぇ……」


 

 おばあさんが申し訳なさそうに私を見る。



 「他の薬草?」


 「そう。 例えば……【毒消しの薬草】や【麻痺消しの薬草】……あとは希少にはなるんだけど、どんな状態異常も治してしまう【万能薬草】とかだね」


 「ちなみにそれってこの辺生えてます?」


 「うーーん……お嬢ちゃんはレベルはいくつだい?」


 「1です」


 「え……1?」


 「1です」



 私のレベルを聞いたおばあさんは手をおでこに当てて深くため息。



 「それじゃあ無理だねぇ」


 「え、なんでですか!?」


 「この村から少しいった先にヘルムート樹海っていう大きな樹海があるんだけどね、特殊な薬草はそこに稀に生えてるんだよ。 ーー……でも」


 

 おばあさんがゆっくり私を見つめる。



 「でも?」


 「そこにはその……強くて凶暴な魔物もいるって話だからそのレベルじゃあ危険だね。 せめてレベルが15〜20はないと命の保証はないよ」


 「ーー……なるほど」



 その後私は薬屋をあとに。 



 売ることのできなかった薬草を片手に宿屋へと帰宅。 手持ちにあるお金を数える。



 「ーー……あと1週間は泊まれるな。 てことはそれまでにお金をどうにか稼がないと」



 私は途中寄った雑貨屋の商品を思い出す。

 あの中で売れそうなのは薬草の上位互換・回復薬なんだけど、あれは大きめの瓶に入ってるからパンパンし辛い。

 万が一パンパンしすぎてパンツが破れちゃった日には私にとって死活問題だ。

 それと似た理由で武器のパンパンも却下。



 「んんーー……」



 私はベッドの上で腕を組みながら考える。



 「やっぱり魔物討伐報酬に期待するしかないのかな……」



 このままじっと考えていても時間の無駄だ。

 私は早速あれ以来使っていなかった短剣を握りしめ、魔物討伐をすべく宿を飛び出した。




 ◆◇◆◇



 

 「いやああああーーん!!!」



 魔物を探しに村はずれの茂みの近くを歩いていると、前回木の実をあげたタワシ型魔物たちと再び遭遇。

 ピギャーと鳴き声をあげながら私に木の実を迫ってくる。

 私はそんな魔物たちから全力で逃げ回っていた。



 『ピギャアアーー!』

 『ピッギャア!!』


 

 「もぉーー!! 今日は木の実ないよーー!! 私、魔物を倒しにきたのーー!!!」



 『ピギャアーー!!』

 『ピギャアアー!!』



 私は全力で逃げるも体力は向こうの方が上。

 後ろから大量に突撃された私はそのまま前に転倒。 タワシ型魔物たちに押しつぶされる。



 「ちょっと重い! 重いってば!!」



 『ピギャアアー!!』

 『ピーーギャア!!』



 「じゃ……じゃあこうしようよ、君たちの中の誰かが餌になるものを持ってきてくれたら、それを私が増やしてあげるから!!」



 『ピギャ!?』

 『ピギャピギャ!!!』

 『ギャギャギャギャッピ!!』



 私の声を聞いた魔物たちが互いに顔を合わせて会議を開始。

 誰か食べ物を持っていないかと問いかけ合う。


 結局誰も持っていなかったため魔物たちは周囲の食料探索へ。

 私は言った手前その場から離れたら次に何をされるか分からなかったのでその場でしゃがみ込み、魔物たちが餌を持ってくるのを待った。



 『ピーーギャアア!!!』



 一体のタワシ型魔物が私の前へ。

 口に加えたものを私の前に落とす。



 「ーー…おえ」



 私の目の前に落とされたのはくねくね動くミミズ。

 こんな気持ちの悪いものパンツの中に入れられるわけがない。



 「却下。 他の」


 『ピギャア!?!?!?』



 ショックを受けたタワシ型魔物がトボトボと再び捜索へと戻る。

 しかし今度はさっきの魔物の後ろに並んでいた魔物が私の前へ。



 『ピッギャア!!』



 私の前に餌を落とす。



 「バッタ無理。 却下」


 『ピギャアアア!?!?!?』


 

 その後も次々と餌を見つけた魔物たちが私の前へ。


 

 「カエル無理。 却下」


 『ピギャアァァ……』



 「蜘蛛も無理。 却下」


 『ピギャ!?!?』



 「ーー……さっきミミズダメって言ったじゃん。 却下」


 『ピーーーギャァァァア!!!!』



 多くのタワシ型魔物たちが絶望。

 周囲に暗雲が立ち込める。


 そんな時だった。



 『ピッギャアア!!!』



 私の前に置かれたのは前回私があげた木の実。

 


 「やっとだね。 うん、じゃあ増やすから待っててね」



 『ピギャアアアアア!!!!』

 『ピギャピギャ!!』

 『ピッギャアアアア!!!』



 魔物たちの空気は一気にお祭り状態に。

 それから私は木の実を無数にパンパン!!

 増やした木の実を魔物たちに与えていく。



 『ピギャピギャピギャアアーー!!!』 

 『ピーギャーー!!』



 なんだろう……こうして食べてるところを見ると、なんか可愛く思えてくる。

 ペットって感覚に近いのかな。



 「ほら、まだまだパンパンするからまだ食べれる魔物ちゃんはどんどん食べてねー!!」


 『『『ピッギャアアア!!』』』



 こうして私は夕方までパンパン。

 タワシ型魔物たちが満腹感からその場で横たわっているのを見ていると突然ステータス画面が目の前に表示される。



 ●多くのタワシ型魔物たちからの好感度が得られました。 これにより特殊スキル【魔物召喚】を習得。 タワシ型魔物を呼び出せるようになりました。




 「ええええええ!?!?!?!?」

 


 

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[良い点] あ、これ強い(確信) いいね! 最高なスキル。 タワシ型魔物がかわいいw [一言] なんとか追い付きました! 面白かったです!
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