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龍魂  作者: 熟田津ケィ
―拒絶する島―
595/689

―地上へ―


「光だ!!」


レイズたちは、鉄の扉への進行を断念して地下道を進んでいた。

先は行き止まりかと思いきや、意外にも出口のような光が見えてきたのだ。


さらに進むと、光の下に階段が見えてきた。


「やっと出られるぜ!」

「あぁ!ここともオサラバだ」


レイズとバージルは走り出そうと足早になる。それを見て、マリナが注意する。


「落ち着いて!いきなり攻撃がくるかも」

「っと……」

「そうだな。ゆっくり行こう」


湿っぽいこの空間から解放される。その喜びを抑え、速度を落とす。

敵が出口間際で待ち構えている可能性だってある。


レイズたちは出口付近の階段に固まり、各々武器を取る。

龍魂の気配は感じられないが、力を抑えているだけかもしれない。決して油断はできない。


レイラは仲間たちに頷いて見せ、手鏡を取り出した。

仲間たちも彼女の意図を理解し、頷き返す。


「…………」


ゆっくりと出口の端から手を伸ばし、鏡の反射で外を観察するレイラ。


(雑木林……ですかね?)


多種多様の木々が生い茂る。

一応人が通れそうな道はあるが、使われているのかは謎だ。


先日島に突入し、やられた時よりは内部そうに見える。だが、まだまだ島の中心部からは遠いと思う。

地下道を延々歩かされたし、そう易々と中心部に行けるとは思っていなかったが。

今思えば、あの扉は敵がショートカットするために使っていただけの通路だったのかもしれない。

よって、侵入者である自分たちは使うことができない。封じられているのか。


(……敵は……いない?)


レイラは手首に角度を付け、周囲をぐるりと観察する。隠れられる木々が多く、鏡の反射だけでは敵の有無を完全には把握できない。ただ、見える範囲に敵はいない。


「……確認できる範囲に敵はいません。中心部から離されているみたいです」

「そうか。転移装置は中央直下だったのにな」

「散々歩いたしな……それで離されたのか」


敵との戦闘はまだ先。その事実に、少しホッとしているレイズとバージル。

遅かれ早かれ戦うことになるため同じなのだが、今は気が抜ける。


「……道が伸びています。行きますよね?」

「あぁ。僕たちは中心部に用がある」


リゼルは武器を収め、そこから手を放す。

その背後で、マリナとミーネが胸を軽く叩いている。


「あぁ~いよいよかぁ~……」

「大丈夫……勝てる……」


やれることは、全てやってきた。

あとは、臨機応変に戦っていくだけだ。


「……行くぞ」


リゼルたちは、最後の地へ足を踏み入れる。

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