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龍魂  作者: 熟田津ケィ
―霊峰と空―
566/689

―本物―

フランバーレの剣を破壊してからのレイラ。

かなり調子が上がっているようで、かなりの高威力な技を連発している。


強い、と驚嘆する一方で、不安になるレイズたち。


(レイラ……平気か?)


強くなったのは喜ばしいが、あんなに消費して大丈夫なのか、純粋に喜べないのが実状だ。

特にリゼルは、気が気でなかった。


(……飛ばしすぎだ。後先見えているのか?)


戦況的には有利で、フランバーレをやや押している。

しかし、高い龍力レベルで激しく動き回っているため、反動が心配だ。


唯一の救いは、まだ彼女らしく戦えていることだ。

荒れ狂う力に振り回されることなく、龍力を確実に扱えている。


大技をバンバン使っているのは気がかりだが、がむしゃらになっているわけでもなさそうである。

戦いは、ここで終わりではないのだから。

倒れてしまっては、困る。




リゼルたちの心配をよそに、レイラは猛攻を続ける。


「ふんッ!!」

「ッ!」


激しい攻防の中、フランバーレが攻撃する回数が減ってきた。

レイラの猛攻に押され、守り中心の戦いになっている。


しかし、フランバーレは焦っていない。


(凄まじい力……けど、いつまで『もつ』かしら?)


心の中で笑う彼女。


息が上がっている上でのハイレベルな攻撃。当然、龍力消費もバカにならない。

自分が防御に回っていることで好機だと考えているのなら、それは間違いだ。

防御に回す龍力を適切に判断、コントロールしていれば、大きなダメージを受けることはない。

せいぜい力を浪費しろ。無様に舞い狂え。




そして、自滅しろ。




……しかし。


「輝龍剣ッ!!」

「……!!」

「聖龍光烈剣!!」

「ッ……!!」

「聖光連斬!!」

「……!?」


落ちない。

龍力レベルが、全く落ちない。


フランバーレはだんだん焦り始める。


『普通』の龍力者なら、これだけの巨大な力を放出し続ければ、『飛ぶ』。

エネルギーがカラとなり、数日は起き上がれない。

それなのに、レイラはまだ立っている。戦えている。


一種のマヒ状態なのか?でないと、説明がつかない。

彼女に龍力の底はあるのだろうか。


「く……!」




フランバーレの焦りは、レイラにも伝わった。


(行ける……!!)


レイラのその猛攻を可能にしたのは、神龍レイだった。


彼女は自覚していないが、彼女の龍魂の精度は『完全なる龍魂』を超えつつある。

ただ、龍力の最高到達点が『完全なる龍魂』を超えていないため、周囲も気づかないのだ。


完全に無意識だが、彼女の龍力の使い方、構成と生成に変化が起こっていた。

いかに効率よく龍力を練り、身体に巡らせ、放出するのか。いきなりだと難易度が高いが、聖域でその土台ができていたため、その進化もスムーズだった。

また、体術に関しても、神龍レイが人間に宿っていた時の記憶がある。

戦闘の序盤で息を切らしてしまったが、後半ではその疲労を引きずることなく戦えている。


それら全てが関与し、レイラの戦闘能力を大幅に引き上げたのだ。





遂に、フランバーレのガードが飛ばされる。

衝撃で、右手の剣が宙を舞う。


「!」


彼女の龍力がレイラに負けた瞬間だった。


(これが……本物……!!)


体勢が崩れる。レイラと目が合う。

彼女は剣を振りかぶっている。次の攻撃が来る。だが、防御できない。間に合わない。


「終わりです!!」


フランバーレはレイラの強大な力を腹に感じながら、意識を失った。

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