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龍魂  作者: 熟田津ケィ
―試験―
542/689

―神と王―

神龍とレイズたち。

その戦いは数段レベルが上がっていた。


まず、火力の増大に伴い、戦闘範囲が広大化した。

レイズたちが丁寧な龍力の構築・生成を心掛けていることに加え、パートナーとの調整が効き始めたこと、フル・ドラゴン・ソウルを超越したことが加わり、場は今までにないほど乱戦状態となっていた。


それなのに、レイ似の男はレイズたちの技を受けては見切り、受けては見切りを繰り返し、適応してくる。


熱線を連発で撃つ時もあれば、レイズたち一人一人に目標を定め、重たい一撃を叩きこむこともある。



神龍という土台がある上に、戦闘技術も高い。レイに匹敵する強さである。


だが、こいつとレイが戦ってもレイに勝てるイメージが湧かないのは何故だろうか。

イメージだから、実際の結果は異なるかもしれない。だが、こいつよりもレイの方が恐ろしいとレイズは思いながら戦っていた。


「技を組み合わせろ!!変化を付けろ!!」

「はい!!皆さん!!単調にならないように!!」

「分かったよ!!けどな!!できるかは別問題だ!!」

「うん……!!」


リゼルとレイラの無茶な要求。

精一杯の返事をし、目の前のことに集中するバージルたち。


(間違っちゃいねぇ!が……!!)


レイ似の男は技をあっという間に見切る。

今までの敵とはその早さが桁違いだ。

したがって、同じ技では彼を捉えられない。よって、技を組み合わせて変化を付け、少しでも反応を遅らせようというのだ。


技の組み合わせといっても、土台は基本技や、一回見せた技。

適応されるのも相変わらず早い。戦闘は進み、複雑な技の殴打にシフトしていた。


「蒼雷翔龍!!」

「煉獄炎!!」

「月龍斬絶血!!」

「ハハハハハハハハハハ!!!!」


レイ似の男は、不愉快な高笑いをしながらこちらの猛攻を捌いていく。


「龍裂風!!」

「絶氷蒼龍剣!!」

「聖光龍鋭剣!!」

「ハハハ!!同じだぁあああ!!」


流石、神龍。

レイズたちの技や奥義をいとも簡単に捌き、かき消していく。


「くそ……!!」


まだまだ戦いたい気持ちはあるが、前半戦で大きく体力を削ってしまったこと、後半戦で激しい戦いに身を投じたことで、レイズたちの限界はそこまで近づいていた。


(……底なしかよ!!こっちは……)


バージルは龍力残量を予測する。

打てて、大技一発。

恐らくだが、仲間の龍力残量も、そう大差ない。



「そんなものか!?お前たちの力は!?」


その間にも、凄まじく重い剣を繰り出してくる。


「く……!」


剣で受けるには強すぎる。回避一択だ。


「ち、化物め……」


龍力を激しく使っていることで、リゼルたちの行動範囲が一気に狭まる。

先程までは、この広い戦場を縦横無尽に駆け回り戦いを進めていたが、もうそんな体力は残っていない。


追い込まれたのか、いつの間にかレイズたちは集合し、レイ似の男と向かい合うように陣取らされていた。


「「ハァ……ハァ……」」


息が上がり、大きく息をする仲間たち。


「みんな……」

「平気……?」

「ハァ……全ッ然だ……が……」


平気な訳ない。が、まだだ。


「諦め……ねぇよ……」


とは言え、神の力は絶大だ。

パートナーに加え、(扱え切れていないが)龍王の力があるとは言え、その差は歴然だった。


幸い、今はレイ似の男の攻撃が落ち着いている。

その間に何か考え、実行しなければならない。


「……おい。聞け」


リゼルが出した答えは、『龍力の合体』だった。

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