表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍魂  作者: 熟田津ケィ
―試験―
539/689

―激高の太陽―

熱線を放った大元であろうバリア内。

その中にいたのは、レイそっくりの人物だった。


「……!!」


驚くレイラたち。

考える間もなく、レイズがアレインの姿を認識すると同時に飛び出していた。


「あぁぁぁぁあああああ!!」


太陽が強く、激しく輝きだし、太陽龍のオーラへと置換する。


「……!!」


レイ似の男は少し驚いた顔を見せるが、レイズの攻撃を冷静に見極める。

そして、脇に置いてあったであろう古びた剣で彼の剣を弾いた。


「!!」


太陽龍と無属性の龍力がぶつかり、ビリビリと空間を揺らす。


「おい!どうすんだ!?」


レイズは真っ先に戦いに行ってしまった。

しかし、レイ似の男は攻撃を防いでいるだけで、攻めようとはしてこない。


「……あれはレイではない……が……」


姿はレイによく似ているが、動きや武器の種類は全くの別物だ。つまり、別人。

レイズは興奮していてそれに気付いていないようだが、リゼルはすぐに分かった。


ただ、無関係とは思えない。

なぜレイそっくりの男がここにいるのか?

なぜ熱線を放ち、自分たちを助けたのかは分からない。


「陽炎ッ!!」

「……!」

「レイズ!あれって……!」


今まで見てきたレイズの陽炎。一番威力が出ている気がする。

龍力の構築・生成が応用されていている証拠だ。


「様子を見る。あのバカが落ち着くまで、だ」

「それで、いいんでしょうか……?」


レイズだけが戦っているこの状況。

レイラ的には心配だ。


「あっちに殺意がない以上……あいつが落ち着くのを待っても良いかもな」

「あぁ。だが、戦える準備がしておけ。いつバリアが張られるかも分からない」

「えぇ」

「分かったわ」


レイ似の男に殺意がない。戦いを見ていても、レイズを潰そうと動いているようには見えない。

したがって、レイズのバカが落ち着くまで、リゼルたちは少し後ろで様子を見ることにした。

幸い、レイズも一対一を望んでいるのか、バージルたちを煽るようなことはしなかった。単に彼以外見えていない可能性の方が高いが。


リゼルたちは、フル・ドラゴン・ソウルクラスの龍力を解放した。


「この力……そうか……!」


その瞬間だ。

レイ似の男の雰囲気が変わったのは。


「……!!」


ゾク、と背筋に寒気が走る。

レイ似の男の目つきが変わり、龍力のプレッシャーが段違いに上昇する。

先程までは殺気は感じられなかったが、今はビンビンに敵意を感じる。


レイズは間近でその変化に触れた。


「ッ!!」


慌てて地面を蹴り、下がった。


(何だ……!!この圧……!!)


龍力レベルはかなり高く維持しているが、それでもビリビリ感じる。


「…………」


身体全体の震え。龍力の波長を整えるのが一気に困難となる。

パートナーが戦うことを拒否しているようにも感じる。


レイ似の男はそこで初めて構える。


「……お前たちだったのか。来い」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ