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龍魂  作者: 熟田津ケィ
―成果―
505/689

―本命―

イゾウ、イルザーラ、サフィーナを医務室に運ぶ時間と場所を作るため、やや大げさに攻めるリゼルたち。

スペースも存分に使い、彼らの意識をこちらに向ける。


ここに召集されているのは上の方の団員たち。流石の手早さで三人を運んで行った。


「……これで安心かい?」

「フン、黙っていろ」

「大袈裟に動かなくても、トドメは刺さなかったよ」

「信用できない」

「そうかい……ま、『はずみ』はあるかも、だしね」


殺意はない。が、ちょっとした龍力の狂いで殺ってしまうことは別に構わない、といった感じだ。


「……とにかく、僕たちが相手だ」

「姉さん」


クオルは振り返り、シェキナーを見る。


「えぇ。やっと、ね……」


毒々しいバブル。龍力も荒れるように激しい。悪意もそうだが、かなりの使い手だ。


「レイラは無関係だと言ったはずだ。目的はなんだ?」

「そうね……グランズはこっちにあるし、確認したいことだけ、あったけど、ハズレっぽいし……でも、今思いついたわ」


無数の泡が集まり、水になっていく。そして刃の形状を作った。

そして、レイラに猛スピードで飛んでいった。


「!」


レイラはそれをかわすが、かすったらしい。首から血が滴り落ちる。


「グランズの手土産にレイラの首を持って帰りましょう」

「ッ!!」

「させるかよッ!!」


レイズたちとシェキナーたちの龍力がぶつかる。

シェキナーもクオルも相当強い使い手だ。半端な力では太刀打ちできない。

イゾウ、イルザーラ、サフィーナの三人が頑張ったお陰で、レイズたちの気合も十分高まった。


「最初から全開だ!!一気に攻めろ!!」

「あぁ!」


リゼルはクオルに斬りかかる。

月龍の力と土龍の力がぶつかる。


「邪魔」

「!」


シェキナーの声が微かに聞こえたと同時に、ゾク、と身が凍るような感覚に襲われる。

反射的にリゼルはその場から離れる。その判断は正解だった。先程までいた場所に、毒々しい水流が発生していた。それも、高威力だ。


「ッ……」


リゼルは走りながら舌を打つ。

水流が治まった後、入れ替わりで仲間がクオルに斬りかかるが、どうも攻撃が通らない。


「くそ……!」


敵が二人。それも、かなり強い龍力者。

クオルやシェキナーどちらか一人に集中したくとも、それができない。

先ほどのように、クオルを止めても、シェキナーがフリーになるからだ。


次の作戦を指示しようと息を吸った瞬間、レイズが叫んだ。


「同時に攻めろ!!フリーにさせるな!!」


レイズの号令に従うのは癪だが、考えは同じだ。


レイズ、バージルは距離が近かったクオルに、それを見たレイラとマリナは、シェキナーに走る。


リゼルはそれを確認すると、走りながら思考を回す。

戦力的にはシェキナー側に行きたいが、さっさとクオルを片付けるのも悪くない。


バージルは風龍で土龍の技を止めやすい。マリナの雷龍は水龍を止めやすい。

相性バランスも良い。


それに、レイラはマリナと一緒だ。回復の術はあちらにある。

レイラと離れるのはできるだけ避けたいが、マリナも近くにいる。それに、いざとなればシェキナー側に行くことも可能だ。なら、自分はクオルを叩くべきだ。敵の数を減らす。これに集中しよう。


「だぁッ!」


レイズとバージルの攻撃を、クオルは器用にかわす。

彼らの龍力次第では、剣で受ける選択もしているようだ。


受けるべき攻撃、かわすべき攻撃を瞬時に判断、理解し、対応している。


戦闘技術、龍力ともに素晴らしいが、絶望的な差ではない。

龍界に行く前ならば絶望的な差であっただろう。しかし、今は違う。自分たちもここまでの高みにくることができた。


「最高の力を維持し続けろ!!」

「!……マジかよ!?」

「ち……やってやるよ!!」


リゼルも加わり、三対一の超有利な戦いが始まる。

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