表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍魂  作者: 熟田津ケィ
ー圧倒的な差ー
128/689

ーいこいの村コポマー

マリナが退院したと当時に、レイズたちはシャンバーレに出発した。

騎士団とは無関係を装っているため、皆思い思いの格好をしている。なんだか、新鮮だ。


「……俺らは変わんねぇな」

「あぁ。(騎士団の服は)何だかんだ楽だった」

「…………」


レイズ、バーバル、リゼルは騎士団の格好に似せている。

動きやすいし、お互い見慣れている。それに、新しいファッションの可能性をそこまで選ぶ気になれなかった。


レイラ、ミーネ、マリナの三人は結構雰囲気が変わった。


レイラは白を中心としたコーデだ。

本人はスカートをはいてみたい様子だったが、ミーネが止めさせた。

少しでも露出を抑えないと、リゼルに殺されると思ったからだ。


ミーネも、レイラと同じように明るめのコーデにしてある。

髪が青空色のため、黒やベージュ色はなんか違う感じに思えた。


マリナは、茶系のものを買ってきていた。

ダルトで見た服も、茶系だった。この色に慣れてるから、とのことだった。


彼らは馬車に揺られ、のんびりと進んでいる。



馬車の中で選んだ服の基準などを話していたら、シャンバーレの手前の村である『いこいの村コポマ』に到着していた。

時間はそれなりに経過しているのに、なんだか、あっという間だった。


コポマはとても小さな村で、騎士団基地もなかった。森の中にある村で、グリージと雰囲気は似ている。

が、不思議とこの村近辺は魔物がおらず、平和に細々と暮らせているらしい。


「……懐かしい感じだ」

「グリージ、か……」


レイズは、グリージを思い出していた。

村の皆は元気だろうか。自分と同じく龍力者となったあいつらはどうなっただろうか。

旅の途中で一度立ち寄っただけのバージルも、同じ雰囲気を感じている。


「良いところですね」

「そうね、ザ・自然って感じ」


自然と暮らす村。

コポマは、そんな感じだった。


散策も兼ね、レイズたちは、村を見て回っていた。

が、観光地でもないこの村は、最低限の設備しかない。

意識してゆっくり見ても、三十分経過していなかった。


宿屋はあるが、綺麗ではない。診療所もあるが、も小さい。食事ができる場所もない。道具屋はあるものの、品揃えは全くだった。

レイグランズの感覚がまだ抜けていなかったため、レイズとバーバルは道具屋のラインナップを見たとき、一瞬思考が止まった。


「「え……?」」


少なすぎる。

少ない上に、在庫もない。


「……少しだけ買い足すか」

「そうだな」


シャンバーレまで、何が起こるか分からない。が、レイズたちが不自由なく変えるような在庫はなかった。

よく使う薬品・道具だけを書い足し、シャンバーレに備える。


「森を出て、平原を突っ切る。そこがシャンバーレだ」


王都で買っておいた地図を広げ、リゼルは進行方向を指さす。


「……いよいよですね」

「シャンバーレに近づくにつれ、魔物も強力になっていくと予想される。バカみたいに突っ込むなよ」


レイズとバーバルを見ながら、リゼルは地図を畳んだ。

二人は最初見られている意味が分からなかったが、女性陣がクスクス笑っているのを見て、意味を理解した。


「「俺たちかよ!?」」


リゼルはそれを無視し、「行くぞ」とコポマを後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ