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ドミニクスの独白

いつもありがとうございます。


「……ドミニクス様」

 アーデルヘイトを見送っていたドミニクスに、ヘルマンが話しかけた。

「からかいすぎです」

「ごめん。それにしても警戒心が露骨だったね。それと、念のため制服は姉上に頼んでおいて」

「御意に」

 ドミニクスの姉は王太子の婚約者だ。

 光属性を持たず、侯爵家という血筋の姉は、王家から見ればいい餌である。


 光属性は暴走しやすい。それを抑えるために闇属性もち、もしくは光属性持ちでない貴族を囲い込む。

 暴走を抑える道具なのだ。


 だが、それを知るのは光属性持ちの王侯貴族のみ。どんなに高位にいる貴族であろうと、光属性を持っていない限り、公にされることはない。

 異性同士であれば愛人のように囲い込み、同性であれば従僕として囲い込む。


 姉のように婚約者として隣に立つことが珍しいくらいだ。


 歩きながらさまざまなことを思う。


 おろかな学院長。ドミニクスはそう思わざるを得ない。己より上の世代の光属性持ちは、ほとんどが他界しているという。……今は亡き王弟殿下と現国王陛下の継承権争いで大半が王弟殿下側についたからだ。

 国王陛下は王家にしては珍しく光属性を持っていない。それを理由に「相応しくない」という者が多すぎたのだ。


 それを武力で弾圧した。

 そのため、現在王国内では軍部の発言力が強い。

 王国建国以来、初めてのことである。


「ここ数年王侯貴族の入学が多い。繋がりも必要だけど、私のパートナーも必要だからね」

 なんと楽しい少女を捜せたことか。弟にはもったいない。

「あの少女、磨けばかなり美しくなりそうですね」

「やっぱり思う? ビュルシンク公爵家には渡したくないね」

 あそこの兄妹は双子で昨年入学しており、今年生徒会で書記をしている。


 寮の部屋から、ドミニクスはあの掘っ立て小屋のほうを見る。


 あの強かな女性を手に入れたいと、願いながら。


二人分のフラグを立てておきながら、独白はドミニクス君のみです。悪しからず。

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