表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生サキュバスは魔法少女を堕としたい  作者: ゆきなっしゅ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/6

第1話 魔法少女を堕としたい

ボク『月森伊織』は男の身でありながら、魔法少女が好きだった。

アニメが放送されているテレビに釘付けになる。


『ふふっ、これ以上戦っても無駄よ。もうボロボロじゃない』

『私たちは……絶対諦めない……!』


テレビ内ではボロボロになった魔法少女たちが諦めずに敵と戦っている。


「ああ……いいなぁ……」


ボクは思わず呟く。

そう、ボクは魔法少女がボロボロになっている姿に魅了されていたのだ。


『これが私たちのキズナの力だ!マジカルボンドシャイン!』

『グオオオオオオ!』

『ちっ、覚えてなさい!』


テレビ内の魔法少女が必殺技を放ち、怪物を倒した。

女幹部はいつも通り、負け惜しみを言いながら撤退していった。


『みんな!いつも応援ありがとう!来週もよろしくね!』


魔法少女はそう言ってテレビの前の子たちへと挨拶をし、番組が終わる。


「はぁ……」


魔法少女が敵を倒したというのに、ボクはため息をついていた。


「今回も魔法少女が勝っちゃったな……」


結局いつも最後は魔法少女が敵を倒してしまう。

こんなこと考えるのは最低だとは思う。

だが、何よりも美しい魔法少女がボロボロにやられてる姿が頭から離れない。

魔法少女が屈服する姿が見たいという欲求が止まらない。


「最強の女幹部になって、魔法少女を倒したいなぁ」


そんな叶うはずもない願いを口にしてしまう。

すると脳内に低く威厳のある女性の声が響き渡った。


《——見つけたぞ。美しき少女の絶望を貪ろうとする、ひどく歪んだ欲望を持つ魂を》

「えっ」


――ブォォォォォォン!!


その瞬間、ボクの身体は黒いなにかに呑み込まれ、視界はブラックアウトした。


「……んっ……うぅ……」


冷たい石の床の感触で、ボクは目を覚ました。


「ここ……どこ……?」


体を起こそうとして、強烈な違和感に襲われる。

身体が……軽い……?

しかし胸のあたりに、不自然で柔らかな重みを感じる。


「え……?」


視線を落とし、ボクは息を呑んだ。

そこにあるのは、透き通るような白い肌と、主張するように膨らんだ二つの果実。

肩口には艶やかな長い髪が垂れ下がっている。

まさかと思い、慌てて股間に手を伸ばすが……あるはずのものが……ない!?

そして、背中には悪魔のような大きな羽が、腰の付け根からは先っぽがハート型に尖った尻尾が、まるで元からそこにあったかのように蠢いていた。


「なにこれ!?これがボクの身体!?どうなってるの!?」


そう叫んだ自分の声にさらに驚愕する。

空間に響き渡った声は高くて甘い、男を惑わすような蠱惑的な少女の声だった。


「目覚めたか、歪んだ魂を持つ人間よ。いや、もう人間ではないか」


頭上から声が聞こえ、ボクは顔を上げた。

どこまでも広い玉座の間。

その玉座で、一人の女性が退屈そうに頬杖をついていた。

思わずひれ伏したくなるほどの圧倒的な威厳。

ただそこに座っているだけで、彼女がこの空間の支配者だと理解させられる。


「あ、あなたは一体……?誰なんですか!?それにもう人間じゃないって!?ボクをこの身体にしたのもあなたなんですか!?」

「落ち着け」


彼女がそうひと言発しただけなのに、不思議と落ち着きを取り戻した。


「そうだな。まずは名を名乗ろう。我は魔王『アスタロティア』。この世界を統べる者だ」


魔王アスタロティアは、玉座からボクを見下ろして嗜虐的に微笑んだ。


「正義の象徴たる魔法少女の絶望を求める……その歪んだ魂の輝きが、退屈していた我の目に留まった。ゆえに、我の力でお前の魂をこの世界に転生させてやったのだ」

「転生……」


どうやらボクは元いた世界とは別の異世界に転生したらしい。


「……じゃあ羽と尻尾が生えた、この身体はなんなんですか?」

「それは『サキュバス』の肉体だ。お前の魂が持つ欲望に呼応して、肉体が変化したようだな」

「サキュバス……?ボクはサキュバスになりたかったわけじゃ……」

「だが、魔法少女を屈服させたいのだろう?サキュバスの力があればそれが可能だぞ?」

「……でも、ここは元いた世界とは違うんでしょう?魔法少女なんていないんじゃ……?」


そもそも魔法少女自体がファンタジーの存在だ。

こんな強そうな魔王がいるような世界に魔法少女なんているわけない。


「そんなお前に朗報だ。この世界には魔法少女がいる。というより、我が作った」

「作った?どういうことですか?」

「この世界の人間は弱くてな。骨のあるやつがいないから退屈していたのだ。だから、我に対抗できる存在を作ったのだ」

「魔王が魔法少女を作ったんですか?」

「いや、魔王ではない。女神だ」

「女神……ですか?女神が魔王のためにわざわざ?なぜそんなことを?」

「当然の疑問だな。ククク、よく見ておけ」


――ヒュォォォォン……


すると目の前の魔王が眩い光に包まれ、姿を変えた。

禍々しく威圧感のある魔王ではなく、神聖で温かな光を放つ、神々しい姿へと変貌したのだ。

まるで女神だ。


「わたくしは女神『ルミナスフィア』。選ばれし光の戦士たちよ。どうかこの世界を、恐ろしい魔王から救ってくださいませ」


慈愛に満ちた声。

しかしすぐに光は掻き消え、元の禍々しい姿に戻り、再び冷酷な魔王の嘲笑が響き渡る。


「なんてな……ククッ、アハハハハ! こうして我が力を与えた女たちが、人間の間で、この世界の救世主『魔法少女』と呼ばれるようになったのだ。滑稽であろう?」


つまりこの世界の魔法少女は魔王アスタロティアの欲求を満たすために生み出されたということか。

マッチポンプじゃないか。

だが、そんなことはボクにとってはどうでもよかった。


「つまり……この世界にも魔法少女がたくさんいて、ボクはその魔法少女たちを倒す力を手に入れたってことですか?」

「そういうことだな。本当は我自らが魔法少女を倒し、人間をさらなる絶望に沈めようと思っていたが……ただ倒すだけでは今までと変わらん。面白くないだろう?だからお前のようなやつにやらせてみたら、楽しませてくれそうだと我は考えた」


魔王の狙いとか、この世界のことなんてどうでもいい。

これはチャンスだ。

ボクの願いを叶えるチャンス。


「お前には我の力の一部を与えた。これでサキュバスのスキルが使える。知らぬ異世界で困ることもあるだろう。案内役も用意してやる。魔族として、サキュバスの名も必要だな。『アスタリリス』という名を与えよう」

「ありがとうございます」


『アスタリリス』……それがこの世界のボクの名前か。

それに案内役も用意してくれるなんて、手厚いサポートをしてくれる。

こんなチャンスを与えてくれたアスタロティアに感謝しないと。


「行くがよい、アスタリリス。お前なりのやり方で魔法少女を倒してみせろ。我を楽しませてくれ」

「わかりました、アスタロティア様。このボク、『アスタリリス』にお任せください」


こうしてボクは魔族として生きることになり、新しい世界での生活にワクワクしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ