ライパチの俺がプロで2000本安打を打つまでの軌跡
「ストラックアウッ!」
「シャアッ!」
「ナイス!カズヤ!」
「流石エースだぜ!」
整列する両チーム、試合はカズヤの所属するリトルチームの勝利。
「やったねカズヤ!完全試合じゃん!」
「バックの皆のおかげだよ、ありがとうミコト」
彼女はミコト、幼なじみでチームの1番セカンドを努めるレギュラーだ。両親同士も仲が良く公認の仲である。
「シニア何処に行くか決めた?」
「もちろん名門帝都シニアだ、そこでエースになって名門校にスカウトされて甲子園で活躍する」
「すごーい!その後はプロになるの?」
「プロはうーん、どうだろ」
正直プロまでは考えていない、カズヤの両親は共働きで貧乏と言うわけでは無いが余裕があるわけでも無いそのため堅実にスポーツ推薦で大学に入り安定した企業に就職して親を安心させたい。
「とか思ってた時期が俺にもありました」
東京の名門帝都シニア···都内のリトルでエースで4番だった連中がゾロゾロ集まってカズヤは完全に埋もれてしまった。
カキーン
「良いぞ!キング!その調子だ!」
「スゲーな打ったらホームラン量産機で投げては三振マシーンさすがU12のエースだぜ」
かなり不運な事にカズヤの世代にはU12のエースで4番の馬飼皇帝が入団、1年生から1軍入りどころかエースも4番もかっさらった。
「おいカズヤ!ドリンクさっさと作れや!」
「はい!すみません!」
それに比べカズヤは2年生になってもベンチにも入れずにいた、キングはもちろん他の投手にも完全に劣っていたのだ。
「カズヤ早くしてよ!みんなに迷惑かけてるの解らないの?」
「ごめん···」
ミコトとの仲は完全に冷えきっていた、女子ながらシニアのレギュラーになりベンチ外のカズヤの事を見下すようになっていた。
「ミコト困らせんなよ」
「キング!本当コイツ小学校の頃から使えなくてさ~」
最悪な事にキングも同じ中学のため当然の如くミコトは乗り換えた、もう学校公認の仲だ。
そして3年生が引退して新体制になりついにカズヤもベンチ入りを果たす!···外野手としてだが。
カズヤは努力を続け最後の大会でレギュラーを勝ち取る···8番ライト···打順としてはチーム最弱の打者である投手か上位に繋げる打者が努める9番よりも下というのが世間一般の論だろう、そして左打者の少ない少年野球では失礼ながら下手くそのポジションこれも世間一般論だろう。
「プロになる気はないとかほざいてたけどシニアですらライパチとかダサすぎ」
「妄想癖スゲーなライパチくんさぁ」
ミコトとキングが嘲笑の言葉をかける。
「プロって··お前がなれるわけねーだろカズヤ」
「現実を思い知らされて良かったじゃん」
「ギャハハハ」
他のチームメイトからも笑われる。
その後帝都シニアは全国ベスト8で終わるがキングは自責点0大会ホームラン王で終わる。
「レギュラーでスカウト来てないのあんただけよ、数合わせみたいなもんだから当然だけど」
「お前野球辞めろや向いてないよ?」
「キングくん正論言ってやるなよ」
「可哀想じゃんw」
クラスメイトからも嘲笑れる。
正確にはスカウトは来ていただが都内のベスト8常連の準強豪やあまり強くない県の2番手の私立だ、それも一般推薦でどうしても欲しいわけじゃなさそうだった。
そして季節は流れキングたちは東東京の名門である帝城に進学ミコトもマネージャーとして付いていった。
俺は···
初連載れす