思い出の場所となる
―――
――
―
………痛みによっていつの間にか、朧気になった意識を取り戻す。それから終わりを告げる点滴の音と皮膚の圧迫感を1つずつ認識し始めていく。
毒液がまだ身体の中を巡っているのか、倦怠感に似たずっしりとした重たい気持ち悪さは残っていた。
その後は気分の波が落ち着くのと、ほぼ同じくらい待ってから、研究員がやって来てバイタルチェックを始めとした、身体機能のテストを行っていく。
着替えを済ませると、部屋の外にいる研究員と共に
部屋を出る。エレベーターで1階へ戻り、分厚い鉄の扉がゆっくりと開いた。外へ出ると、光が目に刺さる。外は今の自分の気持ちと裏腹に、明るかった
先程まで見ていた‘’昔の記憶”が、まだ頭の中に残っていた。似たような記憶が今でも
思い出されてしまい、気持ち悪さも相まって
胸の奥がじわりと重くなり、気分がゆっくりと沈んでいく
そんな時、私はいつもの場所へ行く
――
ここは前まで腕で囲むくらいの範囲しか
花がなかったが、今では先程まで見ていた空色が
辺り一面絨毯のように広がっている。
その中で所々、星座のように、
黄色や赤色などの花が咲いているのが見えた。
私は極力花達を避けながら、ポツンとある椅子を形どった岩肌に腰を降ろす。この花や草、貰った本に書いてあったなぁと昔を懐かしく思う。
その時、遠くの方から足音が聞こえてきた。
「やっぱり、ここにいた。大丈夫か?」
振り向くと思った通り、彼だった。
彼はいつものように、ここへ来て優しい言葉を掛けてくれた。私は彼の言葉に頷きながら、頭の片隅で昔ここで出会った記憶を浮かべていた。
―
――
―――
琉おじさんの件があった後、どうしても訓練所の方まで足が向かなかった。かといって、部屋の中にいれば悲しみが押し寄せてくるため、逃げるように落ち着きを求めてお気に入りの場所に来ていた。
座って空をぼんやりと眺めていた。
(青い……大きな空だな)
――その時
信「あ!探したぞ」
突然、聞き慣れない声が耳に入った。
いつの間にかその人は後ろに立っており、私を見下ろしていた。
「………!」
私は驚いた様子で彼の目を見つめていた。
彼はそこから動こうとしない。
私は戸惑いつつも、少し首を傾げながら疑問を投げかけた。
「…何で?」
声が少し震える
「何で逃げないの?……私が怖くないの?」
彼は私の目を見て、静かに頷いた




