優しい思い出
「おーい、こんなとこにいたのか」
「!?琉おじさん、何でここにいるの?」
今私達がいる所は、訓練所の1つで
私がいるため、必然的に貸し切り状態となっており私は少し椅子に腰かけて休憩をとっていた。そこへリボンが付いた袋を手にした琉おじさんが近づいてくる。
「ん?俺ァが何処にいようと勝手だろ?
それより、あちこち探したんだぞ。
ほれ、開けてみろや」
言われた通り、膝にぽんっと置かれた袋を手に取り
リボンを解いていく
「わぁぁ!!」
そこには可愛らしいクマのぬいぐるみがいた。
首元にリボンが結ばれていて、まるでお餅のような柔らかい生地で出来ていた。
「まだまだ先だが、近いうちに誕生日だし当日は仕事で忙しいからよぉ、お前クマが好きだって言ってただろ?面白かったって言ってたシリーズの薬学の本と迷ったんだが、どうだぁ、嬉しいだろ」
「うん!ありがとう
これ、覚えててくれたんだ!」
おじさんは毎年、私の誕生日にプレゼントをくれる。微かにうろ覚えの私の誕生日。私が覚えている数少ない思い出を大切にし、優しさを惜しみもなく与えてくれるのだ。
「そういやぁ、知ってるか
あったかいもんに抱きつかれると人は安心するんだそうだ。寂しいときには、こいつに安心させてもらうんだぞ。」
「温かい?これ、あんまり温かそうじゃないけど」
「温度のことじゃあ、ねえよ
それより、もっとあったけぇもんだ!
お前もいつか分かるさぁ」
おじさんは胸にどーんと手を当てて笑顔で言った。
「そーいやぁ、お前ちびじゃなくなったな。大きくなったもんだ」
海音の頭をくしゃくしゃと撫でながら言う
「そうかな?」
「あぁ、そうだ。もう“ちび”じゃなくなった。
ちびって呼べなくなっちまったなぁ。
いつまでも、そのまんまって訳にはいかねぇな
お前の呼び名、名前か……うーん、ちょっと待ってろよ」
琉おじさんはそう言って、私の頭を撫で続けた
私はおじさんから貰ったぬいぐるみを部屋の何処に置こうか悩んだ。悩み抜いた結果、枕の傍に決まった




