30/34
星空のお花
心が疲れた時、
私にはよく通う場所があった
そこは私の部屋の窓から見える森の奥。
他の子達は誰も好き好んで、森深くまで足を踏み入れようとしない。
けれど、そこは
私だけが落ち着ける日当たりが良い場所だった
―――
大きく広がる空を見ながら、私は大の字で
野原に寝そべっていた。何も響くことはなく、
木の葉が囁く音や、草花をかき分ける風の音
それらのどれもが凄く落ち着くのだった
ふと横向きになった時、長く伸びた草の隙間から
綺麗な色がそっと覗いた。
先ほど目にした空の色がそっくりそのまま
そこにあった。星のようにキラキラ白く輝く
雌しべと雄しべ、それを守るように花弁の先端から徐々に淡くグラデーションになっているふわふわの花びらが囲っていた
(なんて名前の花なんだろう)
名前も知らないその花は
周りの草花に負けることなく、めいいっぱい
太陽の光を浴びていた。
(不思議…昼間なのに星空みたい)
実際にはありえないことを思いながら、
ただそっとその花に寄り添った。まるで流れ星のようにその花々は風に揺られていた。
それからは花を含めて、お気に入りの場所になった
後で植物の本でも調べてみようかな。
そうだ、おじさんに聞けば分かるかも
何かする訳でもない
何かしたい訳でもない
ただボーッと心穏やかに
周りの木々が奏でる音を聴いていた




