それは突然に
最初に思い出せるのは暗闇だった
―――
<はぁ、はぁ、うゔっ……
「おい…お…ろ、起きろ!
いつまで寝ている…3…番」
大きな声で怒鳴られた。体を動かそうにも、腕や足首にベルトのような物が巻かれていてうまく動けない。片方の壁にはたくさんの黒っぽい液体が入っている瓶と、もう片方の壁にはガラス越しに怒鳴ったやつと同じ、こちらを覗き見る気持ち悪い眼がたくさん並んでいる>
―――
悠「もう、そーじゃないでしょ」
和「はぁ?何がだよ」
悠「ここは敵の攻撃を避けながら近づかないと、致命傷にいかないでしょ。真っ向から向かうのは死にに行くようなもんだよ」
刀を持ち、それぞれケモノの対戦方法について
意見を出し合う
和「はあ?」
良「確かに…悠斗の言う通り」
大「頭がかたいってよく言われない?」
和「はぁあ??」
胸ぐらを掴みにいく勢いだ
信「まあまあ、落ち着いて。
昔と比べたらマシになってるから、な?」
海「切り込むにしても、脇がら空きすぎよ
あと力み過ぎ」
和「おーし……お前らそこへ並べ。俺がお前らと
1人ずつ、近距離戦をやってやる」
何気ない会話
それを切り裂くように研究員の1人が
ある人物目掛け声を発する
<おい!先遣零番隊 皇 海音
畏死鬼の毒液解析が終わった。今から、零号室へ行くぞ。武器は置いて付いてこい>
あぁ、アレが始まる…
研究員に連れられ、あるエリア内の頑丈な建物へと歩いていく。毎回、そのエリアの場所は代わり秘密のまま、私はついて行く。建物の近くまでくると、パスワードを入力しないと出入りが出来ない分厚い鉄の壁が広がる。中へ進むと、エレベーターで8階へ移動する。
チーンッ
<では、いつものように服を着替えて
部屋のベッドに横になってくれ>
そう言って、どこかへ消えていく研究員
更衣室へ行き、白い実験着に着替える。呼ばれるのは突然で、心の準備もままならぬまま、暗い部屋の中にポツンとあるベッドへ横になる。幼い頃の記憶と同じように、壁にはガラス張りの四角い枠があり、部屋の中は暗くて見えにくい。
ピッピッピとパスワードを押して入る研究員
畏死鬼の毒液が入っていると思われる
ガラスの瓶と時間経過で落ちる点滴器材
あぁ、嫌だなぁ
研究員はベルトを締めていく
頭、手首、腰、足首へ…
まるで
逃げられないとでも言うように
皮膚の圧迫から伝わってくる