日常 -見えない壁-
ウィーンッ!
自動ドアが開き、着替え終わった守人達が棟内に入っていく。武器はそのまま回収され、それぞれ専用の場所に保管される。
「あー、疲れた。今回の任務は骨がおれたな」
「何言ってんの、かーくんが1人で勝手に突っ走るから、かーくんの後始末はぜーんぶ俺達がやるはめになったんだからね」
「・・・」
「勝手に行動して、怪我が増えたらこっちの仕事が増えるんだが」
「まあまあ、無事に帰れたんだから良かったじゃねえか」
腕を広げ、伸びをしながら言うのは
西園寺 和真 先遣隊所属
その隣で喧嘩腰に言うのは
五十嵐 悠斗 先遣隊所属
この2人は幼なじみで喧嘩が多いが実はとても仲が良い
そんな2人のやり取りを後ろで見ているのは
無口な早乙女 良平 先遣隊所属と
鳳条 大輝 先遣隊兼医療部隊所属
そして
他の人と比べて髪色が雪のように白い
一ノ瀬 信弥 先遣隊所属と
同じ髪色だが異様な雰囲気を感じる
皇 海音
側面がガラス張りの通路を皆で歩きながら海音は静かに言う。
「何も考えずに突っ込むのは命取りになるわよ」
和「はぁ?ちゃんと考えてるっつーの」
「あれのどこがちゃんと考えているのかしら」
和「なんだともういっぺん 悠「まあ!ちゃんと殺せたし全員無事で結果オーライだからいいじゃん!」
爆発しそうな和真を悠斗がなだめながら自分たちの部屋へと帰る。
しかし、言葉を置いて彼らから離れて別の通路を行く彼女は、歩いている棟内の研究員と見えない壁で仕切られたかのような道をただ独り歩いていた。