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1本の矢
―――
それは
自分の心に生まれた1本の矢
初めは弱く、脆くてほんの小さな衝撃で折れた
だが、仲間から鍛えられ
弛まぬ努力によって研ぎ澄まされ
己の自信によって強く仕上げられた1本の矢は
もう決して 折れない
―――
カァアアーーーン
空の中心からふわりと吹き付ける柔らかな風
澄み切ったような空気と一緒に
暖かな春の日差しのような風が
草木の間を吹き渡るようにどこまでも広がっていく
ある人の感情を写したような大粒の涙は
自分の想いを現すかのように、
硬い地面へ打ち付けられたが
やがて落ち着き、静かに止んだ
雲の切れ間から光の絨毯が幾重にも広げられる
草木に落ちた雫が眩い光を放ち、
絨毯に鮮やかな色を加える
暗闇に未練はないような
清々しい気持ちを帯びている
海(今のは………あの人と同じ。
さっきとは違って綺麗な音
なんて自信に満ちた背中だろう
もう……大丈夫だね。だって)
そこに差すのは
明るく照らす太陽の光
私の目の前に見えるのは
天色の世界に
7色の虹
(ほら、“空”が笑ってる)