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天藍~君は何を思う~  作者:
想い
10/29

強さとは……

「私はそんなあなたを弱いとは思わない」

空「っ!?」

「今もこうして、弓を引いて弱い自分に負けないよう努力している。一生懸命、頑張っている。それは凄いことだ。素晴らしいことだ。…大抵は弱いからと諦めて自分と向き合うことすら出来ないんだ」

空「……」

「強さという1つの道に縛られることなんてしなくていい。あなたならその道の他にも、…見えるはずよ。力以外に自分が“自分”でいられる道がきっとあるはず。見渡してみて、周りには何も無かった?あなたは独りだったの?」


(俺は……)

《隆「空、そんなとこに突っ立ってないで

こっちこいよ、ほら」

波「空がいなくちゃ、誰が俺のライバルになるん だ!」

圭「空っていつも頑張ってるな。すげぇぞ

そんなだから、負けてられねぇんだよな」

湊「空も仲間なんだから、頼ってよね」

蒼「いいか!俺はお前らのこと、

信じてるからな!」》

空「見つけた……あったよ。

そっか俺………俺独りじゃない」



服を掴んでいた指がそっと離れる。そして、何かを想うように、今度は自分の胸へと触れる



「あなたは“私”とは違う

あなたがいるから、周りは強く在ろうと思えるの。あなたを信じてるから、背中を預けて一緒に戦える。辛いならば、辛いとみんなに伝えればいい。

あの人達はあなたを決して独りで置いていったりしない、仲間なんだから。だからこそ、あなた達は強いのよ」



空「あぁ……なんだか“強い”の意味が

分かった気がする」



瞳を閉じる

先程より、勢いの収まった雨音が聞こえる

空と同じように、目尻から一雫の涙が溢れ

頬を伝っていく



(呼吸が楽だ……嘘みたいに

頭も冴えて、視界が開けてる

暗くて訳が分からなかったのに



今まで、強さに執着し過ぎてたな

自分を信じてなかった

見失ってた……俺は


《はぁ 何で俺弓なんか始めたんだっけ?》


俺は……朝日 空

仲間を守るために弓を始めた!)


目を開き、的に向かい

弓を持ち、矢をつがえ“構える”

顎を引き、いつもより少し重心を前に出し

腹部に力を入れる


スゥーーハァーーー


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