第一章 『あきらめ』
少しずつ書いていきます。
あれから、一年が経ち僕は一歳になった。一年前の悩みは、解消された。ご飯は母乳から一歳ぐらいの子供が食べるご飯に変わり、トイレもこっそりと自分で行けるほどの筋肉はついた。だが、新しい悩みの種がある。それは、ご飯のバリエーションが少ないことだ。一歳ぐらいの子供が食べられるご飯の種類には限度がある。そして、僕はその種類を全部食べ尽くしてしまったらしく味に飽きてしまった。最近は、どういう風に食べればご飯の味を考えている。そんなことを考えながら、僕は天井を眺めていた。横を見ると、テミスが夜ごはんの準備をしていた。鍋に野菜や肉などを入れ、煮込んでいた。その後、香味料や色々なものを入れていた。その姿を眺めていると不意に
ぐ~
と、お腹が泣いた。その音を聞いてかお母さん――テミスがこちらを向き、優しい笑みにを浮かべ
「あら、お腹空いちゃった。昼から結構時間が経ったわね。あと、少しでで出来るからもう少し待っててね。」
と言い、料理に戻った。そういえば、今お父さんは家にいない。少し父が務めている仕事場に行っているそうだ。だが、仕事があるわけではなくすぐに帰ってくるらしい。早く帰ってきてお話を聞かせてほしい。そう思っていると、突然お腹に痛みが走った。そして、痛みが走った瞬間に僕は即座に計画を立てた。トイレに行く計画だ。今、テミスは料理をしているためトイレに行っても気づかれない。すぐに行って戻れ大丈夫だろうと思い、大きな足音を立てないよう気をつけつつ急いでトイレに向かう。あと少しでトイレに着くと思った時、ガチャ
「ただいまー」
と、男の声が聞こえた。お父さん――ケルクが帰ってきたようだ。その、絶望的な登場で僕の計画は崩れかけた。だが、僕は即座に身を隠し間一髪功をそうした。だが、その安心もつかの間さらに絶望が降り注ぐ。
「おかえりなさい、あなた。どう、教会のほうは大丈夫そう?チルドに、魔力検査させられそう?」
「ああ、大丈夫そうだ。教会で働いてる分優先してもらえたよ」
とても、気になる会話だったが今の僕には余裕がなかった。必死に出ないように堪えながら、二人がその場から離れるのを待っていた。そっから、数分後経って離れた。そのすきに、トイレに行こうと思った僕は歩く速度を上げとトイレに向かった。その瞬間、
「チルド、ご飯だぞ。どこに行った?」
と、言っていたケルクと目が合った。その瞬間に堪えたものが全てが出て行った。僕はその時に、すべてをあきらめ泣き崩れた。