ゲームイベント
今日は待ちに待った『君の全てに恋をしました』やくして『君恋』の特別イベントがある日だ。『君恋』はヒロインが色々なヒーローと恋と冒険をするまぁよくある乙女ゲーム、やっぱり人気があるのはヒロイン、だが俺の1番の推しはなんと言っても悪役令嬢のシルビィちゃんだ。よしそろそろ出ようと俺はリビングに繋がる階段を降りると、
「お前また王子がヒロインに攻略されるルートしてんのかよ」
俺の妹だ。こいつも『君恋』のシルビィちゃんが好きで俺はそこからシルビィちゃんを色々教えて貰った。
「だって〜王子がヒロインに取られちゃうのはすっごい悲しいよ?けどさ、シルビィちゃんのめちゃくちゃ可愛い表情がこのルートにあるから…」
「うんそれは……わかるわ」
「でしょ〜?さすがお兄ちゃんシルビィちゃんの可愛さをわかってるねぇ〜」
「フフーン…ってそんなことより『君恋』のイベント早く行くぞ」
「はっ!そうだね、早く行かないとっシルビィちゃんのグッズ売り切れちゃうかも!!!待ってろよーシルビィちゃ〜ん」
電車で1時間ようやく俺たちはイベント会場に着いた。
「きゃぁぁシルビィちゃんの等身大パネル!!お兄ちゃん写真撮って!」
「うわぁ!すげー可愛い、これはテンション上がる///」
パネル以外にもたくさんのフォトスポットがあった。
全部見てたらもう12時30分、お腹がすいてきた。
「あ!君恋コラボカフェある!あそこ行こうよ!」
「そうだな、ちょうど昼どきだし」
俺たちはイベントカフェに入った。ラテアートやおまけ付きのランチやゲームに出てくるスイーツを頼んだ。どれも味は最高だ。
「っしゃ!シルビィちゃんのコースターゲットォ」
「!?いいなぁ私、レオ王子だったよカッコイイけどさぁ…」
「そんな落ち込む?…俺レオ王子、まぁまぁ好きだから交換してやるよ」
「え!いいの!?やったーお兄ちゃん大好きー、けどなんでレオ王子好きなの!シルビィちゃん振った男なのに?」
「いや別にめっちゃ好きとかじゃないしシルビィちゃん振ったのはイラッとするけど二次創作書いてるとなぁ…あぁぁぁいっその事俺が王子になってシルビィちゃん幸せにしてやりたいよ」
「うんうん!それはまじわかるシルビィちゃんに会いたいわぁ」
「「あぁぁぁ」」
「…よしそろそろ出るか次俺あそこ行きたいし」
「へーい」
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カフェを出たあと俺たちは君恋の声優イベントやイベント限定グッズなど色々楽しんだ。帰りに1時間もかかるし夕方だから俺たちは帰ることにした、すっかりイベントで興奮しきっていた俺たちはあんなことが起きるなんて予想もしていなかった。いやできるはずもなかった。
「あ〜今日のイベントすっごく楽しかったしたくさん買っちゃったね!」
「あそこしか手に入らないシルビィちゃんの限定グッズが手に入ったし満足満足!」
「そこの2人!!!!危ないぞぉぉ!!」
「「え?」」
キキィィィ
ガッシャーン
「おい!君たち!大丈夫か!?しっかりしろ!」
「救急車!!誰か!救急車を」
「女の子意識がないわっ」
「少年!!しっかりしろ!!」
(え?俺…たち死…ぬのか…?)