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廃太子
*本日二話目の投稿になります。超短編です。
最近、王都に大きな衝撃が走った。
辺境の地で一兵卒として軍役についていた王太子ロランが脱走し、行方不明になったのだ。
ロランの恋人であり、将来王妃になるために修道院に入った男爵令嬢セシルは厳しい生活に耐えられず一ヶ月も経たずに修道院から逃げ出した。
辺境の地で厳しい生活を送っていたロランは何年もそのことを知らなかった。
しかし、最近になってセシルが逃げたという噂が耳に入り、それを聞いたロランが逆上して脱走したのだという。
どんな事情があるにせよ、一兵卒が無許可で勝手に軍役から逃げ出すのは重罪だ。ましてや王太子という立場を考えると女王が激怒したのも無理ないことであろう。
女王はロランを廃太子にすることを宣言した。
王宮はそのために騒然としている。
女王の後継ぎが誰になるのか?
それが貴族らにとって大きな関心の的となったのである。
*読んで下さってありがとうございます!頑張って年末年始も投稿したいと思っています。どうか皆様、良いお年を!