戦利品
「くたばれええええええ!!!」
俺の右拳がガルムの腹にめり込む。
骨を砕き、内臓を破壊し、生き物としての活動に必要な機能が次々に停止していく。
「うおおおぉぉぉぉ…っらぁ!!!」
そして、腹部にクリティカルヒットした右拳を、力一杯、思い切り振り抜いた。
“ドォォォン…”という音や地響きと共に、俺の色術が拳から放たれる。
上空に吹き飛ぶガルム。反動で地面に落ちる俺。
流石にもう生きてはいないだろう。
攻撃を喰らっていないとはいえ、慣れない戦闘や色術の反動で俺の身体はすでにボロボロだ。
俺は背中から地面へ叩きつけられた。全身に痛みと疲労感が広がっていく。
初めての戦闘が終わった安堵、達成感を楽しむ。
単純な疲労に色術の反動、纏色の負担、地面へのダイブ。
それらの苦痛も、今は少し心地良い。仰向けのまま、身体を草原に預けた。
俺は、はぁはぁと息を切らしながら勝利の余韻を噛み締めつつ、ゆっくりと目を開ける。
「てっきり斬るのかと思ったけど、最後がパンチとは…」
どうやら先に勝利を収めていたマリは、俺の戦闘を見守っていたようだった。苦笑いをしながら声を掛けてくる。
顔を横に向けると、二体のガルムだったものが黒焦げになって横たわっていた。
「しょうがないだろ…。剣なんか碌に振ったことないんだから。そんな不安要素をトドメに使う訳にもいかないだろ。」
それを聞いてマリは、へぇ。と感心した声をあげる。
「意外と考えるタイプなのね。最後の詰め方も見事だったわ。…勝ったアンタもボロボロなのは置いといてね。」
マリはスカートを靡かせながら、仰向けに倒れる俺へゆっくりと歩み寄ってくる。
「意外と、は余計だよ。必死だったんだぞ。」
話しながらマリへ視線を移そうと、顔を上に向けた。
が、それは悪手だった。
「最後も無意識に、剣じゃなくパンチを…パンチ…」
俺は、顔を向けたことを後悔した。
「パンツ。」
突然のパンチラだった。
仰向けの俺に歩み寄って来ていたマリの、秘密の部屋がよく見える。
へぇ、戦闘でもスカートの下はリボン付きなのか。
視界に映るのは美しい白。
まぁ、こういうのも醍醐味だよね。
そう思い、全てを諦めた俺。
スカートの中と同じくらいの美しさ、素晴らしい軌道。顔を真っ赤にしたマリのパンチが降ってきたところで、俺の記憶は途絶えた。




