紫質
「破桀紋…?」
聞いたことのない言葉だった。
それに、シゲルさんの焦り方が尋常じゃない。まるで災厄を目の当たりにしたような
「これは、災厄と呼ばれた五紫桀の一人、破桀シルヴァの紋章だ…!」
災厄だった。
「ちょ、ちょっと待ってください!何で俺の剣にそれが?」
各用語に対して聞きたいことは色々とあるが、まずそこだろう。カケラも心当たりが無い。
「お前さん、色術は何色使える?」
シゲルは、ふぅ、と一息吐いてから俺にそう聞いてくる。
「何色…適性試験の時は一色って書いてありました。」
そう答えるとシゲルは
「それはステ板の話だろう。お前はこの剣に、何色を込めたのかってことだ。」
目を瞑ってて目で見ていたわけではないが、剣に纏色を試みたときの自分の感覚を思い出す。
あの時は…そう、自分の周囲に存在するたくさんの、何色もの色…それをありったけ剣に込めるつもりで。
それをそのままシゲルに伝えると、諦めたような、これは困った、といったような表情を浮かべる。
「よし分かった。そろそろマリも帰ってくる頃だろう。帰ってきたら、その剣持って三人でホームへ行くぞ。」
ホーム?リバティワーカーズに?
話が全く見えてこない。俺の色術の話と関係があるんだろうけど…
そんな空気を察してか、シゲルはこう続けた。
「ツウ、お前さんは色術が一色だったと言ってたな。でも、実際は全色を扱ってる可能性がある。」
それを聞いて更に訳がわからなくなってきた。
「一色なのに全色?一体どういう…」
俺が混乱しながらそう聞くと、シゲルは俺を遮って
「俺からは明言できないんだが…、多分だぞ憶測に過ぎないからな。お前の一色しかないのに全色扱える色術の正体は、お前の使える色術の色は…『紫』だ。」




