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5.ドラゴンの卵
ウォータードラゴンが何故こっちに向かっているのかは分からない。焼いている肉の匂いに釣られたのかもしれないし、たまたまなのかもしれない。何はともあれ、俺は死を覚悟した。だが、
ウォータードラゴンは一瞬で体をバラバラにされ、消滅してしまった。
「悪い、危ない目に遭わせちまったな」
「え、どなたですか?」
まさかこの人がウォータードラゴンを倒したのか? あんな、350レベルの化け物を一瞬で?
「今日は一人で討伐してたんだが、逃げられちまってな。追いかけるのに一苦労だったぜ」
そう言って彼はウォータードラゴンが消滅した位置の地面に手を伸ばした。すると、
「ふむ、ハズレか。珍しくもなんともないドラゴンの卵だ」
「ドラゴンの卵?」
「ん? ああ、もしかして君、ピースエリア出身の子かい? ドラゴンの卵を見たことがないってことは」
「そうです。ピースエリアから来ました」
「なるほどね。じゃあ駆け出しの冒険家ってわけだ。なら、このドラゴンの卵をあげるよ」
「え、いいんですか?」
「ああ。俺はレアなドラゴンの卵を狙っているからね。売っても大した金にはならないし、怖がらせてしまったお詫びだ」




