放課後5分、好く君を思う
どんなシチュエーションなのか、読みながら想像して頂きたいです。
夕暮れの放課後、4時55分。
問題に真剣な大事な人を隣に、ふと考え込んでいた。
私の好きな彼は、何処か遠くへ進んで行ってしまうみたい。
私の知らない、こことは違う場所に。
遠くを見据えている。
なんだか、悲しかった。
夢を叶えるため、彼は必死に努力をしていた。私でもすぐにわかった。
毎日毎日、懸命に努力する姿が、この上なく愛おしかった。
真剣な横顔をみているだけでも、幸せだった。
でも、その姿が、大好きな姿が、なんだか自分とは別な世界にいる様で怖かった。自分から離れて行ってしまうのではないかと、不安だった。
彼は、自分とは真反対な人だった。
夢のために必死になれる人。
成功をつかめる人。
私は、そんな人ではなかった。
諦めが早くて、彼にも沢山迷惑をかけて、頼りなくて。頑張る君を、支えてあげたいのに、逆に支えられて。
それでも、彼は私を『好きだ』と言ってくれた。嬉しかった。
私は彼に憧れた。
自分にはないものを持っていて、優しくしてくれて、笑わせてくれて...
あれ、もう時間か、、
「あっ、もう5時...帰らないと、電車に遅れちゃう!」
「本当だ、勉強教えてくれてありがとうね。」
「そんなの、全然大丈夫だよ。むしろ、私の方が馬鹿なのに...」
「そんなことないって、まぁ、帰ろうか。あとさ、電車、もう一本後のに乗ろうよ。」
「どうして?」
「いっいや、たまには、一緒にどこかいけたらなぁって思って...嫌ならいいよ!全然!」
「いいや、行こう!」
怖さなんて、どこかに捨ててこよう。
君を愛することに臆することなんてないみたい。
君を応援することが、私にできることならば私はそれに全うするだけ。
君と居れるこの時を、いつか訪れるお別れの時まで大切にしよう。
ありがとうございました。