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(7) 妖精界


 山の方から、視線を感じる…、サーチの範囲外なので正確には解らないが、妖精より遥かに強い魔力だ。精霊かな?

 森の奥からも感じた、こちらも精霊かな?

範囲外だが、強いのだけは感じる。

 俺よりは、弱いけど。



「ウナ、ベルデ、あれは敵か?」

二人はまだ見えてなかった。

「「え?」」 「違うわ、妖精よ」

それは、解るサーチで妖精の種類もステータスも解っている。敵か味方かを聞いたのだが…。


10人は俺に気づくと行ったん止まり、何かを話し合い6人がUターンして、森へ戻った。 4人が近づいてくる。



 俺の前のベルデと肩の上にウナが居るのが解ったのか、恐々だが、話せる位置まで来た。 50センチ程の距離。


「ベルデ・フレスコ? ベルデ・フレスコよね? これは、どう言うことですか?」 

「人間、連れて来ちゃった。ウナ・ブリーザも」

ざわざわ こそこそ 何か耳打ちしてる


「え? ウナ・ブリーザ?」

「あっ、 アイレ・カリエンテ」


アイレ・カリエンテ…スペイン語で温風


「ウナの知り合いか?」

「うん、アイレ・カリエンテは同じ日・同じ場所で産まれたの」

姉妹(きょうだい)…か?」

「(首を横に振る)私たちには、人間の様な(血縁)関係は無いから、親子や姉妹や兄弟と言う関係は無い」


俺達の表現なら、『幼馴染み』…かな?


そう言えばそんなことを言っていたな、妖精は、花から産まれ、先輩妖精たちが世話をすると。


「随分、姿を見なかったわね」

「うん、久しぶり12年ぶり? 1年は人間界に行ってて帰れなかったんだけど」

ウナとアイレが話している場所から離れた所で、ベルデと妖精たちも何か話している。


暇なので、鞄から、蜜玉を出して、食べる。


「あっ、だいすけ。今、蜜玉食べたでしょう?」

ウナは蜜玉が大好きだ。


「あぁ、ウナも食べるか?」

鞄から、蜜玉の欠片を出す。妖精たちには大きいから欠片だ。妖精たちが群がる。

 皆さん大好きでした。


「美味しい~。七の花ね」「甘~い。これもしかして恋々華?」「これ、すっぱい。けど、美味しい」「やっぱり、パインよねぇ~」「私はイチゴーが良いわぁ~」

「ウナは、みんな好き。」


俺は、森に向かって歩き出した。

妖精たちは、俺についてくる。

ウナは、肩の上だ。


呼ばれた訳ではない、何となくそんな気がしたからだ。


「なぁ、妖精界(ここ)に、人間が来たこと有るのか?」

回りの妖精たちは首を横に振る。

「私は知らない。」「聞いたこともない。」



「急がないか? このペースだと、2時間以上かかるぞ、森まで」

「私は構わないけど、付いて来れる?」

ウナは、解っているので俺にしがみつく。

「俺が、走った方が速い。」

「キャッ」×5

【嫌われ体質】を(1メートル前の)風で発動、空気抵抗を感じなくなる。俺は、妖精たちを抱き、走る。

約10キロを1分で走破。時速600キロ。



「…「えー! 速~い。」…」同調(シンクロ)した(ウナ以外)

「着いたぞ」

「速すぎだよ、だいすけ」

砂埃さえ上がらない、優しく足下の地面にも嫌われてみた。体が押し出され加速する。

草を踏まないように転ばないように、加減しての走行。

体重がかかりきる前に押し出される。昔はよく転んだ。


 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

え? 何故そんな描写をしたかって?

妖精界は、妖精たち(みんな)が飛んでいる、草原に足跡ひとつついてなかったから。


もう一つ、此処では体が物凄く軽い

時速600キロ、出すつもりは無かったが出た、ウナが速すぎだと言ったのは、いつもの倍は出ていたからだ。


嫌われ体質の部分的、種類別を同時に発動させるのに1年を費やした。


 まあ、この話もいずれ書く(する)だろう、たぶん。

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


木々の陰に隠れて、こちらを伺う妖精多数。

俺の動きに、驚いている者多数。


「あの~、そろそろ解放してくれません?」

「あっ、ごめん。」

ベルデ達を放した。


この瞬間(とき)『瞬歩』を習得した。

※早く走る技、通常は早馬(従魔)、飛脚が使う。


「凄いな…、霊木の森か?」

人間界では、滅多に入手できない、希少価値の高い、霊木の木がこの森を形成していた。

 森に入ろうとしたら、少し違和感を感じた。結界の様だ。

 妖精の門の比ではない大精霊の結界、それを通れる魔物は赤の幻獣クラス以上の魔物か、妖精たちに無害の存在ということになる。

どちらかと言えば、俺は前者だ。


破壊する( やる )気は、無いが破壊しよう( やろう )と、思えば出来るだろう。

(天狗になっている俺。)


「ウナ、俺は(森の)外で、待ってるから、精霊に会いに行ってこい。此処なら、魔物の心配も無いだろう。何日でも良いぞ。それと、霊木の1~2本貰えるか聞いてくれ。持って帰りたい。」

「それなら、直接、木にお願いすれば、答えてくれるよ」

「は? 木にお願い?」

「うん、ベルデ・フレスコ。説明をしてくれますか?」


ベルデ・フレスコが俺の前で一礼する。

「説明させて、頂きます」

「この『ボスクェの森』の木は意思を持ってます。お願いをすればそれに適した木へ案内してくれます。無理なお願いをすれば排除されます。」

「排除って?」

「排除は、排除です。」

「そぉ……、これはどうかな? 俺の力に耐えられる木刀の素材。有るかな?」

ざわざわ さわさわ 森を抜ける風が変わり、葉が揺れる。


「え!?」ベルデが驚いた。

「どうした?」

だいすけ(あなた)が、使える木刀の素材は、無いそうです。」

「やっぱりね」

「あんたの馬鹿力に耐えられる木なんてこの世に無いわよ。神石位じゃないの?」

「?」ウナ以外は頭に?だ。

この森の木は俺の実力が解っているようだ、賞賛に値する。


「神木でもダメなの?」

「こいつの拳は、大岩亀の金の甲羅を一撃で粉々に砕くのよ。 大岩亀の甲羅よ、それも金、あり得ないわ」

「大岩亀な、あれは固かった」

というか、力で粉砕した訳じゃなし、一撃ではない。 拳で砕けなかったから、甲羅に嫌われてみただけなんだよね。 あの時はまだ今みたいなステータスでは、無かったから、今なら、力で粉砕出来るだろうが。


 ベルデたちが、驚いている。大の字になって、後ろに倒れる、空中です、目の前です。

 バッチリ、はっきり見えたのは内緒にしておこう。妖精にも羞恥心は有るだろうから。




蜜玉…花の蜜や果汁を固めたキャンディー

   硬化材、ビッグスパイダーの粘液で固める、入れすぎると不味くなる。花(蜜)の種類で味が変わる、(蜜の)ブレンドも独特の味わいを生む。果汁より、蜜の方が蜜玉にしやすい。


七の花…菜の花みたいな黄色い花。花7つ、花びら7枚、葉っぱ7枚の不思議な花。

7日で花が咲く。7月限定の花。



恋々華(れんれんげ)蓮華(レンゲ)みたいな花。とても甘い蜜。惚れ薬の素材と言われる。とても珍しい花。


パイン…パイナップルの様な味の果物。見た目はバナナに近い。剥きやすいし、食べやすい。花の蜜も美味しい。甘酸っぱい。


イチゴー…イチゴの様な味の果物。人の頭くらいの大きなイチゴ。花の蜜も美味しい。


ボスクェ…スペイン語で森。


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